p-h線図例題5 二段圧縮一段膨張

   

問題下図のp-h線図で示す二段圧縮一段膨張によるアンモニア冷凍装置が下記の冷凍サイクルの運転条件で運転されている。

 ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとする。また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。

【理論冷凍サイクルの運転条件】
低段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー\(h_{1}\)=1440 kJ/㎏
低段圧縮機吸込み蒸気の比体積\(v_{1}\)=0.987 m3/㎏
低段圧縮機の断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー\(h_{2}\)=1580 kJ/㎏
高段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー\(h_{3}\)=1470 kJ/㎏
高段圧縮機吸込み蒸気の比体積\(v_{3}\)=0.335 m3/㎏
高段圧縮機の断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー\(h_{4}\)=1690 kJ/㎏
凝縮器出口の液の比エンタルピー\(h_{5}\)=366 kJ/㎏
蒸発器用膨張弁直前の液の比エンタルピー\(h_{7}\)=200 kJ/㎏
【実際の冷凍装置の運転条件】
冷凍能力\(Φ_{o}\)=450 kW
低段側ピストン押しのけ量\(V_{L}\)=1500 m3/h
押しのけ量比a=2.0
圧縮機の断熱効率(低段側、高段側とも)\(η_{c}\)=0.70
圧縮機の機械効率(低段側、高段側とも)\(η_{m}\)=0.90

1.低段圧縮機の体積効率\(η_{vL}\)は?

2.高段圧縮機の体積効率\(η_{vH}\)は?

3.実際の冷凍装置の成績係数(COP)Rを求めよ。


まず、p-h線図と機器相互の冷媒の流れ概略図を次のように書く

1.低段圧縮機の体積効率\(η_{vL}\)は?

まず次の圧縮機と冷媒循環量の関係基本公式を思い出す

$$V・η_{v}=q_{mr}・v$$
V  : ピストン押しのけ量
qmr : 冷媒循環量
ηv  : 体積効率

v  : 比体積

この式を用いて問題の低段側圧縮機の体積効率\(η_{vL}\)を求める式に変形すると

$$η_{vL}=\frac{q_{mro}・v_{1}}{\frac{V_{L}}{3600}} (A)式$$

※ \(V_{L}\)の単位をm3/hからm3/secに換算

次に\(q_{mro}\)を求める

$$q_{mrro}=\frac{Φ_{o}}{h_{1}-h_{7}}=\frac{450}{1440-200}≒0.363   [㎏/sec]$$

最後に(A)式に数値を代入すると
$$η_{vL}≒0.86$$

2.高段圧縮機の体積効率\(η_{vH}\)は?

前問題1で使った(A)式を利用し、高段圧縮機の場合に適用すると

$$η_{vH}=\frac{q_{mrk}・v_{3}}{\frac{V_{H}}{3600}}$$
※ \(V_{H}\)の単位をm3/hからm3/secに換算
次に\(q_{mrk}\)を求めるために、中間冷却器の熱収支の関係式は次のようになっています

$$q_{mrk}・h_{5} + q_{mro}・h_{2}’= q_{mrk}・h_{3} + q_{mro}・h_{7}$$

これを変形すると

$$q_{mro}(h_{2}’- h_{7}) = q_{mrk}(h_{3} - h_{5})   (B)式$$

\(h’_{2}\)は不明ですのでこれを求めるには

$$h_{2}’=h_{1}+\frac{h_{2}-h_{1}}{η_{c}・η_{m}}=1440+\frac{1580-1440}{0.7×0.9}≒1662$$

さて、(B)式を次のように変形して\(q_{mrk}\)を求める(\(q_{mro}\)は前問題解答から0.363)

$$ q_{mrk} =\frac{q_{mro}(h_{2}’- h_{7})}{h_{3} - h_{5}}=\frac{0.363×(1662- 200)}{1470 - 366}≒0.481  [㎏/sec]$$
押しのけ量比は2.0であるから
$$V_{H}=\frac{V_{L}}{a}=\frac{1500}{2}=750   [m^{3}/h]$$

さて、すべての数値が出そろいましたので次の式に数値を代入しましょう(ただし、\(V_{H}\)は単位がm3/hなのでm3/secに変更しましょう)

$$η_{vH}=\frac{q_{mrk}・v_{3}}{\frac{V_{H}}{3600}}=\frac{0.481×0.335}{\frac{750}{3600}}≒0.77$$

この問題の解説は次の「上級冷凍受験テキスト」を参考にしました

 

3.実際の冷凍装置の成績係数(COP)Rは?

成績係数を求める公式は

$$(COP)R=\frac{Φ}{P}$$$$P=P_{L}+P_{H}=\frac{q_{mro}(h_{2}-h_{1})}{η_{c}・η_{m}}+\frac{q_{mrk}(h_{4}-h_{3})}{η_{c}・η_{m}}$$

数値を代入すると

$$(COP)R=\frac{Φ}{P}=\frac{450}{\frac{0.363×(1580-1440)}{0.7×0.9}+\frac{0.481×(1690-1470)}{0.7×0.9}}≒1.81$$

別の方法として

$$P=P_{L}+P_{H}=q_{mro}(h’_{2}-h_{1})+q_{mrk}(h’_{4}-h_{3})$$

を利用して
\(h’_{2}\)と\(h’_{4}\)を求めてから算出する方法があります ただし\(h’_{2}\)は前問にて1662です
 

これで終わり、お疲れ様

各種冷媒のp-h線図
各種冷媒のp-h線図一覧・・R22、R32、R134a、R404A、R407C、R410A、アンモニア、HFO-1234yfのP-h線図

コメント

error: