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既設冷媒配管を使用するときの注意点

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1.既設冷媒配管の使用可否判断

HFC冷媒への転換時には、不純物の混入防止のために古い配管を使用せず、冷媒配管を新しいものに交換すべきであるが、埋込み配管など新たな配管施工が困難な場合がある。

このような場合の既設配管の使用に至るまでの一般的な判断フローと、ケースに応じた洗浄作業について述べる。なお、詳細については、冷凍空調機の種類やメーカによって異なっているので各メーカの資料を参照のこと。

2.既設冷媒配管使用時の注意事項

既設配管を使用する場合は、管内の清浄度だけでなく次の点にも注意が必要である。

2.1 配管径と肉厚

HFC冷媒を使用した新しい冷凍空調機では、配管径を変更したり、冷媒によっては作動圧が高くなったりするため厚肉配管が必要になる場合がある。既設配管を使用する場合は、配管の肉厚に注意しメーカの据付説明書等を必ず確認して適正なものを使用する必要がある。

2.2 フレア管端部等配管接続

フレア管端部等配管接続についての詳細は、「銅管配管の施工2.6フレア加工」を参照。

2.3 フレア管端部

既設配管を使用する場合、フレア端部は硬化している可能性があるため、再加工する必要がある。また、使用圧力により、第1種のものと第2種のものでは、フレア管端部の寸法が異なるので注意が必要である。「銅管配管の施工2.6フレア加工」を参照。

2.4 フレアナット

使用冷媒の圧力により第1種のものと第2種のものがある。特に12.7mmを超えるものは寸法が異なるので、使用冷媒に合ったフレアナットを使用する必要がある。

2.5 配管内残留物とその影響

既設配管内に油、ゴミ、空気、水分等が残留しているとシステム内で様々な不具合を生じる可能性がある。
冷凍サイクルへどのような影響を与える可能性があるかは下表を参照のこと。
水・空気・異物混入による冷凍サイクルへの影響

要因現象冷凍サイクルへの影響
水の混入加水分解スラッジの発生膨張弁・キャピラリの氷結膨張弁・キャピラリ詰まり 冷却不良圧縮機過熱
酸の発生酸化
油に劣化
モータの絶縁不良    モータ損傷
摺動部の銅メッキ    ロック
摺動部の焼付
空気の混入酸化
異物の混入ゴミ・汚れ膨張弁・キャピラリへの侵入膨張弁・キャピラリ・ドライヤ詰まり 冷却不良
圧縮機過熱
圧縮機内に異物混入摺動部の焼付
鉱物油などスラッジの発生膨張弁・キャピラリ詰まり   冷却不良
圧縮機過熱
油の劣化摺動部の焼付

2.6 配管のヘコミや保温材の劣化

既設冷媒配管にヘコミや傷がある場合は、基本的にはその部分を取り替える必要がある。

既設冷媒配管の保温部分に、水漏れが発生していたり水分を含んでいたりする場合は、基本的には巻き直しする。保温をはがした際、銅管にヘコミや腐食がないか確認し、状況に応じて配管の取り替えを行う。

3.配管の洗浄・清浄

3.1 各種洗浄・清浄方式の概要

方   式洗浄剤内  容特  徴注意事項適用範囲

洗


浄


剤


洗


浄

フロー方式
(ワンパス方式)
R141b窒素により洗浄剤を加圧して、冷凍サイクルを洗浄す
る
装置が簡単
(洗浄機不要)
・洗浄剤除去を確実に
・回収冷媒の
処理を確実に
短配管~
循環方式
(洗浄ポンプ方式)
CF-20洗浄剤用ポンプにより、洗浄剤を循環する・装置が簡単
(洗浄機不要)
・洗浄剤は高いが再利用可能
・洗浄剤の汚れチェックを確実に
・洗浄剤除去を確実に
短配管~長配管
(小高低差)
循環方式
(洗浄機方式)

