1.法全般
フロン類について
- Qフロン排出抑制法が対象とするフロン類とは何か。
- A
法第2条で規定されているフロン類(CFC、HCFCのうち、オゾン層保護法第2条第1項に規定する特定物質、及び地球温暖化対策の推進に関する法律第2条第3項第4号に掲げる物質)及びこれらの混合物となります。
- QR番号を持たない冷媒の扱いはどうすればよいか
- A
冷媒の組成を調べ、混合成分のフロン類にCFCを含む場合にはCFCとして、HCFCとHFCの混合物はHCFCとして、HFCのみ又はHFCとフロン類以外の冷媒の混合物の場合にはHFCとして扱ってください。
- QR-22等のHCFCを使用した機器は2019年1月から使用禁止になったのか。
- A
2019年1月からHCFCの生産は全廃されましたが、機器の使用や市中にストックされているHCFCの使用は禁止されていません。
- QHFO等のフロン類以外の冷媒を使用した業務用エアコンディショナーは、フロン排出抑制法の対象か。
- A
フロン類以外の冷媒を使用した業務用エアコンディショナーや冷凍冷蔵機器は、フロン排出抑制法の対象外となります。
法対象機器
- Q機器ユーザーが管理する機器のうち、フロン排出抑制法に基づく冷媒漏えい対策や点検、整備・廃棄時におけるフロン類の回収等が義務となる機器はどのようなものか。
- A
業務用のエアコン(空調機器)及び冷凍・冷蔵機器であって、冷媒としてフロン類が使用されているものが対象です(法律で「第一種特定製品」と呼んでいます。)。なお、家庭用のエアコン、冷蔵庫及び衣類乾燥機並びに使用を終了した自動車に搭載されているカーエアコンは本法に基づく回収その他の義務はありません。(それぞれ、家電リサイクル法、自動車リサイクル法でフロン類の回収が義務付けられています。)
- Q冷凍空調機器について、第一種特定製品かどうか(家庭用の機器と業務用の機器の区別)はどのように判断したらよいのか。
- A
フロン排出抑制法の対象となる、業務用機器とは、業務用として製造をされているものであり、実際の使用の用途が家庭用であっても業務用に製造されたものであれば対象となります。(使用場所や使用用途ではなく、その機器が業務用として製造・販売されたかどうかで判断されます。)また、家庭用の機器との見分け方については、①室外機の銘板、シールを確認する。(平成14年4月(フロン回収・破壊法の施行)以降に販売された機器には表示義務があり、第一種特定製品であること、フロンの種類、量などが記載されています。また、それ以前に販売された機器についても、業界の取組等により、表示(シールの貼付)が行われています。)②機器のメーカーや販売店に問い合わせる。等の方法があります。
- Qフロン類を使用した、自動販売機、ウォータークーラー、液体を計る特殊な試験装置、リーファーコンテナなどは第一種特定製品になるのか。
- A
フロン類を冷媒として使用し、冷凍・冷蔵又は空調を目的とする業務用として製造・販売された機器であれば第一種特定製品となります。別紙1(第一種特定製品の管理者等に関する運用の手引き(以下、管理者の手引き)の抜粋)に第一種特定製品の主な例を示します。
- Q自社で試作した機器は「第一種特定製品」に該当するか。
- A
試作中の機器は、業務用として製造・販売された機器ではないため、「第一種特定製品」には該当しません。当該製品が市販された場合には、市販のタイミングをもって、フロン排出抑制法の対象となります。
- Q自動車に搭載されたエアコンは第一種特定製品か。
- A
自動車(自動車リサイクル法の対象のものに限る。)に搭載されているエアコンで乗車のために設備された場所の冷房の用に供するものは、第二種特定製品であり、第一種特定製品ではありません。なお、第二種特定製品の整備時のフロン類の回収及び運搬に関して遵守する事項が法第88条及び省令※に規定されています。※第二種特定製品が搭載されている自動車の整備の際のフロン類の回収及び運搬に関する基準を定める省令(平成16年経済産業省・国土交通省・環境省令第1号)
- Q建設機械や農業機械に搭載されたエアコンは第一種特定製品か。
- A
大型・小型の特殊自動車や被牽引車に設置されているエアコン又は冷凍冷蔵車の荷室部分の冷凍冷蔵ユニットであって、冷媒としてフロン類が充塡されているものは、第一種特定製品です。
- Q冷凍空調機器が海外の事業所に所在する場合でも、日本法人が所有していれば法の規制対象となるのか。
- A
日本の法令が適用されない場所に所在する冷凍空調機器は本法の対象外です。反対に、日本の法令が適用される場所において、海外法人が業務用冷凍空調機器を使用している場合は本法の対象になります。
- Q外航船(海外の港間や国内と海外の港間を航行する船舶)や領海外で操業する漁船(遠洋漁業船や沖合漁業船)に設置されている第一種特定製品についても、法の規制対象になるのか。
- A
外航船や領海外で操業する漁業船については、国内外を移動する業務の性質に鑑み、当該業務に従事している間は管理者に対する義務規定は適用されません。また、国内で第一種特定製品を廃棄する場合の廃棄等実施者としての義務規定やフロン類をみだりに放出することの禁止規定など、管理者としての義務以外の規定は原則通り適用されます。
- Q外航船や領海外で操業する漁船が、内航海運事業を営んだり、沿岸漁業を行っている場合、当該船舶に設置されている第一種特定製品についても、法の規制対象となるのか。
- A
上記の回答のとおり、外航船や領海外で操業する漁業船については、国内外を移動する業務の性質に鑑み、当該業務に従事している間は管理者に対する義務規定は適用されませんが、同一の船舶が、これらの業務を離れ、領海内で内航海運事業や沿岸漁業を営む場合には、当該規定も適用されます。このような法適用関係の有無を明らかにするため、航海日誌、操業日誌、船舶検査証書等の資料の検査が求められる場合があります。
- Qフロン類の回収を既に行った場合やフロン類が漏えいしてしまった場合等、フロン類が充塡されていない機器は第一種特定製品ではなくなるのか。
- A
フロン類回収後の機器等のフロン類が充塡されていない機器も第一種特定製品です。法第2条第3項の規定における「冷媒としてフロン類が充塡されているもの」というのは、現にフロン類が充塡されているもののみに限定する趣旨ではありません。
- Q実験装置に組み込まれている第一種特定製品はフロン排出抑制法の対象か。
- A
冷凍空調機器として独立した製品となっていない場合であってもフロン排出抑制法の対象となります。
- Qフロン排出抑制法、自動車リサイクル法、家電リサイクル法のいずれにも対象とならないフロン類が充塡されている製品、例えば、スプレー缶や家電リサイクル法の対象外の家電製品等を廃棄するときはどうすればよいか。
