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冷凍空調関連-基礎知識

1.高圧ガス保安法体系

業務用の冷凍及び空調設備(ビルの空調、大型冷凍冷蔵庫、地域冷暖房 等)は高圧ガス保安法及び冷凍保安規則等により製造(運転)、設置工事、取扱いなどに関して規制を受けており、官公庁への許可、届出等を必要とします。

2.高圧ガス保安法における高圧ガスとは

 ガスの種類 温        度 圧力( ゲージ圧力 )
圧縮ガス

圧   縮   ガ   ス

(圧縮アセチレンガスを除く)

常用(最高) 現に1MPa以上
35℃ 1MPa以上
圧縮アセチレンガス 常用(最高) 現に0.2 MPa以上
15℃ 0.2 MPa以上
液化ガス 液   化   ガ   ス 常用(最高) 現に0.2 MPa以上
35℃以下 0.2 MPa

「常用の温度」とは、その製造過程でなりうる最高の温度であり、故障等による異常温度ではありません。
また圧縮ガスの圧力が温度35℃に換算した場合に、1MPa以上となる場合は高圧ガスとして取り扱われます。
気体状態の高圧ガスと液体状態の高圧ガスとが、容器の中等で共存する場合は全体を「液化ガス」として運用されます。
常用の最高温度において現在0.2 MPa以上の液化ガスと、温度が35℃以下で飽和蒸気圧が0.2 MPa以上となるような液化ガスは高圧ガスとなります。

3.冷凍空調設備の規模別による許可・届出等区分

区 分

フルオロカーボン
( 不活性 のもの
に限る)

フルオロカーボン
( 不活性 のものを除く)及びアンモニア

その他
(可燃性ガス、
CO等)

フルオロカーボン
(不活性のもの
を除く)
アンモニア
許 可 50トン以上 50トン以上 50トン以上 20トン以上
届 出 20トン以上
50トン未満
5トン以上
50トン未満
5トン以上
50トン未満
3トン以上
20トン未満
その他 5トン以上
20トン未満
3トン以上
5トン未満
3トン以上
5トン未満
 
高圧ガス保安法
適用除外
5トン未満 3トン未満

4.冷凍能力の計算方法

冷凍保安規則で、冷凍能力の算出基準が定められています。冷凍関係の諸規則の範囲を設備の大きさによって区分する場合は、1日の冷凍能力トンで区分されています。 参考:冷暖房や冷却能力を表す日本トン(又は米トン)とは異なります。

1.遠心式圧縮機を使用する冷凍空調設備

圧縮機の原動機の定格出力1.2kW=1トンとする

2.吸収式冷凍空調設備

発生器を加熱する1時間の入熱量27,800kJ=1トンとする

3.自然環流式冷凍空調設備及び自然循環式冷凍空調設備

1日の冷凍能力  R=Q・A

R:一日の冷凍能力(トン)
Q:冷媒ガスの種類に応じて決められた一定の係数で下表の数値
A:蒸発部又は蒸発器の冷媒ガスに接する側の表面積(単位㎡)

主な冷媒ガスに対するQの値

冷媒ガス
の種類
冷媒ガス
の種類
アンモニア 0.64 R22 0.47
R410A 0.57 R134a 0.36
R404A 0.50 R12 0.34
R407C 0.49 二酸化炭素 1.02
R32 0.63 プロピレン 0.58
R125 0.50 R124 0.24

4.その他の冷凍空調設備

R=V÷C
R 一日の冷凍能力(単位 トン)の数値
V 多段圧縮方式又は多元冷凍方式による製造設備にあつては次のイの算式により得られた数値、

回転ピストン型圧縮機を使用する製造設備にあつては次のロの算式により得られた数値、

その他の製造設備にあつては圧縮機の標準回転速度における一時間のピストン押しのけ量(単位 立方メートル)の数値

イ V+0.08V
ロ 60×0.785tn(D―d

 圧縮機の標準回転速度における最終段又は最終元の気筒の一時間のピストン押しのけ量(㎥)
 圧縮機の標準回転速度における最終段又は最終元の前の気筒の一時間のピストン押しのけ量(㎥)
t 回転ピストンのガス圧縮部分の厚さ(m)
n 回転ピストンの一分間の標準回転数
D 気筒の内径(m)
d ピストンの外径(m)
C 冷媒ガスの種類に応じて、それぞれ次の表の該当欄に掲げる数値又は算式により得られた数値
これらの算式において、V h及びhは、それぞれ次の数値を表すものとする。
 マイナス15℃における冷媒ガスの乾き飽和蒸気(非共沸混合冷媒ガスにあつては、気液平衡状態の蒸気)の比体積(㎥/㎏)の数値
 マイナス15℃における冷媒ガスの乾き飽和蒸気(非共沸混合冷媒ガスにあつては、気液平衡状態の蒸気)のエンタルピー(kJ/㎏)
B 凝縮完了温度30℃、過冷却5度のときの冷媒ガスの過冷却液(非共沸混合冷媒ガスにあつては、35℃の気液平衡状態の液)のエンタルピー(kJ/㎏)

主な冷媒ガスに対する係数Cの値

冷媒ガスの種類 圧縮機の気筒1個の体積5000㎤
以下のもの
圧縮機の気筒1個の体積5000㎤
を超えるもの
R21 49.7 46.6
R114 46.4 43.5
ノルマルブタン 37.2 34.9
イソブタン 27.1 25.4
クロルメチル 14.5 13.6
R134a 14.4 13.5
R12 13.9 13.1
R500 12.0 11.3
プロパン 9.6 9.0
R22 8.5 7.9
アンモニア 8.4 7.9
R502 8.4 7.9
R13B1 6.2 5.8
R13 4.4 4.2
エタン 3.1 2.9
二酸化炭素 1.8 1.7
その他のガス 13900V÷0.75(h―h 13900V ÷0.80(h―h

注)
1.多元冷凍方式による製造設備にあつては、最終元の冷媒ガスをもつてこの表の冷媒ガスとする
2.多段圧縮方式又は多元冷凍方式による製造設備にあつては、最終段又は最終元の気筒をもつてこの表の圧縮機の気筒とみなす

5.ユニット型・指定設備