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第1種電気工事士試験 一般問題 No.9〜No.10

   

問題 9-1

電気機器の絶縁材料の耐熱クラスは、JISに定められている。下記のなかで、最高連続使用温度[℃]が最も高い、耐熱クラスの指定文字は。

解答

下表は耐熱クラス(絶縁階級)を示したものです。許容最高温度により「Y種」から「250」までに分類されます。「250」をアルファベットとして与えられています。この耐熱クラス(絶縁階級)は「JIS C4003:2010」で定められています

耐熱クラス許容最高温度
Y種90℃
A種105℃
E種120℃
B種130℃
F種155℃
H種180℃
N種200℃
R種220℃
250250℃

すなわち、問題では「F」が最高連続使用温度が最も高い耐熱クラスです。

問題 9-2

電子レンジの加熱方式はつぎのどれか。

誘電加熱誘導加熱抵抗加熱赤外線加熱

解答

●誘電加熱
数MHz~数100MHzの高周波交流電界中に被加熱物を置き、高周波(電磁波) の作用による被加熱物自体の発熱によって昇温目的を達する加熱方式。
誘電加熱は、プラスチック・木材・繊維・紙・食品・セラミックスなど様々な製品の加工分野で広く利用されています。使用する電磁波の周波数が1MHz~200MHz程度のものを「高周波誘電加熱」、UHF帯を使用するものを「マイクロ波加熱」と呼んで区別していますが単に使用する電磁波の周波数の違い、と考えて頂いて良い。
家庭にある電子レンジは2450MHzのマイクロ波で出力は500W程度と小さいが誘電加熱にあたります。

●誘導加熱
導線に交流電流を流すと、その周囲には向き及び強度が変化する磁界が発生する。発生した磁界の中に金属を置くと、電磁誘導により電流が流れる。金属には電気抵抗があるため、電力=電流2×抵抗 のジュール熱が発生し、金属は発熱する。調理などで金属を加熱したい場合に有効だが、変圧器のコアなどに誘導加熱が生じた場合は損失(ヒステリシス損)となる。効率を上げるため、磁界を発生させるための導線はコイル状にするのが一般的である。
一般家庭での応用
電磁調理器(IH調理器)
IH式電気炊飯器

●抵抗加熱
抵抗に電流を流し,そのジュール熱で物体を加熱する方法のことを言う.加熱したい物体に直接電流を流してしまう方式を直接抵抗加熱と呼び,抵抗加熱で発熱させた発熱体から被熱体に熱を伝えて加熱する方式を間接抵抗加熱と呼ぶ
電熱器、電気温水器に利用

●赤外線加熱
光源から赤外線が放射されると、被加熱物において反射・吸収・透過という三つのエネルギーに分けられます。 その中で、被加熱物に共振吸収されたエネルギーが分子の運動(振動)を誘発させて、振動させられた物質間ではその摩擦より熱が発生します。
塗装、乾燥に利用

よって、電子レンジは「誘電加熱」である。

問題 9-3

鉛蓄電池の電解液は次のどれか。

水酸化ナトリウム水溶液水酸化カリウム水溶液塩化亜鉛水溶液希硫酸

 解答

鉛蓄電池は、電解液である希硫酸の中に鉛の電極板が入っています。
正極(陽極)には二酸化鉛、負極(陰極)には海綿状の鉛が使われており、希硫酸と鉛の化学反応によって電圧が発生し、電気が蓄えられます。
電解液中の硫酸イオンが正極・負極の双方に移動すると放電されます。逆に、正極・負極の双方から電解液中に硫酸イオンが移動することで充電されます。

長所
比較的高い電圧を取り出す事ができる。(単セルあたり2ボルト)
電極の材料である鉛が安価で、コストパフォーマンスが高い。
短時間で大電流を流したり、小電流を長時間流しても性能が安定している。
メモリー効果が無い。

短所
他の二次電池と比べて大型で重い。
過放電状態が続くと劣化が進み、性能が大きく低下する。
電解液に硫酸を使用するため破損時の危険が高い。
極寒地では電解液が凍結しやすく、破裂する危険がある。

すなわち、問題の解答は「希硫酸」

問題 10-1

次の写真に示すものの名称は。

周波数計照度計放射温度計騒音計

解答

●周波数計
周波数の測定に使用され、表示部には\(H_{Z}\)(ヘルツ)の表示あり。

●照度計
照度計は、照度(明るさ)の測定に使用され、明るさを感知する白丸形のセンサー部分があるので、見分けられる。また、表示部には、\(lx\)(ルックス)の単位が書かれている。