- A
法対象外の製品の廃棄については、特段規制はありません。各自治体のルールにより適切な廃棄をお願いします。
管理者の定義
- Q「管理者」とは、具体的には誰を指すのか。
- A
原則として、当該製品の所有権を有する者(所有者)が管理者となります。ただし、例外として、契約書等の書面において、保守・修繕の責務を所有者以外が負うこととされているリース契約等の場合は、責務を負うものが管理者となります。
- Q法人として所有する機器についての「管理者」とは、代表取締役社長などのことを指すのか、又は法人のことを指すのか。
- A
法人が「管理者」になります。
- Qリース契約、レンタル契約のそれぞれについて、管理者は、所有者、使用者のどちらになるのか。
- A
「管理者の定義」に照らして判断いただく必要があります。一般的に、リース(ファイナンス・リース、オペレーティング・リース)による機器の保守・修繕の責務は、使用者側にあるとされているため、使用者が管理者にあたる場合が多いと考えられます。一方、レンタルにおける物件の保守・修繕の責務は、一般的には所有者側にあるとされているため、所有者が管理者にあたる場合が多いと考えられます。
- Q割賦販売における管理者は、所有者、使用者のどちらになるのか。
- A
「管理者の定義」に照らして判断いただく必要がありますが、割賦販売における物件の保守・修繕の責務は、売買契約と同様とみなされることから、使用者側が管理者にあたる場合が多いと考えられます。
- Qビルのテナントスペースにある機器の管理者は誰か。
- A
原則として、第一種特定製品の所有者が管理者にあたります。そのため、テナントの事業者が所有する機器はテナントが管理者となります。
- Q不動産の信託において、第一種特定製品が信託財産に含まれる場合については、誰が管理者にあたるか。
- A
原則として、第一種特定製品の所有者が管理者にあたりますが、不動産の信託においては、契約書等の書面に基づき信託財産の管理に係る指図権を有している者(特定目的会社、不動産投資法人、合同会社等)が保守・修繕の責務を有すると考えられるため、当該指図権者が第一種特定製品の管理者にあたります。なお、第一種特定製品が信託財産に含まれない場合は、第一種特定製品の所有者(テナント等)が管理者にあたります。
- Q管理者の定義に照らした場合、ビルの管理組合が管理者にあたるが、当該組合が法人格を有していない場合、誰が管理者にあたるか。
- A
この法において、管理者が法人格を有していなければならないという規定はありません。そのため、当該組合が理事会方式の場合は当該管理組合の理事長が、管理者方式の場合は管理規約上の管理者が、管理者に該当します。
- Q船舶に設置されている第一種特定製品は、船舶所有者、海運事業者等のうち誰が管理者にあたるか。
- A
第一種特定製品が設置されている船舶の所有者(裸傭船者を含む。)が管理者となることが多いと考えられますが、「管理者の定義」に照らしてご判断ください。
- Q航空機に設置されている第一種特定製品は、エアライン、製造会社等のうち誰が管理者にあたるか。
- A
Cargo Refrigeration UnitとSupplemental Cooling Unitは製造会社が、Air Chillerはエアラインが管理者となることが多いと考えられますが、「管理者の定義」に照らしてご判断ください。
- Q設備業者等に簡易点検も含めて管理を委託しているのだが、この場合は、管理者は誰になるのか。
- A
簡易点検の管理業務を委託することは可能です。しかし、その場合であっても原則として、第一種特定製品の所有者が管理者にあたります。
- Q都道府県が管理者となる範囲はどこまでか。(県立学校、警察本部、県立病院、県立美術館等)
- A
「管理者の定義」に照らして判断いただく必要がありますが、一般的に、地方公営企業、学校(教育委員会)、警察(公安委員会)等は、それぞれが保守・修繕の責務を含む管理責任を有し、当該都道府県(知事部局)とは独立した管理者にあたる場合が多いと考えられます。
- Q建物・機器の所有者と入居者の間において、空調機等の室外機と室内機の所有権が分かれている場合、管理者となるのは誰か。
- A
建物・機器の所有者と入居者の間において締結されている契約等において、冷凍空調機器の保守・修繕の責務が帰属している者が管理者となります。万一、保守・修繕の責務も分けられている場合には、室外機の保守・修繕の責務を有する者を管理者とします。
- Q機器、物件を共同所有している場合等、管理者にあたる者が複数いる場合、誰が管理者にあたるか。
- A
話し合い等を通じて管理者を1者に決めてください。
- Q機器の所有者と実際の機器の使用者の契約の書面において、保守・修繕の責務の「一部のみ」が使用者が有するものとされていた場合、管理者は所有者と使用者どちらになるのか。(具体的な例としては、日常管理の責務は所有者が有しており、事故等の突発的な事情による修理の責務は使用者が有している場合など)
- A
話し合い等を通じて管理者を1者に決めていただくことが原則です。保守・修繕の責務の一部のみ(例えば事故等の突発的な事情による修理のみなど)が使用者に帰属している場合は、所有者を管理者とすることが考えられます。
- Q第一種特定製品を最終製品の一部として購入しているメーカーは管理者にあたるのか。
- A
メーカーは管理者には該当しません。フロン排出抑制法上の「管理者」は、最終製品のユーザーとなります。
使用等の定義
- Q業務用の冷凍空調機器を、販売促進を目的として稼働させる(デモ)場合は、第一種特定製品の使用にあたるか。
- A
デモで稼働する場合であっても、第一種特定製品の使用にあたります。
指定製品の追加
- Q指定製品が追加された場合、管理者の義務に変更はあるのか。
- A
管理者の義務は第一種特定製品に関するものであることから、変更はありません。なお、指定製品の規制は、指定製品の製造業者等に係るものです。
罰則
- Qフロン排出抑制法において罰則はあるのか。
- A
フロン排出抑制法違反については、罰則が設けられております。詳しくは以下の環境省HPに掲載しております
https://www.env.go.jp/earth/furon/files/int_01-16_202303.pdf
指定製品
対象製品
- Q対象となる製品区分とは
- A
経済産業省ホームページに、対象製品を掲載しています。(参考: 指定製品制度概要)
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/ozone/furon_seihin_seizo.html
- Q指定製品として目標値・目標年度が設定されている製品について、ノンフロン製品の場合、指定製品に該当するのか。
- A
ノンフロン製品は、指定製品ではありません。ただし、出荷する製品の環境影響度を出荷台数で加重平均するときに、ノンフロン製品も算出に利用することができます。
- Q今後も対象製品は増えるのか。また目標値は今後更に引き下げられるのか。
- A
モントリオール議定書キガリ改正に基づく基準上限値が今後さらに下がることにより国内フロンの生産・消費量が削減されるため、今後、さらなる対象製品の拡充や目標値の引き下げを行う必要があると考えています。
目標値
- Q目標年度以降、目標値を超えた冷媒を使えなくなるのか。
- A
フロン排出抑制法における「指定製品制度」は、フロン類使用製品の低GWP化・ノンフロン化を進めるため、フロン類使用製品の製造・輸入業者に対して、出荷する製品ごとに、環境影響度低減の目標値・目標年度を定め、事業者ごとに、出荷台数による加重平均での目標の達成を求める制度です。従って、あくまで加重平均値での目標達成を求めており、目標値を超えた冷媒を使用することを禁止するものではありません。(参考: 指定製品制度概要)
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/ozone/furon_seihin_seizo.html
表示
- Q指定製品として目標値・目標年度が設定されている製品について、表示は法第14条と法87条のいずれを守れば良いか。
- A
法第2条第5項で定める特定製品においては、法第87条の規定に基づく表示を行うこととされています。その上で、指定製品については、法第14条に基づく表示も必要となりますが、法第87条に基づく特定製品の表示義務が維持されるため、法第87条に基づく表示を行っている場合には法第14条に基づく表示を免除されます。なお、法第87条第4項の主務省令で定める地球温暖化係数は、令和5年経済産業省・環境省告示第3号の別表第一及び別表第二の第二欄の係数を用います。(令和5年経済産業省・環境省告示第3号)
https://www.env.go.jp/earth/furon/files/R02kai_Public_Notice002_rev.pdf
- Q指定製品として目標値・目標年度が設定されている製品について、ノンフロン製品の場合、表示は必要か。
- A
フロン類を使用していない製品は指定製品ではありません。従って、原則として法第14条に基づく表示は必要ありません。ただし、指定製品の製品区分において、フロン類を使用する製品を製造等している場合には、「指定製品製造業者等」に該当します。従って、同一の製品区分において、フロン類を使用する製品とフロン類を使用しない製品との両方を製造等している者は、両製品の識別のため、ノンフロン製品についても、フロン類を使用していないことを可能な限り表示して頂くようお願い致します。
法定点検
簡易点検
- Q定期点検をすれば、それをもって簡易点検を兼ねることは認められるか。
- A
兼ねることができます。
- Q簡易点検の実施にあたり、室外機が屋根の上にある場合や、脚立を使わないと確認できない等、簡易点検を行うことが困難な場合は、どのように点検を実施すればよいか。
- A
判断基準では、「周辺の状況や技術的能力により難しい場合にはこの限りではない。この場合には可能な範囲で点検をすること。」とされており、ご指摘のような場合には、室外機と同じ冷媒系統の室内機等、確実に点検可能な箇所を重点的に点検することが考えられます。
- Q第一種特定製品が無人の施設に設置されている場合(雪山の頂上の観測所に設置された第一種特定製品、離島に所在する発電所に設置された第一種特定製品等)について、簡易点検のためだけに人員を派遣しなければならないためにその実施が難しい場合、どのように簡易点検を行うべきか。
- A
従業員が別の用件があって設置場所に立ち入る場合に入念に点検する等、可能な範囲で簡易点検を実施してください。なお、管理者から使用者などに簡易点検等を委託している場合は、管理者による簡易点検の実施とみなすことができます。
- Q一体型の空調機器や冷水器等、鍵を開けて機器の中を確認しなければ点検ができず、設置場所の従業員にとって簡易点検の実施が難しい場合、どのように簡易点検を行うべきか。
- A
機器の外観や冷水器の温度を確認する等、可能な範囲で簡易点検を実施してください。
- Q「簡易点検の手引き」に書いてある点検項目は法で決められた内容か。
- A
簡易点検の内容は、法第16条に基づく告示(管理者の判断の基準)で定めており、「簡易点検の手引き」はこの内容について、具体的に例示・解説したものです。
- Q高圧ガス保安法、労働安全衛生法又は食品衛生法の点検を行っている場合においても、それとは別に簡易点検は必要なのか。
- A
それらの点検が、判断基準に規定する内容を満たしているのであれば、その点検をもって簡易点検とみなすことができます。
- Q常時監視システムの利用により簡易点検を代替できるのか。
- A
令和4年8月に「第一種特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項」(平成26年経済産業省・環境省告示第13号)が改正され、一定の要件を満たす常時監視システムの利用することで、簡易点検を代替することが可能となっています。
https://www.env.go.jp/earth/furon/files/R02kai_Public_Notice013_rev.pdf
- Qエアラインが、航空機搭載機器について毎便実施しているモニターにより、簡易点検は実施されていることになるのか。
- A
実施されていることになります。
- Q機器が設置され試運転が開始されたが、機器の所有権はまだユーザーには渡っておらず、メーカーが試運転を行っている場合は簡易点検は必要か。
- A
機器の管理者は最終ユーザーとなるので、メーカーが試運転を実施している場合であれば簡易点検は不要です。簡易点検が必要となる期間の起算点はユーザーに所有権が移ってからとなります。
定期点検
- Q定期点検の対象となる「圧縮機の電動機の定格出力が7.5kW以上」であるか否かは、どうすればわかるのか。
- A
機器の室外機の銘板に「定格出力」、「呼称出力」又は「電動機出力・圧縮機」と記載されている箇所を見てください。不明の場合は、当該機器のメーカーや販売店に問い合わせてください。
- Q複数の圧縮機がある機器の場合、定期点検対象となる「7.5kW」はどのように判断したらよいか。
- A
冷媒系統が同じであれば合算して判断することになります。なお、機器の銘板に「●kW+●kW」のように記載されているものは、一般的にはその合計値で判断しますが、機器によって冷媒系統が分かれている場合もあるので不明な場合は機器メーカーにお問い合わせください。
