フロン回収用として使用してはいけない容器
次のような容器はフロン回収には使用してはいけません
回収容器(ボンベ)について
1. 過充填防止のため回収できるガスの容量目安
たとえばR410Aの容器内の液冷媒体積変化
温 度 | 16℃ | 30℃ | 36℃ | 42℃ |
圧 力 | 1.29 MPa | 1.69 MPa | 2.19 MPa | 2.54 MPa |
充てん率 | 90.0 % | 95.9 % | 100.0 % | 102.9 % |
質 量 | 20.9 ㎏ | 20.9 ㎏ | 20.9 ㎏ | 20.9 ㎏ |
比体積 | 0.9044 | 0.9634 | 1.005 | 1.032 |
2. 回収容器の冷媒充填量
設定範囲と条件
1.適用冷媒:R12,R22,R134a,R502,R407C,R410A,R404A,R507A
2.対象容器:FC1,FC2 ,FC3
3.温度40℃で容器内容積の90%を超えないこと
4.可溶栓の作動温度60℃で容器内容積未満であること
5.冷凍機油の混入割合を30%以下とする
以上の設定範囲と条件に於いて、各冷媒ごとの質量レベルの設定(限度充填量を超えない質量)は次の通りである。冷媒ごとに3つのグループに分けて設定されている。
A.グループ1 R12 容器種類:FC1類 |
||||||
容器内容積 | 107 | 40 | 24 | 21 | 11 | 10 |
質量レベル(㎏) | 100 | 38 | 22 | 20 | 10 | 9 |
充填済み容器の 質量(㎏) |
135 | 62 | 37 | 34 | 20 | 18 |
空容器の質量(㎏) | 35 | 24 | 15 | 14 | 10 | 9 |
B.グループ2 R22,R134A,R502容器種類:FC2類 |
||||||
容器内容積 | 107 | 40 | 24 | 21 | 11 | 10 |
質量レベル(㎏) | 97 | 36 | 21 | 19 | 10 | 9 |
充填済み容器の 質量(㎏) |
132 | 60 | 36 | 33 | 20 | 18 |
空容器の質量(㎏) | 35 | 24 | 15 | 14 | 10 | 9 |
C.グループ3 R407C,R410A,R404A,R507A 容器種類:FC3類 |
||||||
容器内容積 | 120 | 24 | 21 | 12 | 6 | |
質量レベル(㎏) | 95 | 19 | 16 | 9 | 5 | |
充填済み容器の 質量(㎏) |
130 | 34 | 30 | 21 | 15 | |
空容器の質量(㎏) | 35 | 15 | 14 | 12 | 10 |
3. 回収容器の種類と所有者登録
容器を所有したものは、容器所有者登録と容器に所有者名の明記、所有者刻印の打刻を行う必要がある。また、容器を使用する前には、充填するフルオロカーボン冷媒名を明記する必要がある。回収容器は、多種の容器が販売されているが、回収するフルオロカーボン冷媒の種類により、容器の種類を分ける必要がある。容器の種類が同じでも、異なったフルオロカーボン冷媒を同じ容器に回収することは認められていない。
4. ボンベの使用期限と再検査
回収容器には、検査年月日などが刻印されており、一定期間ごとに容器検査を受検しなくてはならない。一定期間を経過したもの、損傷があるもの、改造した容器などは使用することはできない。
容器の書類 | 容量等 | 製造からの経過年数 | |
20年未満 | 20年以上 | ||
溶接容器 | 500Lを超えるもの | 5 | 2 |
500L以下 | 5 | 2 | |
耐圧試験圧力3.0MPa以下で かつ25L以下 |
6 | 2 | |
一般継目なし容器 | 500Lを超えるもの | 5 | |
500L以下 | 5 | ||
一般複合容器 | 3 |
冷媒回収機
すべてのフロン類を一台で回収できる冷媒回収機はなく、フロン分類(CFC,HCFC,HFC)は同じでも圧力の異なるフルオロカーボン冷媒がある。誤った使用方法は事故の原因となる。
安全に、かつ効率の良い冷媒回収を行うためには、冷凍空調機器に充填されている冷媒量、種類に応じた適正な冷媒回収機と回収機材を選択することが必要である。
一般的な回収機
一般的な回収機
その他付属機器
1.ゲージマニホールド、チャージングホースは、回収フロン、回収装置に適合 したサイズものを準備する。
2.チャージングホースが長くなる場合は、管路抵抗を減らすため、ワンサイズ 上のホースを使用する。
3.サービス工具は、回収するフロンの種類に適合したものを準備する。 R410A は他のフロンに比し圧力が高く、混同使用を避けるためサービスポー トのサイズが異なる。
4.回収装置の低圧側、高圧側の圧力を監視しながら回収する場合は、ゲージマニホールドを使用する。その必要がない場合は、回収効率を高めるため、チ ャージングホースを直接接続する。
5.HFC 冷媒用には、逆流防止用電磁弁付の真空ポンプを使用する。
6.電源が使えない場合、携行型発電機を準備する。現場に 3 相 200 V 電源があ る場合は、ダウントランス(200 V/100 V)を準備する。
フロン回収の順序
1. まず最初にボンベの真空引き
1.ボンベのガス側バルブ(青色)に連成計(又は真空計)を取り付け、真空度を確認する。
2.真空度が-0.1 MPa 未満の場合は、真空ポンプを接続し、ボンベ内に残留している窒素、空気など不凝縮ガスを-0.1 MPa まで完全に排気する。
2. 過充てん防止機構の正常動作を確認
