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初めての海外出張でアフリカへ

南アフリカでの仕事

数回冷凍機の試運転及び修理で、東南アジアへ出張したことがある。
しかしいずれの場合も当社の製品に関する仕事で、製品の情報が思いのままに収集することができたが、今回の南アの出張は全く異なる。即ち当社がライセンス生産している米国のW社製のターボ圧縮機をデンマークの会社が購入し自社製の熱交やオイルクーラー、ベンコントローラ及び制御機器を組み込んで南アフリカに販売したものでありそのターボ冷凍機がヨハネスブルグにおいて試運転時に故障が起き、ビルのオーナーはメーカーのエンジニアが修理しなければ工事代金を支払わないとのことでゼネコン、コンサルトエンジニア、冷凍機販売店共大変困り、デンマークのアセンブラー及び米国のターボ圧縮機メーカー双方にエンジニアの派遣を依頼したが、どちらも自社製ではないとのことでエンジニアの派遣が出来なかった。
そこでコンサルタントエンジニアが米国社と圧縮機、熱交換共にライセンス生産をしている我社のエンジニアであればビルのオーナーの了解が得られるとのことで、我社にサービスエンジニアの派遣を要請してきた。
そのころ我社では南アにおける冷凍機の総販売店を当冷凍機の販売店でもあるS社と契約を交わした所でもあり、又当冷凍機の修理をすることが契約を結ぶ条件でもあったようだ。

このような状況下で私は当時の航空路線がロンドン経由の34時間という長旅で、南アのヨハネスブルグに到着した。ヨハネスブルグにはその後一緒に仕事をすることになったイギリス人のエンジニアが出迎えてくれた。
次の日、販売店の営業部長とコンサルタントエンジニアと共に事故機を点検した後オーナーと面会をした。事故は試運転時に機械室が1.5m近く水没し機械が水浸しになったということであったが、水はすでに排水されていた。ただ壁面及び機械の本体や冷水等の配管にそこまで水没したことを証明するように一本の黒い線がはっきりと確認できた。

オーナーは事故の原因を明確にした上納得がいく処理をしなければ修復しても使用しない。特に事故のメカニズムを明確にすることと完全な修復が日本から来たエンジニアの仕事だとはっきり言われた。
事故の内容は一目で凍結パンクであることがわかったが、試運転時になぜという疑問を解明しなければならないのが私の仕事となった。そのビルはヨハネスブルグの中心にある高層ビルで、オーナーとの面会の後原因究明のため分解調査に入った。
なお修理の事も考えてターボ圧縮機のオーバーホール部品の手配と凍結したチューブの手配を行うと共に、熱交の乾燥も昼夜連続で行うように装置を製作した。
先ず調査に当たって、凍結防止サーモがなぜ作動しなかったかということが誰が考えても思い当たる最初の疑問であり、凍結防止サーモのテストを行なった。やはり凍結防止サーモの感温部を冷やすとペローズでできた接点は-1.5℃程度にならないと接点が開放しなかった。
しかしコンサルタントエンジニアは自分がデンマークまで出向いて凍結防止サーモを自分自身の手で作動テストをしたので試運転時に作動不良となっていた事は考えられない。シーケンスのミス又は他になにか原因があるはずだとのことで凍結防止サーモの作動不良について全く関係ない事と取合って頂けなかった。

その後シーケンスチェック、接点の溶着等調査したが、異常は見当たらなかった。ヨハネスブルグに着いて四日目の朝、顔の皮膚がカサカサになり、何か異常を感じた。そう思えば使用したタオルや洗濯をした下着が今まで旅行したときよりも簡単に乾くような気がした。乾燥のせいで皮膚が乾き、腕や脚まで亀の甲のような文様に、白い線が入っていた。
あっと思い当たった。ここは気圧が低く蒸発しやすいのだ。さっそくホテルのボーイを呼びたっぷりとチップを渡して話をした。
ここの海抜はどの位だ、約600m、これですべての疑問が解けた。即ちヨハネスブルグは高地であり、気圧が低くペローズやブルドン管を使用した機器が大気圧と内圧で作動し、凍結防止サーモのベローズの中の 内圧が温度の低下により圧力が低下しても大気圧が低いために接点を切るのに必要な寸法までベローズが縮まなかったわけだ。

以上のようなことをオーナーに説明したところ、原因はよくわかった、後は修理をし機械が動けば君の仕事は終りだと、オーナーは言ってくれた。

それから約一ヵ月半かけて製品の乾燥を行った。その方法もターボ冷凍機のクーラーの周囲に80kWの電機ヒーターを置き真空ポンプで常時器内を真空に引くと共にターボ冷凍機と真空ポンプを接続する配管の途中に−30℃のサブゼロを置き水分があれば真空ポンプに水分が入る前に水分がサブゼロ内で凍結するようにし、定期的に凍結した水分を解かして機器外に取り出し乾燥度合いを確認した。
当初は3時間で1000cc程度の水が出たが1ヶ月後には24時間で水滴一滴程度となりコンサルタントエンジニアからパーフェクトと言われた。もちろん乾燥前にチューブの取り替えをし、乾燥作業と同時にターボ圧縮機、モーター、抽気装置等もオーバーホールをした。
その作業の間、販売店の営業部長は、次々と現地のコントラクターやコンサルタントエンジニアを作業している私の所に案内し、これが日本のエンジニアだ必要あればいつでも呼べる。仕事は完全だとPRに余念がなかった。帰国予定の数日前販売店の社長は私の滞在中に当社製の40台近いターボ冷凍機の販売契約が出来た。又すでに事故機の販売代金も今日入金された。
日本への帰路、世界中の行きたい所を全部聞かせてくれ、全部かなえるからと言って喜んでくれると共に、その夜社長の家族と共に楽しい思い出の一夜を過ごした。

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