●放射温度計
物体から放射される赤外線の強さ(エネルギー)を測定することによって、その物体の温度を求める温度計です。

●騒音計
集音用のマイクロフォンを用いて、音を数値化して表示する測定器です。単位は\)dB\)です。

よって答えは、2の照度計です。

問題 10-2

次の写真に示すものの名称は。

金属ダクト二種金属製線ぴフロアダクトライティングダクト

解答

●金属ダクト
金属ダクトとは、厚さが1.2㎜以上の鉄板またはこれと同等以上の強さの金属でできたもので、ダクトの幅が5cmを超えるものをいいます。

●金属製線ぴ
金属線ぴには1種金属製線ぴと2種金属製線ぴの2種類があり、線ぴの幅で1種と2種に分けられます。
1種金属製線ぴは幅が4cm未満のもので、2種金属製線ぴは幅が4cm以上5cm以下のものになります。幅が5cmよりも大きくなると金属ダクトになる。
1種金属製線ぴは「メタルモール」、2種金属製線ぴは「レースウェイ」とも呼ばれます。

●フロアダクト
フロアダクトとは、オフィスの床などの配線の方式の一つ。断面が長方形などの鋼板制の配線用ダクトで、コンクリート内に埋め込んで使用する。コンセント、電話用配線に使用される。

●ライティングダクト
ライティングダクトとは、照明器具やコンセントなどを取り付けることができるダクトで、取り付けられる照明器具などはダクトの自由な位置に配置することができます。また、ダクトの開口部は下向き、終端部は閉そくしていなければなりません。
また、ライティングダクトに取り付けられた器具(照明器具など)への電源は、ライティングダクトの給電レール(導体部分)から供給されます。(給電レールで電源を供給するので、どこの位置にでも取り付けられる。)

よって、問題は「二種金属製線ぴ」です。

問題 10-3

高圧ケーブルの電力損失として、該当しないものは次のどれか。

抵抗損誘電損シース損鉄損

解答

高圧ケーブルの電力喪失には3種類あります。抵抗損、誘電体損、シース損です。

●抵抗損
ケーブルの導体に電流が流れることにより発生する損失です。電力ケーブルで発生する損失のうち、最も大きい損失は抵抗損です。単位長当たりの抵抗値が同じ場合、導体電流の2乗に比例して大きくなります。抵抗損の低減は、導体断面積を大きくしたり、分割導体や素線絶縁導体の採用などが有効です。
ケーブルに交流電流を流す場合は、表皮効果や近接効果により、電流分布に偏りが生じます。そのため、直流電流を流す場合より抵抗損は大きくなります。

●誘電体損
交流電圧の印加によりケーブルの絶縁体内で発生する損失です。ケーブルの絶縁体に交流電圧が印加されたとき、その電流のうち、電圧に対して同位相の電流が絶縁体に流れることにより誘電体損が発生します。
誘電体損の低減は、ケーブル絶縁体の誘電率と誘電正接との積に比例して誘電体損は大きくなるため、誘電率及び誘電正接の小さい絶縁体を採用します。絶縁体が劣化している場合には、一般に誘電体損は大きくなる傾向があります。

●シース損
ケーブルの金属シースに誘導される電流による発生する損失です。シース損には、シースの縦方向(長手方向)に発生するシース回路損と、シースの横方向(円周方向)に発生するシース渦電流損があります。
シース損の損失エネルギーはケーブルを流れる電流に比例しますが、CVTケーブルを使うと各ケーブルの周りの磁界を打ち消し合うため、シース損はほぼ発生しません。また、シース回路損を低減させる方法として、クロスボンド接地方式の採用が効果的です。

●鉄損
鉄心に生じる「ヒステリシス損」と「渦電流損」の和を示したもの。負荷の大小にかかわらず、鉄心に電圧が印加されている限り発生する損失のため「無負荷損」とも呼ばれる。損失の大きさは、負荷電流によって左右されずに一定であり、単位はワットWで示される。
負荷電流に応じて変動する損失は「銅損」と呼ばれ、負荷の大小によって変動する損失のため「負荷損」とも呼ばれている。
鉄損は、変圧器においては電力の無駄となり、かつ振動や発熱を引き起こすため、数値が小さいほど高性能と捉えられる。

すなわち、高圧ケーブルの電力損失としては、「鉄損」が該当しません。

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