問題 13
風力発電に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
a | プロペラ形風車は、水平軸形風車の一種である。 |
b | ダリウス形風車は、風向の変化に対して向きを変える必要がない。 |
c | 風車は、回転のトルクを発生させる方式によって、揚力形と抗力形に分類される。 |
d | ナセルは、風車ロータ回転面を風向に追従させる運転制御装置である。 |
解答 d
a.風力発電の風車は水平軸風車と垂直軸風車の2種類があります。
水平軸風車は地面に対して垂直にまわり、垂直軸風車は地面に対して並行横に回転します。プロペラ形は水平軸風車の一種です
b.ダリウス形風車は風の向きを選ばないため、風向きが安定しない地域や都市近郊部でも比較的容易に設置できます。
c.揚力形とは風車の翼に作用する揚力(風に対して垂直な力)を利用するもので、抗力形とはロータ作用する抗力(風に対して平行な力)を利用するものです
揚力形は高回転・低トルク、抗力形は低回転・高トルクです。
d.ナセルとは、風車の回転を電力に変換するための機器を格納した部分のことです。
プロペラ形風車では、羽の後方にあり、動力の伝達装置・制御部・発電機などが格納されています。
風車ロータ回転面を風向に追従させる運転制御装置は、ヨー制御装置もしくは方位制御装置と呼ばれます。
以上の特徴より、「d」が不適当
問題 14
ガス絶縁開閉装置(GIS)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
a | 六フッ化硫黄ガスで主回路を絶縁している。 |
b | 気中絶縁方式に比べて容積、設置面積が大きくなる。 |
c | 現場の工事が簡素化され、設置工期が短い |
d | 充電部が密閉されているので、感電のおそれがなく安全性に優れている。 |
解答 b
a.六フッ化硫黄の絶縁性の高い性質を活かし主回路を絶縁しています
b.ガス絶縁開閉装置は縮小型開閉装置です。
c.据え付け工事が簡素化され、設置工期が短縮されます
d.充電部を密閉した金属容器は接地されるため、感電の恐れがほぼありません
「b」が不適当
問題 15
電力系統の保護リレーシステムに関する記述として、最も不適当なものはどれか
a | 常時監視機能は、設備を運転した状態で保護リレーを構成するハードウェアを常時監視するものである。 |
b | 自動点検機能は、装置の点検を自動で行うもので、設備の停止が必要である |
c | 誤動作防止のため、主検出要素と事故検出要素を組み合わせている。 |
d | 装置の並列二重化は、不動作故障に対する対策として有効である。 |
解答 b
保護リレーシステムは、事故の検出のために用意されているため、事故が生じるまで動作しません。
そのため、保護リレー自体に故障が生じていても、事故発生まで発見できないままになる可能性があります。
そこで、常時監視機能により保護リレー構成するハードウェアを常時監視すると共に、自動点検機能により保護リレーの作動能力の試験を運転動作中に行えるようにしています。
したがって「設備の停止が必要」と述べている、bが不適切です。
問題 16
電力系統の安定度を向上させるための対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
a | 高速度遮断、高速度再閉路方式を採用する。 |
b | 長距離送電線に中間開閉所を設置する。 |
c | 送電線の並列回線数を増やす。 |
d | 高リアクタンスの変圧器を採用する。 |
解答 d
電力系統を安定させるためには、できる限り速やかに、事故回路の切り離しをする・事故回路を迂回した送電をする・早期の回路復旧 が求められます。
1・2・3 で述べている方法は、安定度向上に役立ちます。
・「高速度遮断、高速度再閉路方式の採用する」=早期の復旧
・「長距離送電線の中間開閉所の設置」=事故回路の切り離し
・「送電線の並列回線数を増やす」=迂回送電
一方、変圧器のリアクタンスが大きくなると、無効電流が多くなり、送電ロスなどの要因となります。
そのため、変圧器はできるだけ低リアクタンスのものを使用するほうが、安定度が向上します。
「d」が不適当