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例題2(R407C用の高圧円筒胴圧力容器)

   

問題下記仕様で製作された円筒胴圧力容器がある。この容器をR407C用の高圧受液器として使用したい。

仕様;
使用鋼板
鋼板の許容引張応力
円筒胴板の厚さ
円筒胴の外径
円筒胴板の溶接継手の効率
円筒胴板の腐れしろ


SM400B

\(σ_{a}=100 N/㎜^{2}\)
\(t_{a}=10 ㎜\)
\(D_{o}=510 ㎜\)
\(η=0.7\)
\(α=1 ㎜\)

ただし、R407Cの基準凝縮温度における設計圧力は、次表の圧力を使用するものとする

基準凝縮温度(℃) 43 50 55 60 65 70
設計圧力(MPa) 1.78 2.11 2.38 2.67 2.98 3.32

(1) この受液器の許容圧力Pa(MPa)を求める。

(2) この受液器は基準凝縮温度を何℃で、また、設計圧力を何Mpaで使用できるか。

(3) この受液器に設計圧力が作用したとき、円筒胴板に誘起される接線方向の引張応力\(σ_{t}\)と長手方向の引張応力\(σ_{1}(N/㎜^{2})\)をそれぞれ求めよ


解答
(1) この受液器の許容圧力Pa(MPa)を求める。

許容圧力は最高使用圧力(限界圧力・・最近このように表現が変わったようである?)である。
許容圧力\(P_{a}\)は

\(P_{a}=\frac{\Large{2・σ_{a}・η(t_{a}-α)}}{\Large{D_{i}+1.2(t_{a}-α)}}\)

ただし\(D_{i}\)は内径であり、\(D_{i}=D_{o}-2・t_{a}\)
計算すると

\(P_{a}=\frac{\Large{2・100・0.7(10-1)}}{\Large{490+1.2(10-1)}}=2.515974≒2.51 (許容圧力であるから切り捨てる)\)

(2) この受液器は基準凝縮温度を何℃で、また、設計圧力を何Mpaで使用できるか。

前問より許容圧力は2.51MPaであるので。下記表から最も近い下位の設計圧力は2.38MPaであり、基準凝縮温度は55℃である。

基準凝縮温度(℃) 43 50 55 60 65 70
設計圧力(MPa) 1.78 2.11 2.38 2.67 2.98 3.32

(3) この受液器に設計圧力が作用したとき、円筒胴板に誘起される接線方向の引張応力\(σ_{t}\)と長手方向の引張応力\(σ_{1}(N/㎜^{2})\)をそれぞれ求めよ

前問より設計圧力Pは2.38MPa、内径\(D_{i}\)は\(D_{i}=D_{o}-2・t_{a}=510-2・10=490\)である。

①接線方向の引張応力\(σ_{t}\)は

\(σ_{t}=\frac{\Large{P・D_{i}}}{\Large{2・t}}=\frac{\Large{2.38・490}}{\Large{2・10}}=58.31 N/㎜^{2} \)

次のテキストを参考にする方が良い

②長手方向の引張応力\(σ_{1}\)は、

\(σ_{1}=\frac{\Large{P・D_{i}}}{\Large{4・t}}=\frac{\Large{2.38・490}}{\Large{4・10}}=29.155 N/㎜^{2} \)