- Q定格出力のないインバーター製品についてはどのように判断したらよいか。
- A
定格出力が定められていない機器にあっては、圧縮機の電動機の最大出力が7.5kW以上のものが対象となります。
- Q2つの冷媒を使った二元系冷凍機の場合、定期点検対象となるかどのように判断したらいいのか。
- A
二元系の冷凍機については、2つの冷媒回路があることによって冷凍サイクルが成立している機器ですが、2つの圧縮機の合計値によって出力が決まるものではないため、圧縮機の原動機の定格出力の高い方が7.5kW以上となるかどうかで判断してください。
- Q自然循環型の冷却の場合、定期点検対象となるかどのように判断したらよいか。
- A
当該機器を構成する冷凍サイクルにおいて、圧縮機を有する場合には電動機その他の原動機の定格出力が7.5kW以上のものが対象になります。したがって、自然循環型であって、チラー等の圧縮機を使用する機器が存在しない場合は、定期点検の対象外となります。(ただし、フロンを冷媒として使用しているという観点から、フロン排出抑制法に基づく簡易点検の対象にはなります。)なお、自然循環型であって、チラー等の圧縮機を使用する機器が存在している場合には、圧縮機の定格出力を確認の上、定期点検の必要性の有無をご判断ください。
点検頻度
- Q冷凍冷蔵機器とエアコンディショナーの点検頻度の差はどういった理由なのか。
- A
経済産業省の調査の結果、冷凍冷蔵機器に比べてエアコンディショナーからの使用時漏えい量は少ないことを踏まえ、点検頻度に差を設けています。
- Q「簡易点検の手引き」には、点検頻度が「1日に1回」となっているものと、「3か月に1回」となっているとの記載があるが、どのように理解すればいいのか。
- A
フロン排出抑制法に基づく義務としては、簡易点検は3か月に1回以上行うこととされています。「1日に1回」の点検頻度は推奨する頻度であって、義務ではありません。
- Q点検(簡易点検3か月に1回、定期点検1年に1回等)において、第1回目やそれ以降の実施はいつに設定すればよいのか。
- A
簡易点検なら3か月、定期点検であれば1年もしくは3年以内に、最初の点検を実施してください。また、次の点検については、前点検日の属する月の翌月1日から起算して、それぞれ定められた期間以内に行ってください。例: 今回、6月3日に簡易点検を実施した場合、次回は9月であればいつでも構いません。
- Q機器が設置され、使用できる状態になってから、実際に当該機器を使用するまでに期間が空く場合(例えば、ショッピングモール等において、店舗に機器の設置が完了し、所有権が移転してから、半年後にショッピングモールがオープンする場合等)、法定の点検義務は、いつから発生するのか。また、工期が長い工事で順次機器の設置、冷媒配管施工、試運転が行われる場合、法定の点検義務はどの時点から適用されるか。
- A
基本的には設置日ですが、試運転等の冷媒系統の試験的稼働が行われていない場合は、当該試験的稼働が行われた日を点検の起算とします。したがって、実際に店舗がオープンしていなくても、試験的稼働が行われた日以降は、簡易点検なら3か月、定期点検であれば1年もしくは3年以内に1回以上の点検義務があります。また、点検記録簿の備え付けについても同様に義務となります。
- Q第一種特定製品の管理者が売却や譲渡などによって変わる場合、簡易点検・定期点検の起算はどのように考えるべきか。
- A
前の管理者から第一種特定製品を購入・譲渡された際に、点検記録簿が付いている場合は、当該記録簿に記載のある前点検日の属する月の翌月1日から起算して、それぞれ定められた期間以内に行ってください。当該記録簿が付いていない場合は、前の管理者等に前点検日を確認してください。その上で、前点検日が把握できないときは購入・譲渡された日を起算日としてください。
点検方法
- Q遠隔で間接法の内容を運転監視しているが、遠隔監視を間接法として適用できないのか。
- A
遠隔監視が漏えい防止のための内容を備えているのであれば、間接法に該当すると考えますが、定期点検は間接法のみならず、機器の外観検査を行うことも求めているため、遠隔監視のみで定期点検を完了とすることはできません。
知見を有する者
- Q定期点検の基準において、「フロン類及び第一種特定製品の専門点検の方法について十分な知見を有する者が、検査を自ら行い又は検査に立ち会うこと。」とされているが、具体的にはどのような要件か。
- A
定期点検は、「直接法」や「間接法」といった、法令で定められた方法に従って行う必要があります。そのため、点検実施者は、基準に沿った点検方法に関する知識を有している必要があります。詳細は別紙2(運用の手引き(管理者編)の抜粋)を参照してください。
- Q十分な知見を有する者とは、「資格者」のことを指すのか。
- A
「十分な知見を有する者」とは、法令で定められた点検方法に関する知識を有する者を指しますので、必ずしも「資格」を有することは求められません。ただし、定期点検の発注者や指導を行う都道府県が、知見の有無を明確に判断できるよう、別紙2に例示した資格等を取得いただくことが望ましいです。
- Q別紙2において、資格や実務経験だけではなく講習の受講についても言及されているが、具体的にどのような講習が想定されているのか。
- A
現時点(令和6年6月)で環境省・経済産業省が内容を確認した講習は6件です。詳しくは、WEBサイトをご確認ください。
https://www.env.go.jp/earth/ozone/cfc/law/kaisei_h27/koushuu.html
使用していない機器の扱い
- Q機器の使用を一時的に中断している場合(デモ製品を保管する場合等)は、点検は必要か。
- A
機器を使用しない期間であっても冷媒が封入されている場合は、3か月に1回以上の頻度で簡易点検を実施することが必要です。ただし、簡易点検のために再起動(電源を入れてわざわざ稼働)させる必要はなく、油のにじみや腐食等の目視点検だけで構いません。また、当該機器の定期点検を行うべき期間を超える場合、当該使用しない期間の定期点検は不要ですが、再度使用する前に定期点検を行ってください。
- Q機器を使用しない期間、冷媒を抜いて保管している場合、簡易点検や定期点検を実施する必要があるか。
- A
フロン類が充塡されていない機器については、点検は不要です。
罰則
- Q簡易点検をはじめ管理者の判断基準の遵守は法令上の義務か。
- A
簡易点検の実施等が定められている管理者判断基準の遵守は法に基づく義務です。また、違反した場合には、都道府県による指導・助言、さらに、定期点検対象機器を所有している場合は、勧告・公表・命令・罰則の対象となる場合があります。
