フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律告示
○ 告示第十三号経済産業省・環境省
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(平成十三年法律第六十四号)第十六条第一項の規定に基づき、第一種特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項を次のとおり定めたので、告示する。
平成二十六年十二月十日
経済産業大臣 宮沢洋一
環境大臣 臨時代理
国務大臣 有村治子
第一種特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項
第一 管理第一種特定製品の設置及び使用する環境の維持保全に関する事項
1 第一種特定製品の管理者は、次の事項に留意して管理第一種特定製品を設置すること。
(1)管理第一種特定製品の設置場所の周囲に、金属加工機械その他の当該管理第一種特定製品に損傷等を与えるおそれのある著しい振動を発生する設備等がないこと。
(2)管理第一種特定製品の設置場所の周囲に、当該管理第一種特定製品の点検及び修理(フロン類の漏えい(以下単に「漏えい」という。)を防止するために必要な措置をいう。以下同じ。)の障害となるものがなく、点検及び修理を行うために必要な作業空間や通路等が適切に確保されていること。
2 第一種特定製品の管理者は、次の事項に留意して管理第一種特定製品を使用し、かつ、使用する環境の維持保全を図ること。
(1)1により設置した管理第一種特定製品の設置場所の周囲の状況の維持保全を行うこと。
(2)他の設備等を管理第一種特定製品に近接して設置する場合は、当該管理第一種特定製品の損
傷等その他の異常を生じないよう必要な措置を講ずること。
(3)管理第一種特定製品に関し、定期的に、凝縮器、熱交換器等の汚れ等の付着物を除去し、また、排水受け(管理第一種特定製品から生じる排水を一時的に貯留する構造のものをいう。)に溜まった排水の除去その他の清掃を行うこと。
第二 管理第一種特定製品の点検に関する事項
第一種特定製品の管理者は、管理第一種特定製品からの漏えい又は漏えいを現に生じさせている蓋然性が高い故障又はその徴候(以下「故障等」という。)を早期に発見するため、次により、定期的に管理第一種特定製品の点検を行うこと。
1 管理第一種特定製品の簡易点検及び専門点検
(1)第一種特定製品の管理者は、3月に1回以上、管理第一種特定製品について簡易な点検(以下「簡易点検」という。)を行うこと。
(2)簡易点検は、次により行うこと。
① 別表1の第1欄に掲げる管理第一種特定製品の種類に応じ、それぞれ同表の第2欄に掲げる事項について、検査を行うこと。ただし、管理第一種特定製品の設置場所の周囲の状況又は第一種特定製品の管理者の技術的能力により、検査を行うことが困難な事項については、この限りでない。この場合においては、周囲の状況又は技術的能力を踏まえ可能な範囲内で検査を行うこと。
② ①の検査により、漏えい又は故障等を確認した場合には、可能な限り速やかに、専門的な点検(以下「専門点検」という。)を行うこと。
③ ②の専門点検は、次により行うこと。
イ直接法(発泡液の塗布、冷媒漏えい検知器を用いた測定又は蛍光剤若しくは窒素ガス等の第一種特定製品への充塡により直接第一種特定製品からの漏えいを検知する方法をいう。以下同じ。)、間接法(蒸発器の圧力、圧縮器を駆動する電動機の電圧又は電流その他第一種特定製品の状態を把握するために必要な事項を計測し、当該計測の結果が定期的に計
測して得られた値に照らして、異常がないことを確認する方法をいう。以下同じ。)又はこれらを組み合わせた方法による検査を行うこと。
ロフロン類の性状及び取扱いの方法並びにエアコンディショナー、冷蔵機器及び冷凍機器の構造並びに運転方法について十分な知見を有する者が、検査を自ら行い又は検査に立ち会うこと。
2 一定規模以上の管理第一種特定製品の定期点検
(1)別表2の第1欄に掲げる管理第一種特定製品の種類ごとに、それぞれ同表の第2欄に掲げる管理第一種特定製品の区分に応じ、同表の第3欄に掲げる回数で管理第一種特定製品の点検(以下「定期点検」という。)を行うこと。