R141b

R225

冷凍サイクル洗浄機により、洗浄剤
を循環する
・取り扱いが簡単
・ 洗浄力は高い
・洗浄剤除去を確実に
・回収冷媒の処理を確実に
短配管~長配管
(小高低差)
冷
媒
洗
浄
冷媒共洗い方式使用
冷媒
冷媒回収再生装置により、使用冷媒を充てんした後回
収する
・ 洗浄剤が冷媒のため取扱い容易
・ 洗浄用冷媒は配管内容積分必要
回収冷媒の処理を確実にRAC、中大型、PAC
冷媒循環方式R22熱駆動ポンプにより、R22冷媒を循環し、その後回収する・ 洗浄剤がR22のため取扱い容易
・ 圧縮機系統と洗浄系統が分離
・ 圧縮機の信頼性が高い
・回収冷媒の処理を確実に
・洗浄冷媒の除去を確実に
・配管長100m以内
・高低差30m以内
冷媒循環共洗い方式使用
冷媒
使用ユニットに交換後、試運転時に使用冷媒を圧縮機
で循環させて洗浄する
・ 洗浄剤が冷媒のため取扱い容易に充てんした使用冷媒で洗浄
・洗浄後の洗浄剤(冷媒)の回収が不要
・冷媒回路上に異物(油)を分離、捕獲する手段が必
要
・気液二相冷媒の供給が必要
ビル用マルチ
エアコンなど
レトロフィット方式
(自己洗浄方式)
使用
冷媒
使用ユニットに交換後運転し、何度か冷媒と冷凍機油
を交換する
・ 洗浄剤が冷媒のため取扱い容易
・回収装置での回収と充てん
・冷媒量が多く必要
・回収冷媒の処理を確実に
・冷凍機油の換を確実に
制限なし
機
械
式

洗
浄
スウィーパ方式なし配管内に挿入したスウィーパを窒素で加圧して搬送す
る
装置が簡単
(洗浄剤不要)
窒素圧力の適正化RAC

3.2 洗浄剤洗浄方式

3.2.1 ブロー方式(ワンパス方式)

窒素ガスで洗浄液を加圧し、配管へ流し込むことにより洗浄する方式。

3.2.2 循環方式(洗浄ポンプ式)

洗浄剤用ポンプにより洗浄剤を循環し配管を洗浄する方式。

3.2.3 循環方式(洗浄ポンプ式)

洗浄剤用ポンプにより洗浄剤を循環し配管を洗浄する方式

3.3 冷媒洗浄方式

3.3.1 冷媒共洗い方式

冷媒回収装置、冷媒再生ユニットを使用して冷媒を循環し配管を洗浄する方式

3.3.2 冷媒循環方式

熱駆動ポンプを使用して冷媒を循環し配管を洗浄する方式

3.3.3 冷媒循環共洗い方式

循環し洗浄した冷媒を、室外ユニットと連絡配管の間に設置したオイルトラップキットに回収する方式。
室外ユニットと延長配管の間にオイルトラップキットを配置する。
次に、室外ユニットを冷房モードで運転し、システム内にチャージした冷媒の凝縮液を気液二相状態で既設配管全体に流すことで、既設の延長配管中に残留する鉱油をオイルトラップキットに回収する。

3.3.4 レトロフィット方式(自己洗浄方式)

新ユニットに交換後、運転して冷媒と冷凍機油を何度か交換して洗浄する方式。

3.4 機械式洗浄方式

配管内に挿入したスウィーパを窒素ガスで加圧し搬送することで配管を洗浄する方式。

既設冷媒配管をそのまま使用できるかどうかの可否判断の方法と、既設冷媒配管使用時の注意事項
1.既設冷媒配管の使用可否判断
HFC冷媒への転換時には、不純物の混入防止のために古い配管を使用せず、冷媒配管を新しいものに交換すべきであるが、埋込み配管など新たな配管施工が困難な場合がある。
このような場合の既設配管の使用に至るまでの一般的な判断フローと、ケースに応じた洗浄作業について述べる。なお、詳細については、冷凍空調機の種類やメーカによって異なっているので各メーカの資料を参照のこと。