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例題3(R404A用高圧受液器の設計)

   

問題】円筒胴圧力容器とそれの鏡板に用いる板材として、円筒胴用に板厚9mm、鏡板用に板厚6mmのSM400Bがある。この板材を用いて屋外設置のR404A用高圧受液器を設計する。
ただし、R404Aの凝縮温度50℃における高圧部設計圧力は、2.21MPaとする。

(1) 設計可能な最大の円筒胴の外径\(D_{o}\)は何mmか。ただし、溶接効率は0.7とし、円筒胴外径の小数点以下は切り捨てる。

(2) (1)で求めた円筒胴に取り付ける鏡板の形状は半球形とし、この鏡板には溶接継手はないものとする。これに板厚6mmの板材を用いてもよいか。必要板厚を計算して判断せよ。ただし、円筒胴と鏡板は外径寸法を同一とする。


解答
(1) 設計可能な最大の円筒胴の外径\(D_{o}\)は何mmか。ただし、溶接効率は0.7とし、円筒胴外径の小数点以下は切り捨てる。

腐れしろ:
許容引張応力:
溶接効率:
円筒胴板厚:
設計圧力:
円筒胴内径:

屋外設置で  \(α=1㎜\) とする
SM400Bなので、\(σ_{a}=100N/㎜^{2}\)とする
\(η=0.7\)
\(t_{a}=9㎜\)
\(P=2.21MP_{a}\)
\(D_{i}\)

とすると基本式 \(P=\frac{\Large{2σ_{a}・η(t_{a}-α)}}{\Large{D_{i}+1.2(t_{a}-α)}}\)より

\(D_{i}=\frac{\Large{(2σ_{a}・η-1.2P)(t_{a}-α)}}{P}\) この式に上記数値を代入して、

\(D_{i}=\frac{\Large{(2・100・0.7-1.2・2.21)×(9-1)}}{\Large{2.21}}=497.18733\)
小数点以下切り捨てると \(D_{i}=497㎜\)
外径\(D_{o}=D_{i}+2・t_{a}=497+2・9=515㎜\)

(2) (1)で求めた円筒胴に取り付ける鏡板の形状は半球形とし、この鏡板には溶接継手はないものとする。これに板厚6mmの板材を用いてもよいか。必要板厚を計算して判断せよ。ただし、円筒胴と鏡板は外径寸法を同一とする。

腐れしろ:
全半球形に関する係数:
溶接効率:
鏡板板厚:
設計圧力:
鏡板半径:
許容引張応力:

屋外設置で  \(α=1㎜\) とする
\(W\)
\(η\)
\(t_{a}\)
\(P=2.21MP_{a}\)
\(R\)
SM400Bなので、\(σ_{a}=100N/㎜^{2}\)とする

鏡板の最小必要板厚計算の基本式
\(t_{a}=\frac{PRW}{\Large{2・σ_{a}・η-0.2・P}} +α\)

ここで、\(W\)は全半球なので1、\(η\)は溶接継手が無いので1、円筒胴と鏡板は外径寸法を同一なので鏡板半径\(R\)は\(R=\frac{\Large{D_{o}-2・鏡板板厚}}{\Large{2}} =\frac{\Large{515-2・6}}{\Large{2}}=251.5\) この数値を代入して鏡板の最小必要板厚を計算する。

\(t_{a}=\frac{PRW}{\Large{2・σ_{a}・η-0.2・P}} +α=\frac{\Large{2.21・251.5・1}}{\Large{2・100・1-0.2・2.21}} +1=3.78523≒3.79\)
最小必要板厚は3.79㎜なので板厚6ミリの板材は使える。

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