1.フロートセンサ式は、回収容器を逆さにして、満液ランプが点灯、回収装置の停止を確認する。
2.質量検知式は、質量検知器のゼロ点調整のうえ、満液ランプの点灯、回収装置の停止を確認する。
3. 回収機と冷凍空調機器機との接続
1.パッケージエアコン
1)回収接続口は、高圧側、低圧側のサービスポートに接続する。
2) 赤いチャージングホースを高圧側に青いチャージングホースを低圧側に接続する
3) ゲージマニホールドの高圧側ポートには、パッケージエアコンの高圧側からの赤いチャージングホースを、低圧側ポ ートには,パッケージエアコンの低圧側からの青いチャージングホースを接続する。中央ポートの黄色いチャージングホースは回収装置の吸入側ポートに接続する
4) 回収装置の吸入側ポートには、ゲージマニホールドからの黄色いチャージ ングホースを、吐出側ポートには、回収液を容器に送るために赤いチャージングホースを接続する。また、過充てん防止検知用ケーブルを接続する。
5) 回収容器(ボンベ)との接続 回収容器の液側ポートには、回収装置の吐出側ポートからの赤いチャージ ングホースを接続する。過充てん防止の黄色ケーブルは、フロートセンサ に接続する。
2.ショーケース
1) 通常、低圧側サービスポートから液状/ガス状回収を行い、サービスポートがない場合はピアシングツールで配管をせん 孔してチャージングホースを接続する。
3.ルームエアコン
1) ウインド形(一体形)、セパレート形のほとんどはサービスポートが装備されており、チャージングホースをここに接続する。旧型ルームエアコンでクイックジョイントを使用した機種では、ピアシングツールを使用した回収となる。
2) ポンプダウン後、液管とガス管のバルブが閉鎖されて廃棄されたものは、 それぞれの回収口に回収ホースを接続し、回収する。
4.チリングユニット
1) 油が未回収の場合、フロンの油中溶け込みを抑えるため、クランクケー スヒータ、オイルヒータは通電状態とし加温する。
2) 回収作業時の熱交換器伝熱管凍結防止のため、冷水、冷却水は、完全に排水する。但し、整備回収の場合は、通水しながら回収するのが一般的 であり、機器メーカーのマニュアルにしたがって接続する。
3) 加圧による(プッシュプル方式等)液回収を優先し、冷媒封サービスポートと回収装置吸入口を接続する。接続口径は封入口の口径サイズにあわせる。機器メーカーのマニュアルにしたがって接続する。
4) 液冷媒の回収終了後、ガス回収に接続を切り替える。
4. 回収の終了
A.高圧ガスの回収
(1) 回収装置の低圧カットにより、回収装置が自動停止したことをランプや 圧力計の表示で確認する。
(2) 停止状態で、5~15 分程度経過後、再運転する。
(3) 再停止したら、回収を一旦停止し、回収装置側のバルブを閉止、そのまま一定時間保持し、冷媒回収口の圧力(吸引圧力)の変化を監視する。
(4) 充てん量が 2 kg 未満の場合は、10 分程度保持する。
(5) 充てん量が 2 kg 以上の場合、残存する冷凍機油が多く温度が低い場合、 又は、外気温度が低い場合などは、更に保持時間を長くする。
(6) 回収対象機器の容量に比し、回収装置能力が過大の場合は、早く所定圧力に達するが、保持時間中の圧力上昇も大きくなる。
(7) 一定時間放置後、吸引圧力が省令で定める基準圧力を超えている場合は、 回収運転を繰り返し、最終的に所定の圧力以下に保持されていることを 確認し、回収を終了する
B.低圧ガスの回収
(1) サービスポートにおける所定の圧力(吸引圧力)0.03 MPa に対して 0.02 MPa 程度までガス回収後、回収装置側のバルブを閉止し、約 1 時間保持、 圧力上昇を確認する。
(2) 吸引圧力が所定の圧力を超えるようであれば、回収運転を繰り返し、所 定の圧力以下に保持されていることを確認し、回収を終了する。
事前にもう一度確認
・耐圧期限は切れてないか?
・回収容器に傷、へこみがないか?
・容器種類は間違っていないか?
・ガス名が明記されているか?
・フロートセンサーが正常に動作するか?
・バルブなどからガス漏れしていないか?
電源の使用方法
コードを巻いた状態で使用したため、コードリール内部の温度が上昇し、火災が発生した。コンセントプラグ定格15A、電線容量22A、定格7Aのコードリールは、電線を巻いた状態では7A 電線を全て引き出した状態で15Aの使用が可能です。コードは全て引出して使用する。
準備するもの!・・計量器・保護具
一歩間違えば大惨事!!
フロートセンサーを過信せず、容器に充填する量は重量管理も同時に行えば過充填は防げます。計量器等で重量管理をせずに回収容器に充填すると過充填になる恐れがあります。
過充填によって破裂したボンベ >>>>>>
計量を正確に行えば、過充填は防げます!!
ヘルスメーターは誤差が大きく、過充てんの危険性があります。
秤を使用する場合、最小計量表示100g以下のものを使用すること
が望ましい。
冷媒回収用計量器(過充填防止器付き) >>>>
保護具を使用しましょう!!
こんな痛い思いはしたくない!!
フロンガスが漏洩し、手に付着した場合凍傷になる危険性があります。 凍傷になると、痛みや痺れ、さらに進むと皮膚が白色で硬くなり、感覚がなくなり、水泡や腫れが起こり、皮膚が黒く変色した場合は血管に 障害を受けている可能性があり、最悪の場合壊死となり、患部を切断することになります。
素手・軍手は危険、革手袋・ゴム手袋で安全作業それと目を保護するためのメガネも掛けるように。軍手もダメ
凍 傷 に よ る 症 状