1.フロン排出抑制法が制定されることになった要因
Ⅰ.環境問題とフロン類の関係
オゾン層の保護及び地球温暖化の防止のため、ノンフロン・低GWP化の推進や、既に使用されている特定フロン、代替フロンの排出抑制対策が重要になった。
出典:環境省資料
ODP:オゾン層破壊係数(CFC-11を1とした場合のオゾン層に与える破壊効果の強さを表す値)
GWP:地球温暖化係数(CO2を1とした場合の温暖化影響の強さを表す値)
Ⅱ.国際的なフロン対策
出典:環境省資料
Ⅲ.温室効果ガス排出量の増加
A.日本の温室効果ガス排出量(2016年度速報値)(出典:環境省資料)
● 2016年度(速報値)の総排出量は13億2,200万トン(前年度比-0.2%、2013年度比-6.2% 、2005年度比-4.6%)
● 前年度/2013年度と比べて排出量が減少した要因としては、オゾン層破壊物質からの代替に伴い、冷媒分野においてハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量が増加した一方で、再生可能エネルギーの導入拡大や原発の再稼働等により、エネルギー起源のCO2排出量が減少したことなどが挙げられる。
●2005年度と比べて排出量が減少した要因としては、オゾン層破壊物質からの代替に伴い、冷媒分野においてハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量が増加した一方で、産業部門や運輸部門におけるエネルギー起源のCO2排出量が減少したことなどが挙げられる。
注1 2016年度速報値の算定に用いた各種統計等の年報値について、速報値の算定時点で2016年度の値が未公表のものは2015年度の値を代用している。また、一部
の算定方法については、より正確に排出量を算定できるよう見直しを行っている。このため、今回とりまとめた2016年度速報値と、来年4月に公表予定の2016年度
確報値との間で差異が生じる可能性がある。なお、確報値では、森林等による吸収量についても算定、公表する予定である。
注2 各年度の排出量及び過年度からの増減割合(「2005年度比」等)には、京都議定書に基づく吸収源活動による吸収量は加味していない。
B.HFCの排出増加見込み(出典:環境省資料)
●2000年以降、冷凍空調機器の冷媒として用いられるフロン類について、特定フロンから代替フロンへの転換が進んでおり、冷媒としての市中ストックは増加傾向にある。
BAU:Business As Usual ※フロン分野の排出推計においては、現状の対策を継続した場合の推計を示す。
出典: 実績は政府発表値。2020年予測は、冷凍空調機器出荷台数(日本冷凍空調工業会)、使用時漏えい係数、廃棄係数、回収実績等から経済産業省試算。
C.使用時の漏えい
(出典:環境省資料、産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会代替フロン等3ガスの排出抑制の課題と方向性について(中間論点整理)参考資料より)
●冷凍空調機器の設備不良や経年劣化等により、これまでの想定以上に使用時漏えいが生じていることが判明しました。
2.フロン排出抑制法
●フロン回収・破壊法が改正され、「フロン排出抑制法」(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)として平成27年4月から施行された。
●フロンのライフサイクルに携わる全ての主体に、法令の遵守を求めている。
法の全体イメージ
3.フロン排出抑制法の対象 「管理者」
●HFOやCO2など、フロン類以外を冷媒として使用している機器については、フロン排出抑制法の対象外である。
●原則として、当該製品の所有者が管理者となる。
●ただし、例外として、契約書等の書面において、保守・修繕の責務を所有者以外が負うこととされている場合は、その者が管理者となる。
※保守点検、メンテナンス等の管理業務を委託している場合は、当該委託を行うことが保守・修繕の責務の遂行であるため、委託元が管理者に当たる。
※所有者と使用者のどちらが管理者に当たるか不明確な場合は、まず、現在の契約を所有者と使用者の間で相互に確認し、管理者がどちらに該当するのかを明確にすることが必要。
4.フロン排出抑制法の対象 「第一種特定製品」
業務用冷凍空調機器(第一種特定製品) | |||
業務用空調機器 | 冷凍冷蔵ショーケース |
定置型冷凍
冷蔵ユニット
|
ターボ式冷凍機 |
5.「第一種特定製品」の見える化
表示方法:見やすく、かつ、容易に消滅しない方法
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