メーカーとManufacturer

業務用エアコン修理と職人さんの話

町の靴屋さんも、鉄や硝子を作る会社も同じメーカーということばで表現するのは何か異なものを感じるのは私だけであろうか。

Manufacturer(以下「MFR」と呼ぶ)ということばがある。しかし、普通はメーカーと言う。私はメーカーというとシューメーカーを思い出す。一人で修理から始めて新品を作るようになり、若年者を雇って技を仕込みながら店を大きくしていく、おかみさんが売り子を兼ねているが手が回らなくなり販売助手も増えてくる。こうなってくると商品企画、販売計画、顧客管理、資金調達等々必要になり組織化がくる。当然サービスもしなければならない、サービスが悪ければ店は繁盛しなくなる。

販売場所の清掃、顧客への対応商品の包装、端数の値引き、無料修理等サービスしなければならないことはいくらでもある。立派なメーカーであるが、MFRではないのである。

ここでMFRとは大規模で多量生産する製造者であると定義付けてみる。多量生産であるから商品企画、生産体制との付き合せ、コストの低減にもあらゆる面から検討されて商品が製造される。もちろん交換修理用の部品も生産される。完璧な商品であれば使用上の不注意による修理用か、劣化した部品の交換のための部品で良いはずである。

靴屋職人また季節商品であるか無いかもサービスの性格が変ってくる。MFRは商品を世に出す前にその商品について修理が多いか、保守はどの点が大事か、修理や保守の方法は、いくつかのケースで作業時間はどれくらいかかるかというサービスマニュアルを商品のお目見えと同時に出さなくてはならない。しかし標準的な修理時間、使用工具の種類などまで書いたものはお目にかかったことはない。

保守修理に関することは製造者(MFR)の仕事ではないのであろうか。取扱い説明書に十分に書いておくべきであるというと、そんなものは読んでくれないといわれる。しかし説明文・イラスト等感心したものはいまだに無い。

国語は小学校1年から高校3年までの12年間全国民が修学するが判りやすい誤解の無い文章を書く技術はなぜうまれないのであろうか。?

MFRのサービスに対する取り組みとそのサービスに従事する方々の姿勢はこの10年来変わっていないようである。

以前のアメリカではOEMの考え方があり、MFRは機器と部品を作るオリジナルイクイップメントマニュファクチュアーである。
「コントラクターはその器材を使って装置を組み立てて顧客に提供してください。そしてメンテナンスもあわせて商売し大いに儲けてください。勿論修理保守だけでも大いに儲かります。我々はそのために器材と部品とそのノウハウを提供します」といったことで空調雑誌、コンサルタントの一致した意見であった。しかし日本では設置工事も修理保守もMFRが乗り出してきて、特約店に対する援助、MFRに拠る修理業務、最後には販売工事する子会社の設立、等を販売拡大のための施策としたのである。

従って系列の中で商売するか、設備業者のアフターサービスを受注するかの二者択一でしかなくなってしまった。しかし現状では換気設備の不備に困っている町工場、集塵がままならないため嘆く中小企業経営者、発熱量が膨大なために設計者が尻込みする設備などを手掛けるのは今後だれの仕事になるのであろうか。

第三の業者を育てるのはまず教育である。たとえば小学校4年間、中学4年間ここまでは義務教育とする。高校4年間、大学4年間として高校・大学はジュニアとシニアの2年間ずつ分けて勉強できるようにする。自由に2年間ずつ行けるようにすれば修学しやすくなる。職業を中心にした学校を増やさなければならない。
もちろんMFRの積極的な参加協力が必要でソフトウェアー、ハードウェアーを提供できる人材の派遣である。政府の税制に関する対応も当然考えなくてはならない。
ドイツのMFRにはマイスターになるのを目的とさせる教育機関を会社の中に持っていると聞いている。特に工事エンジニアリングを伴う会社の場合は職場での職業教育が中心である。

例えば何十億、何百億もするビルでも、大工、左官、天井屋、ボード屋、配管ダクト工、電機屋どれを取ってみても平米(㎡)とかメータ(m)幾らで請負い、汗水垂らして仕事をし、他業種との並行作業に苦しみながら完成させるのである。全くこれら職人さんの力なのである。

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