(2)(1)の定期点検は、次により行うこと。
① 管理第一種特定製品からの異常音の有無についての検査並びに管理第一種特定製品の外観の損傷、摩耗、腐食及びさびその他の劣化、油漏れ並びに熱交換器への霜の付着の有無についての目視による検査並びに直接法、間接法又はこれらを組み合わせた方法による検査を行うこと。
② フロン類及び第一種特定製品の専門点検の方法について十分な知見を有する者が、検査を自ら行い又は検査に立ち会うこと。
第三 管理第一種特定製品からのフロン類の漏えい時の措置
1 第一種特定製品の管理者は、簡易点検若しくは定期点検又は第一種フロン類充塡回収業者からの通知等によって、漏えい又は故障等を確認した場合は、速やかに、次に掲げる事項を行うこと。
① 漏えいを確認した場合にあっては、当該漏えいに係る点検及び当該点検により漏えい箇所が特定された場合には当該箇所の修理
② 故障等を確認した場合にあっては、当該故障等に係る点検及び修理
2 漏えい又は故障等を確認したときは、1に掲げる事項を行うまで第一種特定製品整備者を通じて管理第一種特定製品に冷媒としてフロン類を充塡することを委託してはならないこと。ただし、漏えい箇所の特定又は修理の実施が著しく困難な場所に当該漏えいが生じている場合においては、この限りでない。
3 2の場合において、人の健康を損なう事態又は事業への著しい損害が生じないよう、環境衛生上必要な空気環境の調整、被冷却物の衛生管理又は事業の継続のために修理を行わずに応急的にフロン類を充塡することが必要であり、かつ、漏えいを確認した日から60日以内に当該漏えい箇所の修理を行うことが確実なときは、1に掲げる事項を行う前に、1回に限り充塡を委託することができることとする。
第四 管理第一種特定製品の点検及び整備に係る記録等に関する事項
1 第一種特定製品の管理者は、管理第一種特定製品ごとに、点検及び整備に係る次の事項を記載した記録簿(2による記録が行われたファイル又は磁気ディスクを含む。以下同じ。)を備え、当該管理第一種特定製品を廃棄するまで、保存すること。
(1)管理第一種特定製品の管理者の氏名又は名称(法人にあっては、実際に管理に従事する者の氏名を含む。)
(2)管理第一種特定製品の所在及び当該管理第一種特定製品を特定するための情報
(3)管理第一種特定製品に冷媒として充塡されているフロン類の種類(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律施行規則(平成26年経済産業省・環境省令第7号)第1条第3項に規定するフロン類の種類をいう。以下同じ。)及び量
(4)第二に基づく管理第一種特定製品の点検の実施年月日、当該点検を行った者の氏名(法人にあっては、その名称及び当該点検を行った者の氏名を含む。)並びに当該点検の内容及びその結果(漏えい又は故障等が認められた場合にあっては、漏えい又は故障等の箇所その他の状況に関する事項を含む。ただし、簡易点検のみを行った場合にあっては、点検を行った旨及びその実施年月日を記載すること。)
(5)第二に基づく管理第一種特定製品の修理の実施年月日、当該修理を行った者の氏名(法人にあっては、その名称及び当該修理を行った者の氏名を含む。)並びに当該修理の内容及びその結果
(6)漏えい又は故障等が確認された場合における速やかな修理が困難である理由及び修理の予定時期
(7)管理第一種特定製品の整備が行われる場合において管理第一種特定製品に冷媒としてフロン類を充塡した年月日、当該充塡に係る第一種フロン類充塡回収業者の氏名(法人にあっては、その名称及び当該充塡を行った者の氏名を含む。)並びに充塡したフロン類の種類及び量
(8)管理第一種特定製品の整備が行われる場合においてフロン類を回収した年月日、回収した第一種フロン類充塡回収業者の氏名(法人にあっては、その名称及び当該回収を行った者の氏名を含む。)並びに回収したフロン類の種類及び量
2 1の記録簿が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)に記録され、必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて当該記録された情報の内容を確認できるときは、当該記録をもって記録簿に代えることができる。
