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p-h線図例題21 R410A コンパウンド圧縮機二段圧縮一段膨張

   

問題】 R410Aを冷媒とするコンパウンド圧縮機を使用した二段圧縮一段膨張の冷凍装置を、下記の冷凍サイクルの運転条件で運転する。
 ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとする。また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。

【理論冷凍サイクルの運転条件】 
低段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー\(h_{1}\)=348 kJ/㎏
低段圧縮機吸込み蒸気の比体積 
\(v_{1}\)=0.17 ㎥/㎏
低段圧縮機の断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー\(h_{2}\)= 375kJ/㎏
高段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー\(h_{3}\)=366 kJ/㎏
高段圧縮機吸込み蒸気の比体積
\(v_{3}\)=0.041 ㎥/㎏
高段圧縮機の断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー\(h_{4}\)=395 kJ/㎏
中間冷却器用膨張弁直前の液の比エンタルピー\(h_{5}\)=260 kJ/㎏
蒸発器用膨張弁直前の液の比エンタルピー\(h_{7}\)=242 kJ/㎏
【圧縮機の仕様】 
低段側ピストン押しのけ量\(V_{L}\)=60㎥/h
押しのけ量比\(a\)=2.0
圧縮機の体積効率(低段側、高段側とも)\(η_{v}\)=0.80
圧縮機の断熱効率(低段側、高段側とも)\(η_{c}\)=0.75
圧縮機の機械効率(低段側、高段側とも)\(η_{m}\)=0.90

(1) コンパウンド圧縮機の低段側と高段側の最適な気筒数比(低段側 / 高段側)を示し、実際の圧縮機駆動の総軸動力 P (kW) を求めよ。

(2) 実際の冷凍装置の\((COP)_{R}\)を求めよ。


まずp-h線図と冷媒流れ概略図を下記の通り書く

1.コンパウンド圧縮機の低段側と高段側の最適な気筒数比(低段側 / 高段側)を示し、実際の圧縮機駆動の総軸動力 P (kW) を求めよ。

気筒数比 a は、低段側ピストン押しのけ量 \(V_{L}\)  高段側ピストン押しのけ量 \(V_{H}\) とすると
\(a=\Large{\frac{V_{L}}{V_{H}}}\)
一般的にピストン押しのけ量\(V\)、冷媒循環量\(q_{mr}\) 、体積効率\(η_{v}\) 、比体積 \(ν\) の関係式は次のように表せます。
\(V・η_{v}=q_{mr}・v\)

従って\(V_{L}=\Large{\frac{q_{mL}・v_{1}}{η_{v}}}\)      \(V_{H}=\Large{\frac{q_{mH}・v_{3}}{η_{v}}}\) 

\(a=\Large{\frac{\frac{q_{mL}・v_{1}}{η_{v}}}{\frac{q_{mH}・v_{3}}{η_{v}}}}\)\(=\Large{\frac{q_{mL}・v_{1}}{q_{mH}・v_{3}}}\)\(=\Large{\frac{q_{mL}}{q_{mH}}\frac{v_{1}}{v_{3}}}\)

中間冷却器の熱収支を、左辺に入り、右辺に出を考えると
\(q_{mH}h_{5}+q_{mL}h_{2}’=q_{mH}h_{3}+q_{mL}h_{7}\)
\(q_{mL}(h_{2}’-h_{7})=q_{mH}(h_{3}-h_{5})\)

\(\Large{\frac{q_{mL}}{q_{mH}}}\)\(=\Large{\frac{h_{3}-h_{5}}{h_{2}’-h_{7}}}\)

先に\(h_{2}’\)を求める
\(h_{2}’=h_{2}+\Large{\frac{h_{2}-h_{1}}{η_{c}η_{m}}}\)\(=348+\Large{\frac{375-348}{0.75・0.90}}\)\(=388\)

\(a=\Large{\frac{q_{mL}}{q_{mH}}}\Large{\frac{v_{1}}{v_{3}}}\)\(=\Large{\frac{h_{3}-h_{5}}{h_{2}’-h_{7}}}・\Large{\frac{v_{1}}{v_{3}}}\)\(=\Large{\frac{366-260}{388-242}}・\Large{\frac{0.17}{0.041}}\)\(=3.01≒3\)

実際の圧縮機駆動の総軸動力 Pを求める

圧縮機駆動総軸動力 P は、低段側圧縮機軸動力を \(P_{L}\) 、高段側圧縮記事駆動力を \(P_{H}\) とすると、

  \(P=P_{L}+P_{H}\)\(=q_{mL}・ (h_{2}’-h_{1})+q_{mH}(h_{4}’-h_{3})\)

ここで、\(h_{4}’\)を求める
    \(h_{4}’=\Large{\frac{h_{4}-h_{3}}{η_{c}・η_{m}}}\)\(=366+\Large{\frac{395-366}{0.75・0.90}}\)\(=408.96≒409\)

 

 

 

 

 

\(V_{L}=\Large{\frac{q_{mL}・v_{1}}{η_{v}}}\)より
\(q_{mL}=\Large{\frac{V_{L}・η_{v}}{v_{1}}}\)\(=\Large{\frac{60・0.8}{3600・0.17}}\)\(=0.0784311≒0.0784\)kg/sec

同様に\(q_{mH}\)を求める、\(V_{H}\)は気筒数比が3であるので20㎥/hになる
\(q_{mH}=\Large{\frac{V_{H}・η_{v}}{v_{3}}}\)\(=\Large{\frac{20・0.8}{3600・0.041}}\)\(=0.1084≒0.108\)kg/sec

さて、総軸動力 Pを求める

\(P=P_{L}+P_{H}\)\(=q_{mL}・ (h_{2}’-h_{1})+q_{mH}(h_{4}’-h_{3})\)\(=0.0784・(388-348)+0.108・(409-366)=7.78\) kW

(2) 実際の冷凍装置の\((COP)_{R}\)

\((COP)_{R}=\Large{\frac{Φ_{o}}{P}}\)\(=\Large{\frac{q_{mL}(h_{1}-h_{7})}{p}}\)\(=\Large{\frac{0.0784・(348-242)}{7.78}}\)\(=1.068≒1.07\)

 

この問題の解説は次の「上級冷凍受験テキスト」を参考にしました

p-h線図と冷凍サイクル
エアコンの安全な修理・適切なフロン回収