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業務用エアコン設置に係わる電気工事の分類と資格許認可

  1. 電気工事とは
  2. 電気工事業とは
  3. 電気に係る工事の分類
  4. エアコン設置に伴う電気工事の範囲で取得しなければならない資格・許認可
    1. 例1.内外接続電線を室内機および室外機の接続端子に差し込み接続する作業(赤枠に該当する)
    2. 例2.内外接続電線を室内機および室外機の接続端子に差し込み接続する作業(赤枠に該当する)
      1. ①600Vを超える電圧で使用するエアコン
      2. ②600V以下で使用するエアコン
    3. 例3.内外接続電線を直接壁などに固定する作業(赤枠に該当する)
      1. ①内外接続電線を直接壁に固定する場合
      2. ②内外接続電線が冷媒配管などとともにテープで巻かれたものを壁に固定する場合
      3. ③電線を保持・保護する機能や目的を持たない化粧カバーを設置する作業
    4. 例4.内外接続電線が造営物を貫通する部分に防護装置を取り付ける作業(赤枠に該当する)
      1. ①防護装置が金属製のもの
      2. ②防護装置が金属製以外のもの
    5. 例5.内外接続電線を防護装置の中に通す作業(赤枠に該当する)
      1. ①壁が厚い等、作業後の電線の損傷状況が容易に確認できない場合
      2. ②壁に厚さがなく作業後の電線の状態が容易に確認できるもの
    6. 例6.接地(アース)工事(赤枠に該当する)
      1. ①接地線相互を接続する作業、接地線と接地極を接続する作業接地極を埋設する作業
      2. ②接地線を接地端子(アースターミナル)に差込み接続する作業
      3. ③接地線をエアコンにネジ止めする作業接地極付コンセントにプラグを差込む作業
    7. 例7.関連工事(赤枠に該当する)
      1. コンセントの移設・増設内外接続電線相互の接続室内配線の新設電圧の切替を目的とした工事
  5. 【補足】 電気工事士が直接従事する必要がある作業
    1. 軽微な工事とは
    2. 具体的には

電気工事とは

「電気工事」とは、一般用電気工作物又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう(電気工事士法第2条第3項)エアコンの工事・サービスで電気工事を行うには第一種または第二種電気工事士の資格が必要

 電気工作物 事業用電気工作物
第一種電気工事士免状の
交付を受けている者でな
ければ工事に従事しては
ならない
電気事業用電気工
作物
500kW以上の需要設備、
発電所、変電所等
自家用電気工作物 500kW未満の需要設備、
中小ビル等600V以下で受

電、一般家庭、商店等の屋内
配電設備等
一般用電気工作物 第一種又は第二種電気工事士
免状の交付を受けている者で

なければ工事に従事してはな
らない

 

電気工事業とは

電気工事業とは、他の者から依頼を受けた者が自らその電気工事の全部又は一部の施工を反復・継続して行う場合をいい、有償・無償を問いません。

1.登録電気工事業者

登録電気工事業者とは、建設業許可を受けていない業者であって、電気工事業を営もうと する者をいいます。(一般用・自家用電気工作物の工事を行う業者)

2.通知電気工事業者

通知電気工事業者とは、建設業許可を受けていない業者であって、自家用電気工作物に係 る電気工事のみの電気工事業を営もうとする者をいいます。

3.みなし登録電気工事業者

みなし登録電気工事業者とは、建設業法の許可を受けた建設業者であって電気工事業を営 もうとする者をいいます。 (一般用・自家用電気工作物の工事を行う業者)

4.みなし通知電気工事業者

みなし通知電気工事業者とは、建設業法の許可を受けた建設業者であって自家用電気工作 物に係る電気工事のみの電気工事業を営もうとする者をいいます。

エアコンの工事・サービス業を行うには、1または3の電気工事業者に登録されていることが必要

電気に係る工事の分類

  電気工事 電気工事ではない作業(軽微な工事)
電気工事士が行うべき
電気工事
軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

 

  電気工事 電気工事では
ない作業
(軽微
な工事)
電気工事士が行う
べき電気工事
軽微な作業

内外接続電線を
接続端子に差
し込む作業
(省
令第2条第1
項第1号ヲ)

600Vを超えて使用
するエアコンの室
内機および室外機
の接続端子に内外
接続電線を差し込
む(接続する)作業

600V以下で使用するエア
コンの室内機および室外
機の接続端子に内外接続
電線を差し込む作業
 

内外接続電線
を壁に固定す
る作業
(省令第
2条第1項第
1号ハ)

内外接続電線を直
接壁などに固定す
る作業

冷媒配管やドレインホー
スなどとともに内外接続
電線を化粧テープ、絶縁
ビニルテープを巻き付け
て一体化した上でこれを
壁などに固定する作業

電線を保持・
保護する機能
や目的を持た
ない化粧カバー
を設置する作業

 

  電気工事 電気工事ではない
作業
(軽微な工事)
電気工事士が行う
べき電気工事
軽微な作業

内外接続電線
が造営物を貫
通する部分に
防護装置を取
り付ける作業
(
省令第2条第
1項第1号チ)

内外接続電線等が
造営材を貫通する
部分に、金属製の
防護装置を取り付
ける作業

内外接続電線等が造営材を
貫通する部分に、樹脂製(金
属製以外)の防護装置を取り
付ける作業

 
内外接続電線
を防護装置の
中に通す作業
(
省令第2条第
1項第1号ニ)

