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オゾン層破壊問題の推移

オゾン層破壊問題の推移

1974年、米国のローランド教授(1995年ノーベル化学賞受賞)は、フロンが大気中に放出されると上空の成層圏まで上り、オゾン層を破壊してしまうというメカニズムを発見しました。 また、1985年に南極でオゾンホールが発見され、実際にオゾン層が破壊されている証拠が確かめられ現在のオゾン層破壊問題の発端となりました。

オゾン層の重要性・・・

オゾン層の破壊により紫外線が増加すると皮膚ガンや白内障など健康に悪影響をもたらすばかりでなく、動植物の遺伝子を傷つけ、生存をさまたげるおそれがある。、そして、オゾン層ができたことによって紫外線がカットされ、生命が誕生し、現在のような地球になりました。

オゾン層が破壊されると・・・

オゾン層は、太陽の日光に含まれている紫外線をカットします。その紫外線に、直接あたってしまうと、皮膚ガンや白内障・失明、免疫低下によるエイズなどのウィルス性の病気にかかりやすくなることがわかっています。 さらには、生物細胞の遺伝子(DNA)にも影響があります。今は、世界中で皮膚ガンや白内障にかかる人が増加し、日本でも7倍に増えています。

フロンガスは、世界中で車のエアコン、冷蔵庫、家庭のルームエアコン、工場の冷却設備、ビル等の大型空調のために利用されています。 これらのフロンは、オゾン層破壊物質のひとつなのです。そのため古い機器の廃棄や、修理時においてフロンガスが多く放出されてきました。 フロンガスは、空気よりも重いため、ゆっくりとオゾン層へと近づいていき、オゾン層に到達するのは、20年後とも言われています。その20年後はオゾン層は減少し、増やすことができません。 現在の状況では冷媒として代替フロンが使用されていますが、オゾン層破壊が全くゼロというわけではありません。 今後ノンフロン冷媒、自然冷媒または全く新しいオゾン破壊係数ゼロのフロン冷媒が開発されるまでは極力フロン排出を抑制することしか方策が無いのが現状です。

国連広報センターの最新の情報によれば、UNEPのオゾン事務局(Ozone Secretariat)は、下層大気や成層圏におけるオゾン層破壊物質が減少しているとの明らかな証拠があり、また期待される大気中の「オゾン層回復」の初期兆候も見られる、との文書を発表した。 また、その見解として、オゾン層破壊物質の排出を排除し続けるならば、2035年までにはオゾン層が1980年以前のレベルにまで回復するであろう、とのべた。

オゾン層保護のためのウィーン条約

1974年にフロンによるオゾン層破壊の可能性が指摘された後、先進国は、生産能力の凍結や使用の段階的禁止などの処置をとりました。そして、80年代後半には、国際条約や議定書が定められ、多くの国が締約しました。

1985年3月22日、オゾン層保護を目的とした国際協力ための基本的な枠組みを設定する「オゾン層保護のためのウィーン条約」が採択されました。締約国数は172カ国とEC(欧州共同体)です。 その概要は、「オゾン層の変化により生ずる悪影響から人の健康および環境を保護するために適当な措置をとること」、「研究および組織的観測などに協力すること」、「法律、科学、技術などに関する情報を交換する」などです。

モントリオール議定書

1987年9月16日、ウィーン条約の下、オゾン層を破壊するおそれのある物質を特定し、その生産と消費と貿易を規制して、人の健康および環境を保護する 「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択されました。締約国は171カ国とECです。 その概要は、「オゾン層破壊物質の規制スケジュール」、「非締約国との貿易規制」、「最新の科学、環境、技術および経済に関する情報に基づく規制措置の評価および再検討」などです。条約および議定書の事務局は、ナイロビの国連環境計画(UNEP)に置かれています。議定書の第1条には、規制対象物質としてフロン11、フロン12、フロン113、フロン114、およびフロン115の5種類のフロン(「特定フロン」とよぶ)およびハロン1211、ハロン1301、ハロン2402の3種類のハロンを示している。また、規制は、これら物質そのままの量ではなく、その生産量などに、物質ごとに一定の「オゾン破壊係数」をかけて得た量(算定値)について行われることになる。

オゾン層の今後の予測

工業活動などにより人間が排出したフロン等は成層圏で分解され、オゾン層を破壊します。オゾン層を保護するため、1985年に「ウィーン条約」、1987年に「モントリオール議定書」が採択され、また国内では1988年に「オゾン層保護法」が施行されたことにより、フロン等のオゾン層破壊物質の生産や消費が規制されています。これらの規制の結果、成層圏のオゾン層破壊物質の総量は、1990年代後半のピーク時の値から減少傾向を示しています。さらに国内では、エアコン、冷蔵庫等で既に使用されているフロン等についても積極的に回収・破壊する取り組みが行われています。フロン等の規制はしだいに強化されており、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)がとりまとめた「オゾン層破壊の科学アセスメント:2014」では、今後オゾン層破壊物質は徐々に減少し、オゾン層の破壊が少なかった1980年のレベルまでオゾン層が回復する時期は、中緯度帯と北極では今世紀中頃より前、南極ではそれよりいくらか後になると予測されています。

【出典】経産省、環境省資料より

【出典】 産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会
代替フロン等3ガスの排出抑制の課題と方向性について(中間論点整理)参考資料より