点検記録簿
様式
- Q点検記録簿の様式は運用の手引きに記載されるのか。また、様式はどこからダウンロードできるのか。
- A
法令(管理者判断基準 第四)において、記載事項のみが定められているため、様式については、自由様式です(項目については、管理者の手引きp.41-42参照)が、環境省のホームページから参考様式がダウンロードできます。
http://www.env.go.jp/earth/earth/24.html
また、日本冷凍空調設備工業連合会が作成した様式も同連合会のホームページからダウンロードできます。https://www.jarac.or.jp/freon/05_logbook
- Q複数の機器の点検記録簿を、一つの表にまとめて記録・保存することは可能か。また、一つの機器の点検整備記録について、簡易点検とそれ以外の記録を別々の用紙に記録・保存する等、複数の媒体に分けてそれぞれ保存することは可能か。
- A
法令で定められた項目を網羅していれば、複数の機器の点検整備情報を集約して記録・保存したり、逆に一つの機器の点検記録簿を別々の媒体で保存することは可能です。なお、その場合であっても、都道府県や設備業者から該当機器の点検記録簿の提示を求められた場合には速やかに応じ、売却時には当該機器の点検記録簿を売却先に引き継ぐ必要があります。
記入方法・内容
- Q点検記録簿にある修理実施者の氏名は、実施作業した人の氏名なのか、立ち会った人の氏名なのか。また、資格も記載する必要があるか。
- A
点検記録簿には、修理点検等を実施した者(作業者)の氏名(法人の場合は、その名称も必要)を記入することとしています。保有する資格等を記入する必要はありません。
- Q「簡易点検の手引き」p.12~13(業務用エアコン編)、p.35~37(冷凍冷蔵ショーケース、業務用冷凍冷蔵庫編)に掲載されているチェックシートは、具体的に何を記載すればよいか(「異常の有無」を記載するのか)。
- A
簡易点検の手引きに掲載しているチェックシートは、点検の「実施の有無」を記載するための参考様式として掲載しています。
- Qスポットクーラー等の機器は頻繁に所在地が変わるが、点検記録簿等において、機器の所在地はどのように記載すればいいのか。
- A
所在が頻繁に変わる機器については、機器を特定できる情報(管理番号等)に加えて、管理者の所在地を記入してください。(スポットクーラーの場合、管理者がレンタル会社であればレンタル会社の住所とする等で対応します。)
記録方法
- Qエアラインには、航空機に搭載されている第一種特定製品について毎便モニターを実施していること、航空法等により当該機器を自ら修理することができないことなどの特殊性があるが、点検記録簿はどのように作成すればよいか。
- A
簡易点検の記録方法としては、点検を実施した機器を特定する情報を明示し、機器ごとに簡易点検を行った旨及び点検実施日を記録することで要件が満たされます。点検実施日については、毎便モニターが実施されている実態に鑑み、モニターが実施されなかった日を除く日を点検実施日として記録することも認められます。また、修理や充塡回収等の記録については、整備会社から資料を取り寄せる体制を整えることで、点検記録簿の記録及び保存を実施していることとみなされます。
保存期間
- Q簡易点検は3か月に一度ということだが、その記録は機器廃棄後も保存しなければならないのか。
- A
簡易点検については、点検を行ったこと及び点検を行った日を記録する必要があります。これらについても点検記録簿の記載の一部であり、機器を廃棄後3年間(機器の廃棄等を行い、フロン類の引渡しを完了した日から3年)保存する必要があります。
- Q点検記録簿の保存はいつまでか。
- A
第一種特定製品を使用している間は、保存していただく必要があります。機器を廃棄した場合、廃棄後3年間、記録を保存する必要があります。
記録簿の引き継ぎ・その他
- Q自販機が故障すると代わりの自販機と機器ごと交換する。引き上げた自販機は、工場で修理をして異なる販売店に設置することがあるが、この場合には点検記録簿はどうしたらよいか。
- A
点検記録簿は機器ごとに作成することとなっているため、当該機器が次の販売店に設置される際には、当該点検記録簿も一緒に引き継いでください。
- Qリース製品を使用していたユーザー企業から点検記録簿又はその写しを徴収して中古業者に引渡す必要があるとされていますが、ユーザー企業の倒産等の事由により、ユーザー企業から点検記録簿又はその写しを徴収することができない場合に、リース会社はどのように対応すればよいか。
- A
ユーザー企業(前の管理者)から当該製品に係る点検記録簿又はその写しを徴収することができない場合には、新たな管理者となったリース会社が、管理者となった時点以降の点検記録を記した点検記録簿を新たに作成し、過去の点検記録が記載されていない理由を付し、中古業者に引渡すことになります。これにより、リース会社は、第一種特定製品の管理が適正に行われているものと判断されます。また、点検記録簿の作成を第三者に委託することもできます。
- Q点検の結果については、国や都道府県への報告が必要か。
- A
報告の必要はありませんが、管理者に対する指導や命令等は都道府県知事が行うこととしており、都道府県が管理者に対して報告徴収、立入検査等を行う際に、点検記録簿を確認し、点検実施の有無を検査することがあります。また、第一種フロン類充塡回収業者は、充塡基準に従って、フロン類の充塡の前に、点検記録簿を確認する等により、漏えい状況を確認することとされています。そのため、第一種フロン類充塡回収業者の求めに応じて、管理者は速やかに提示する必要があります。
算定漏えい量報告
報告対象
- Q年間の漏えい量は事業所単位なのか。
- A
法人単位での報告となります。ただし、1事業所において1,000トン-CO2以上の漏えいを生じた場合は、当該事業所に関する漏えい量について法人単位のものと併せて報告を行う必要があります。
- Q算定漏えい量報告は子会社等を含めたグループ全体で報告してもよいか。
- A
報告は法人単位で行うこととしており、資本関係の有無によることはないため、子会社等のグループ関係があったとしても法人別に報告する必要があります。なお、一定の要件を満たすフランチャイズチェーン(連鎖化事業者)は、加盟している全事業所における事業活動をフランチャイズチェーンの事業活動とみなして報告を行うこととなります。
- Q合併や分社化、廃業した場合、算定漏えい量はどのように報告すればいいのか。
- A
合併等の企業組織の改編が行われた際には、「当該年度の4月1日」から「合併等を行った日の前日」までと、「合併等を行った日」から「当該年度の3月31日」に分けて考えます。なお、報告年度の4月1日時点で存在しない会社には報告義務がありません。