3 第一種特定製品の管理者は、第一種特定製品整備者又は第一種フロン類充塡回収業者から、管理第一種特定製品の整備に際して1の記録簿の提示を求められたときは、速やかに、これに応じること。
4 管理第一種特定製品の整備又は廃棄等を行う際、当該管理第一種特定製品にフロン類の使用の合理化及び管理の適正に関する法律第87条第3号の規定に基づき特定製品の製造業者等が表示したフロン類以外の冷媒が現に充塡されている場合は、当該管理第一種特定製品の整備を行う場合にあっては第一種特定製品整備者(管理者が自ら当該管理第一種特定製品の整備を行う場合にあっては第一種フロン類充塡回収業者)、当該管理第一種特定製品の廃棄等を行う場合にあっては第一種フロン類充塡回収業者(当該管理第一種特定製品に冷媒として充塡されているフロン類の第一種フロン類充塡回収業者への引渡しを他の者に委託する場合にあっては第一種フロン類引渡受託者)に対して、1の記録簿を提示することその他の適切な方法により、当該管理第一種特定製品に現に充塡されている冷媒の種類を説明しなければならない。ただし、当該管理第一種特定製品に現に充塡されている冷媒の種類を見やすく、かつ、容易に消滅しない方法で表示して
いる場合は、この限りでない。
5 管理第一種特定製品を他者に売却する場合、1の記録簿又はその写しを当該管理第一種特定製品と合わせて売却の相手方に引き渡すこと。
附則
この告示は、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律(平成25年法律第39号)の施行の日から施行する。
別表1
第1欄 | 第2欄 |
管理第一種特定製品の種類 | 検査を行う事項 |
エアコンディショナー | (1)管理第一種特定製品からの異常音並びに管理第一種特定製品の外観の損傷、 摩耗、腐食及びさびその他の劣化、油漏れ並びに熱交換器への霜の付着の有無 |
冷蔵機器及び冷凍機器 | (1)管理第一種特定製品からの異常音並びに管理第一種特定製品の外観の損傷、 摩耗、腐食及びさびその他の劣化、油漏れ並びに熱交換器への霜の付着の有無 (2)管理第一種特定製品により冷蔵又は冷凍の用に供されている倉庫、陳列棚そ の他の設備における貯蔵又は陳列する場所の温度 |
別表2
第1欄 | 第2欄 | 第3欄 |
管理第一種特定製品の種類 | 管理第一種特定製品の区分 | 点検を行う回数 |
エアコンディショナー | 圧縮機を駆動する電動機の定格出力又は圧縮機を駆動する内燃 機関の定格出力が7.5キロワット以上50キロワット未満で あるもの |
3年に1回以上 |
圧縮機を駆動する電動機の定格出力又は圧縮機を駆動する内燃 機関の定格出力が50キロワット以上であるもの |
1年に1回以上 | |
冷蔵機器及び冷凍機器 | 圧縮機を駆動する電動機の定格出力又は圧縮機を駆動する内燃 機関の定格出力が7.5キロワット以上(輸送用冷凍冷蔵ユニ ットのうち、車両その他の輸送機関を駆動するための内燃機関 により輸送用冷凍冷蔵ユニットの圧縮機を駆動するものにあっ ては、当該内燃機関の定格出力のうち当該圧縮機を駆動するた めに用いられる出力が7.5キロワット以上)であるもの |
1年に1回以上 |
備考 第2欄の管理第一種特定製品の区分は、二以上の電動機又は内燃機関により圧縮機を駆動する第一種特定製品にあっては、当該電動機又は当該内燃機関の定格出力の合計により適用する。
○ 告示第九号経済産業省・環境省
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(平成十三年法律第六十四号)第十六条第一項の規定に基づき、第一種特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項(平成二十六年経済産業省・環境省告示第十三号)の一部を次のように改正し、公布の日から施行する。
令和四年八月二十二日
経済産業大臣 西村康稔
環境大臣 西村明宏
改 正 後 | 改 正 前 |