壁が厚い等、作業
後の電線の損傷状
況が容易に確認で
きない場合にお
ける、防護装置の
中に内外接続電線
を通す作業

作業後の電線の損傷状況が
容易に確認できる場合にお
ける,防護装置の中に内外接
続電線を通す作業

 

接地線に係る
工事
(アース工事
)
(省令第2条第
1項第1号ル
、第2 項第1
号ロ)

600Vを超えて使用
するエアコンに接
地線を接続する
作業、接地線相互
を接続する作業、
接地線を接地極に
接続する作業、接
地極を地面に埋設
する作業

600V以下で使用するエアコ
ンに接地線を接続する作業
、接地線を接地端子(アース
ターミナル)に接続する作業

エアコンの電源プ
ラグをコンセント
に差し込む作業、
接地極付コンセン
トに3本足のプラ
グを差し込む作業

エアコン設置に伴う電気工事の範囲で取得しなければならない資格・許認可

例1.内外接続電線を室内機および室外機の接続端子に差し込み接続する作業(赤枠に該当する)

  電気工事 電気工事ではない作業
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

例2.内外接続電線を室内機および室外機の接続端子に差し込み接続する作業(赤枠に該当する)

①600Vを超える電圧で使用するエアコン

  電気工事  電気工事ではない作業
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

②600V以下で使用するエアコン

  電気工事  電気工事ではない作業
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

例3.内外接続電線を直接壁などに固定する作業(赤枠に該当する)

①内外接続電線を直接壁に固定する場合

  電気工事  電気工事ではない作業
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

②内外接続電線が冷媒配管などとともにテープで巻かれたものを壁に固定する場合

  電気工事 電気工事ではない作業
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

③電線を保持・保護する機能や目的を持たない化粧カバーを設置する作業

  電気工事 電気工事ではない作業
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

例4.内外接続電線が造営物を貫通する部分に防護装置を取り付ける作業(赤枠に該当する)

①防護装置が金属製のもの

  電気工事  電気工事ではない作業 
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

②防護装置が金属製以外のもの

  電気工事  電気工事ではない作業 
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

 

例5.内外接続電線を防護装置の中に通す作業(赤枠に該当する)

①壁が厚い等、作業後の電線の損傷状況が容易に確認できない場合

  電気工事  電気工事ではない作業 
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

②壁に厚さがなく作業後の電線の状態が容易に確認できるもの

  電気工事  電気工事ではない作業 
  電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

 

例6.接地(アース)工事(赤枠に該当する)

①接地線相互を接続する作業、接地線と接地極を接続する作業接地極を埋設する作業

  電気工事  電気工事ではない作業 
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

②接地線を接地端子(アースターミナル)に差込み接続する作業

  電気工事  電気工事ではない作業 
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

③接地線をエアコンにネジ止めする作業接地極付コンセントにプラグを差込む作業

  電気工事 電気工事ではない作業
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

 

例7.関連工事(赤枠に該当する)

コンセントの移設・増設内外接続電線相互の接続室内配線の新設電圧の切替を目的とした工事

  電気工事  電気工事ではない作業 
電気工事士が行うべき電気工事 軽微な作業
電気工事業の登録 必要 必要 不要
電気工事士の資格 必要 不要 不要

 

【補足】 電気工事士が直接従事する必要がある作業


①取り付ける作業が(電気工事士が行うべき電気工事)に該当する場合には、取り外す作業も(電気工事士が行うべき電気工事)に該当する。

②金属製以外(例:樹脂製)のボックス、防護装置取り付け、取り外しの作業は、「軽微な作業」である

③600V以下で使用する電気機器に接地線を取り付ける作業は、「軽微な作業」である

軽微な工事とは

  1. 電圧六百ボルト以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケットローゼットその他の接続器又は電圧六百ボルト以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事 (※)
  2. 電圧六百ボルト以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ。)又は電圧六百ボルト以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む以下同じ。)をねじ止めする工事 (※)
  3. 電圧六百ボルト以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事(※)
  4. 電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が三十六ボルト以下のものに限る。)の二次側の配線工事 (※)
  5. 電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事
  6. 地中電線用の暗渠又は管を設置し、又は変更する工事

(※) 低圧電気取扱業務(特別教育)の資格が必要であるもの

具体的には

がいしに電線の取付 がいしに電線を取り付け、又はこれをり外す作業
電線の取付 電線を直接造営材に取り付け又はこれを取り外す作業
配線器具の取付 配線器具を直接造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業
金属製ボックスの取付 金属製ボックスを造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業
電線、電線管等の取付 電線、電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物が造営材を貫通
する部分に金属製の防護装置を取り付け、又はこれを取り外す作業
金属製の電線管・線樋の
取付
金属製の電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物又はこれらの
付属品を、建造物のメタルラス張り又は金属板張りの部分に取り付け
、又はこれを取り外す作業
配電盤の取付 配電盤を造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業
接地線の自家用電気工作
物に取付
接地線を自家用電気工作物に(自家用電気工作物のうち最大電力五百
キロワット
未満の需要設備に於いて設置される電気機器であって電圧
六百ボルト以下で使用
するものを除く。)取り付け、若しくはこれを
取り外し、
接地線相互若しくは接地線と接地極とを接続し、又は接地
を地面に埋設する作業

※電気工事士受験参考テキスト