例1)吸収合併の場合
A社(存続会社)とB社(消滅会社)が算定対象年度(前年度)途中に合併する場合、存続会社であるA社に由来する算定漏えい量が報告対象となります。具体的には、合併を行った日(以下、「合併日」)の前日までのA社の算定漏えい量及び合併日以後の算定漏えい量の合算値を報告します。なお、合併日の前日までのB社の算定漏えい量は、B社が報告年度の4月1日時点に存在しないことから報告対象外となります。
例2)新設合併の場合
A社とB社が算定対象年度(前年度)途中に合併し、C社(新設会社)となる場合、C社の合併日以後の算定漏えい量が報告対象となります。合併日の前日までのA社、B社における算定漏えい量は報告対象外となります。
例3)新設合併の場合
(特に4月1日付について)A社とB社が合併して報告年度の4月1日付けでC社(新設会社)となる場合、算定漏えい量報告はC社の責務です。しかし、算定対象年度(前年度)にはC社が存在しなかったことから、報告対象外となります。なお、A社とB社も報告年度の4月1日時点で存在しないことから報告対象外となります。会社分割や廃業等も合併と同様の考え方で判断を行います。
- Q都道府県知事が漏えい者として報告する場合、報告先の事業所管大臣はどこになるのか。
- A
都道府県(知事部局)が管理者となる場合は、環境省大臣・経済産業大臣の双方に報告してください。(フロン類算定漏えい量報告マニュアルⅢ編p.Ⅲ-40〜Ⅲ-44)
連鎖化事業者
- Q算定漏えい量に関して、チェーン店の場合は合算されるのか。
- A
地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の場合と同様に、一定の要件を満たすフランチャイズチェーン(連鎖化事業者)は、加盟している全事業所における事業活動をフランチャイズチェーンの事業活動とみなして報告を行うこととなります。
- QA社がフランチャイズチェーンXの加盟店を運営しており、A社が運営する加盟店で管理する機器からの漏えい量が1,000トン-CO2以上となる場合、加盟店分についてフランチャイズチェーンXとして報告する他に、A社としても報告しなければならないか。
- A
フランチャイズチェーンXとして報告する部分についてはA社の報告対象から除外してください。それらを除外した上でA社が、フランチャイズチェーンXの管理外で、独自に、管理する機器での漏えい量が年間1,000トン-CO2以上となる場合にはA社として、独自に報告義務があります。
- Q加盟店によってはエアコン・ショーケースを自ら導入している。それらの機器の運用については本部でマニュアルを作成し、管理している。この場合、報告義務は加盟店と連鎖化事業者どちらにあるか。
- A
加盟店が独自に導入した第一種特定製品の管理者は加盟店であると考えられますが、フランチャイズチェーン事業者と加盟店の間の約款、契約書、行動規範、マニュアル等において、①第一種特定製品の機種、性能又は使用等の管理の方法の指定又は②当該管理第一種特定製品についての使用等の管理の状況の報告が定められている場合、フランチャイズチェーン事業者に報告義務が発生します。(フロン類算定漏えい量報告マニュアルⅡ編3.4をご参照ください。)
- Qフランチャイズチェーン本部が店舗で使用するエアコン・ショーケース等を所有し、加盟店に貸与しており、維持管理については加盟店が責任を持つことをFC契約書に規定している。加盟店は、エアコン・ショーケースの保守業者と加盟店が保守契約を締結し、年3回以上の保守点検を実施しているが、保守点検の結果を報告することをFC契約書で定めている。この場合の報告者は誰か。
- A
所有者(本部)と使用者(加盟店)との間で契約書等の書面において、保守・修繕の責務を加盟店が負うことを規定していることから、管理者は加盟店であるものと考えます。ただし、フランチャイズチェーン本部が加盟店に保守点検の結果を報告することを定めているため、報告義務はフランチャイズチェーン事業者側にあることとなります。(フロン類算定漏えい量報告マニュアルⅡ編3.4をご参照ください。)
- Qエアコンにおいては、出店の多くがビルに入居しており、ビルに備え付けの設備を使用する場合が多く、本部側では一部の機器しか把握できていない。このような機器の場合、報告義務はあるか。
- A
加盟店が入居するビル備え付けの機器は、当該ビルのオーナーが管理者であると考えられるため、その場合は当該機器に関しては連鎖化事業者の報告対象とはなりません。
裾きり基準・算定方法
- Q1,000トン-CO2とは、R-22では何キロにあたるのか。
- A
R-22の温暖化係数(GWP値)は1,760のため、約570kgとなります。(計算方法:GWP値1,760×質量568.2kg=約1000トン-CO2)なお、係数となるGWP値は告示(フロン類の種類ごとに地球の温暖化をもたらす程度の二酸化炭素に係る当該程度に対する比を示す数値として国際的に認められた知見に基づき環境大臣及び経済産業大臣が定める係数)を参照してください。
- Q算定漏えい量の計算の対象となる機器は何か。
- A
管理する全ての第一種特定製品です。
- Q7.5kW以上の第一種特定製品が定期点検実施対象となっているが、算定漏えい報告の算定対象となるのは定期点検の対象となる第一種特定製品という認識でよいか。
- A
算定漏えい量報告の算定においては、定期点検の対象機器のみならず、管理者が管理する全ての第一種特定製品からの漏えい量を合計して算定する必要があります。
- Q充塡だけしている(回収はできない)機器の場合、算定漏えい量の算定方法は「充塡量-回収量」となっているが、その場合はどう計算するのか。
- A
回収を行っていない場合は回収量をゼロとして計算することとなるため、充塡量そのものが「算定漏えい量」となります。
- Q算定漏えい量は充塡証明書及び回収証明書から漏えい量を計算するとのことだが、機器の初期充塡量を元にしないでよいのか。
- A
整備時の充塡量及び回収量から算定漏えい量を計算することとされています。初期充塡量を算定に用いる必要はありません。ただし、設置時の充塡はフロン類算定漏えい量の算定対象外です。
- Q算定漏えい量報告は、毎年度、全ての機器について漏えいした量を残存量などから計算しなければならないのか。
- A
報告すべき漏えい量は、当該年度に実施された整備時充塡・整備時回収の際に第一種フロン類充塡回収業者から発行される充塡・回収証明書から算定することとしています。そのため、残存量などを確認する等、上記以外の方法により漏えい量を算定する必要はありません。