第一 (略) 第二 管理第一種特定製品の点検に関する事項 第一種特定製品の管理者は、管理第一種特定製品からの 漏えい又は漏えいを現に生じさせている蓋然性が高い故 障又はその徴候(以下「故障等」という。)を早期に発 見するため、次により、定期的に管理第一種特定製品の 点検を行うこと。 1 管理第一種特定製品の簡易点検及び専門点検 (1) 第一種特定製品の管理者は、管理第一種特定製品 について簡易な点検(以下「簡易点検」という。)を行 うこと。 (2) (1)の簡易点検は、次により行うこと。 ①別表1の第1欄に掲げる管理第一種特定製品の種類に 応じ、それぞれ同表の第2欄に掲げる事項について、3 月に1回以上、検査を行うこと。ただし、管理第一種特 定製品の設置場所の周囲の状況又は第一種特定製品の管 理者の技術的能力により、検査を行うことが困難な事項 については、この限りでない。この場合においては、周 囲の状況又は技術的能力を踏まえ可能な範囲内で検査を 行うこと。なお、漏えい又は故障等を常時監視するシス テム(以下「常時監視システム」という。)のうち次に 掲げる基準に適合するものを用いて、漏えい又は故障等 を早期に発見するために必要な措置が講じられている場 合にあっては、これをもって検査に代えることができ る。 イ 管理第一種特定製品の種類に応じ、冷媒系統ごとの 圧力、温度その他の漏えいを検知するために必要な状態 値を1日に1回以上計測すること。 |
第一 (略) 第二 管理第一種特定製品の点検に関する事項 第一種特定製品の管理者は、管理第一種特定製品からの 漏えい又は漏えいを現に生じさせている蓋然性が高い故 障又はその徴候(以下「故障等」という。)を早期に発 見するため、次により、定期的に管理第一種特定製品の 点検を行うこと。 1 管理第一種特定製品の簡易点検及び専門点検 (1) 第一種特定製品の管理者は、3月に1回以上、管理 第一種特定製品について簡易な点検(以下「簡易点検」 という。)を行うこと。 (2) 簡易点検は、次により行うこと。 ①別表1の第1 (新設) |
ロ イの状態値の異常又は変化に基づき、漏えい又は漏 えいの疑いがあるか否かを1日に1回以上診断するこ と。 ハ イの状態値又はロの診断の結果を1日に1回以上記 録し、1年以上保存すること。 ニ ロの診断の結果、漏えい又は漏えいの疑いを検知し た場合において、当該診断に係る管理第一種特定製品の 管理者に対し、当該管理者以外の者が通知を容易に解除 することができない方法により直ちに当該診断の結果を 通知すること。また、当該通知の履歴を1年以上保存す ること。 ホ 漏えいの検知性能について、管理第一種特定製品の 製品群ごとに日本冷凍空調工業会標準規格(JRA)若 しくは日本産業規格(JIS)で規定され、又は管理第 一種特定製品ごとに当該管理第一種特定製品のカタログ に記載された温度その他の条件で試験が行われ、適正な 充.量の 30%の冷媒が漏えいするまでに漏えいの判定が 可能であることが確認されていること。 ② ①の検査又は常時監視システムにより、漏えい又は 故障等を確認した場合には、可能な限り速やかに、専門 的な点検(以下「専門点検」という。)を行うこと。 ③ (略) 2 (略) 第三(略) 第四 管理第一種特定製品の点検及び整備に係る記録等 に関する事項 1 第一種特定製品の管理者は、管理第一種特定製品ご とに、点検及び整備に係る次の事項を記載した記録簿 (2による記録が行われたファイル又は磁気ディスクを 含む。以下同じ。)を備え、当該管理第一種特定製品の 廃棄等を行い、当該管理第一種特定製品に冷媒として充. されているフロン類の第一種フロン類充.回収業者への引 渡しを完了した日から3年を経過するまで、保存するこ と。 (1)~(3)(略) (4) 第二に基づく管理第一種特定製品の点検の実施年月 日、当該点検を行った者の氏名(法人にあっては、その 名称及び当該点検を行った者の氏名を含む。)並びに当 該点検の内容及びその結果(漏えい又は故障等が認めら れた場合にあっては、漏えい又は故障等の箇所その他の 状況に関する事項を含む。ただし、簡易点検のみを行っ た場合にあっては、点検を行った旨及びその実施年月日 (常時監視システムを用いて第二の1の (2)の①の検査 に代えた場合にあっては、その期間。)を記載するこ と。) (5)~(9) (略) 2~5(略) |
(新設) (新設) (新設)
(新設) ② ①の検査により、漏えい又は故障等を確認した場合 ③ (略) 2 (略) 第三(略)
(5)~(9) (略) |