- Q算定漏えい量について、回収を当該年度に行い、翌年度に充塡を行った場合、どのように処理すればよいのか。
- A
同一機器についての一連の回収・充塡作業(整備)については、充塡作業が終了した翌年度に、算定漏えい量を報告してください。ただし、「一連の」とは言い難い回収及び充塡については、それぞれ回収及び充塡を行った年度ごとに集計してください。
- Q算定漏えい量について、冷媒回収後、その機器にもともと充塡されていた冷媒とは異なる冷媒を充塡した場合、どのように算定すればよいか。
- A
整備時に、回収が行われた後に充塡されたフロン類が異なる場合には、フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令第2条における、当該整備時充塡されたフロン類の種類については、(当該整備時充塡されたフロン類の種類ではなく)当該整備時回収によって回収されたフロン類の種類と同一であるとみなして算定してください。
例)整備時に、冷媒Aを回収し、冷媒Bを充塡した場合
算定漏えい量(トン-CO2)=(冷媒Bの充塡量-冷媒Aの回収量)×冷媒Aの地球温暖化係数
なお、充塡しようとするフロン類(冷媒B)の地球温暖化係数が当該第一種特定製品に表示されたフロン類(冷媒A)の地球温暖化係数よりも小さく、かつ、当該第一種特定製品に使用して安全上支障がないものであることを当該第一種特定製品の製造業者等に確認する必要があります。
また、指定以外の冷媒を封入することに関しては、(一社)日本冷凍空調工業会から注意喚起がなされておりますので、ご留意ください。
算定の考え方
- Q整備作業中に漏えいが発生してしまった場合、充塡証明書への記載量は、「充塡量全量(作業の途中で漏えいしてしまった量+機器に実際に充塡した量)」を記載するのか。それとも、機器に充塡された量(=回収量)とし、漏えい量分は充塡回収業者の算定漏えい量として、処理するのか。
- A
充塡証明書に「充塡量全量(作業の途中で漏えいしてしまった量+機器に実際に充塡した量)」を記載し、管理者の漏えいとして計算します。ただし、漏えい量増加理由等を記載する様式第2に、当該計算理由について記述することが可能です。
- Q機器設置時に充塡回収業者が本来の追加充塡量を間違えて少なく充塡していて、暫く使用した後のメンテナンス時にそれが発覚して本来の漏れではないにも関わらず充塡した場合も算定漏えい量計算の対象になるのか。
- A
算定漏えい量報告は、機器整備時に交付された充塡証明書・回収証明書に基づき計算するため、計算対象となります。なお、このような状況に関しては、フロン類算定漏えいの増減の状況に関する情報を記載する様式第2の活用ができます。
- Q整備時、機器から冷媒を回収するときに冷凍機油と混じって寝込んで回収しきれないものがあるが、算定漏えい量の計算はどのようになるのか。
- A
フロン排出抑制法に基づく回収の基準(施行規則第40条)に従い回収作業を実施していただき、その結果として充塡証明書・回収証明書に基づき、計算してください。
- QR744の漏えい量は、その他単一冷媒を選択すれば良いのか。
- A
R744は二酸化炭素であり、フロン排出抑制法の対象外ですので、R744を単体で冷媒と用いている機器については、算定漏えい量等の報告書に含める必要はありません。同様にアンモニア、プロパン(R290)、イソブタン(R600)なども対象外となります。なお、これらのフロン排出抑制法の対象外の冷媒も、HFCなどを含む混合冷媒の一部として含まれる場合は、その他混合冷媒として算定漏えい量等の報告書に含めていただく必要があります。
報告方法
- Q算定漏えい量報告の報告様式はあるのか。
- A
省令(「フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令」)において様式を定めています。
- Q算定漏えい量報告の具体的な報告窓口や報告方法は決まっているか。
- A
算定漏えい量報告は事業所管大臣に報告することとしており、各省庁が窓口となります。具体的な報告窓口や報告方法は、算定漏えい量報告のマニュアルをご確認ください。なお、郵送の場合は宛名に省庁の部署まで正しく記載ください。
また複数の事業を実施されている場合は、複数の省庁に郵送してください(例えば、鉄道事業者が発電事業も実施されている場合は、鉄道事業所管の国土交通省と、発電事業所管の経済産業省の両方に郵送してください)。
なお、電子報告システムEEGSで報告される場合、提出先省庁を複数選択していただくことにより、1回の報告で済みます。
提出先
https://www.env.go.jp/earth/furon/contact/submission.html
マニュアル
https://www.env.go.jp/earth/furon/operator/isshu_santei-4.html
- Q百貨店・スーパー等、同一の事業者が複数の事業を行っている場合、算定漏えい量報告における主たる事業、従たる事業はどのように判断すればよいのか。
- A
まず、地球温暖化対策の推進に関する法律もしくはエネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律において、既に報告を行っている場合は、その報告時の判断と同様にしてください。
これまでに上記報告をしていない場合は、フロン類算定漏えい量報告マニュアルⅢ編p.Ⅲ-40〜Ⅲ-44に基づき、事業所管省庁を確認してください。
(例えば、百貨店・総合スーパーマーケットは経済産業省のみの所管です。また、食料品スーパーマーケットは農林水産省の所管です。酒類を扱っている場合は財務省、医薬品を扱っている場合は厚生労働省です。ただし、同じ拠点で従たる事業として行っている場合は、これらの省庁への報告は必要ありませんので、主たる所管省庁である、経済産業省あるいは農林水産省へのみ御報告をお願いします。)
https://www.env.go.jp/earth/furon/files/santei_manual_v2.92_3.pdf
- Q算定漏えい量報告は、毎年度算定し、報告する必要があるのか。
- A
報告対象(年度内の算定漏えい量が1,000トン-CO2以上)かどうかを判定する必要があるため、毎年度、算定漏えい量を算定していただく必要があります。また、その報告は、前年度における算定漏えい量が1,000トン-CO2以上の場合に報告を行う必要があります。
- Q事業者における事業所が一つで、算定漏えい量の報告対象となった場合は、特定事業所はどのように考えるのか。
- A
特定漏えい者と特定事業所のそれぞれについて、報告が必要です。なお、それぞれの報告にあたっては、特定漏えい者と特定事業所は同じ名称、漏えい量で報告となります。
- Q車などの移動体の冷媒の充塡・回収は、当該移動体を管理している場所とは異なる場所で行う場合もあるが、その際、どの事業所分・都道府県分として報告するのか。
- A
移動体を管理している事業所及びその事業所の属する都道府県における漏えいとみなすものとします。
- Q船舶などの移動体を管理する事業所が海外に所在する場合、当該船舶からの算定漏えい量はどの都道府県分として登録するのか。
- A
海外に所在する事業所からの算定漏えい量は報告の対象外となります。
- Qエアラインでは、航空機に航載されている管理第一種特定製品について、航空法等により当該機器を自ら修理することができず、海外に所在する製造会社において充塡・回収が行われる場合があるが、どの都道府県分として登録するのか。
- A
海外に所在する法人において充塡・回収が行われる場合、当該法人の算定漏えい量報告の対象外となります。
機器の移設
- Q特定製品を同一工場内で移設する場合(管理者の変更を伴わない)、移設に伴う充塡・回収量は、算定漏えい量の対象となるのか。
- A
管理者の変更を伴わない移設の場合は、機器の「整備」の一環とみなすことができるため、当該移設作業に伴うフロン類の回収及び再設置時の充塡は、「整備」時と同様、算定漏えい量の計算の対象となります。
- Q特定製品を譲渡し移設する場合(管理者の変更を伴う)、移設に伴う充塡・回収量は、算定漏えい量の対象となるのか。
- A
管理者の変更を伴う移設の場合は、機器の設置時の一環とみなすことができるため、機器移動時の冷媒回収及び設置時充塡については、算定漏えい量の計算の対象外となります。ただし、機器は引き続き使用されることから、点検整備記録簿の譲渡は必要となります。(なお、充塡回収業者の都道府県への報告は、整備時回収と設置時充塡とする。)
算定漏えい量報告
- Q工場を空調機器ごと譲渡する場合、過去の整備時における算定漏えい量(譲渡前の漏えい量)は、誰がいつ報告するのか。譲渡先に、その年度分を全て報告してもらってよいか。
- A
法令上は管理者の義務として年度ごとの管理第一種特定製品の算定漏えい量を報告することになっています。(1,000トン-CO2以上の漏えいの場合)従って譲渡前漏えい分と譲渡後漏えい分をそれぞれの管理者が報告する必要があります。
フロン類の充塡・回収
充塡回収業者への委託義務
- Q自社で機械を整備する場合、充塡回収業者に依頼しないといけないのか。
- A
自社の設備であっても、冷媒を充塡又は回収する場合は、充塡回収業者に委託する必要があります。ただし、自らが充塡回収業者として都道府県知事の登録を受けた場合は、自ら実施することが可能です。
- Q機器に充塡されている冷媒について、その混合比が不明な場合はどうしたらよいのか。
- A
冷媒の混合比については、不明な場合は機器メーカーに問い合わせをしてください。
適用範囲
- Q冷凍空調機器の製造業者が工場で行う充塡についても、法律の対象なのか。
- A
機器の製造過程での充塡については、充塡回収業者への委託義務や充塡回収業者の充塡基準の遵守義務等の法37条に定める機器整備時の充塡に関する規定の対象外です。
- Q機器の設置時の充塡については、法律の対象なのか。
- A
機器の設置時の充塡については、法37条に定める機器整備時の充塡に関する規定が適用されます。
第一種フロン類充塡回収業者の登録
- Q第一種フロン類充塡回収業者の登録をしたい。
- A
第一種フロン類充塡回収業者の登録申請の受付は、登録を希望される都道府県の都道府県庁で行っております。各都道府県庁の具体的なお問い合わせ先については、下記フロン排出抑制法ポータルサイトの「お問い合わせ・リンク」のページをご覧ください。
https://www.env.go.jp/earth/furon/contact/index.html
- Q第一種フロン類充塡回収業者の登録要件はあるか。
- A
第一種フロン類充塡回収業について都道府県知事の登録を受けるためには、フロン類の回収の用に供する設備の所有等の要件があります。なお、充塡・回収を行う場合には、法に基づく充塡・回収に関する基準に従って実施する必要があります。
- Q登録にあたって、「充塡のみ行う業者」と「充塡・回収ともに行う業者」は分けて登録できるのか。
- A
登録申請様式において、対象とする機器(冷凍冷蔵機器、エアコンディショナー)及び取扱うフロン類の種類を選択する欄があり、その選択は充塡、回収それぞれについて記入することができます。そのため、いずれか一方のみ選択した場合、いずれかのみの登録を受けることは可能です。ただし、いずれの場合であっても、「第一種フロン類充塡回収業」として登録されます。
- Qトラックや船舶等の移動体に設置されている第一種特定製品に自ら充塡及び回収する場合、どこの都道府県知事の登録を受ける必要があるのか。
- A
トラックや船舶等の移動体を管理する事業所が所在する都道府県の登録を受ける必要があります。なお、充塡及び回収が修理工場や造船所等の決まった場所で行われる場合には、当該工場等の所在する都道府県の登録を受ける必要があります。
- QA県にある設備をフロン類が入った状態でB県に持って行き、フロン類の充塡・回収を行う場合、A県とB県の両方に第一種フロン類充塡回収業の登録を行う必要があるのか。
- A
実際にフロン類の充塡・回収を行う場所の都道府県に登録する必要があります。この質問の場合はB県で充塡・回収の作業を行うため、B県に登録する必要があります。
- Q充塡のみ行う業者の場合は、回収設備を有している必要はないのではないか。
- A
第一種フロン類充塡回収業について都道府県知事の登録を受けるためには、フロン類の回収の用に供する設備の所有等の要件があります。充塡のみ行う業者であっても、回収設備を所有するか、必要なときに使用できる権限を有している必要があります。
- Q全国で行っている機器のサービスを本社で受け付け、各都道府県に置かれた支店や特約店が整備やフロン類の回収を行う場合、都道府県ごとに回収業者の登録は必要か。
- A
回収業者は、回収業務を行う地域を管轄する都道府県知事の登録を受ける必要があり、実際に回収を行う都道府県で登録を受けることが必要です。
- Q親会社が回収業者の登録をしていれば、子会社は登録をしないで回収することができるか。
- A
実際に回収作業を行う事業者が登録する必要があるので、子会社は親会社とは別途登録が必要です。
- Q会社の合併・分割の場合、事業承継に係る手続はどうすればよいか。
- A
フロン排出抑制法では、事業の承継届は規定されていません。合併又は分割後の新法人が旧法人と同一人格でない場合は、新法人は新たな回収業者として登録を行い、旧法人は廃業等の届出を行う必要があります。また、新法人が旧法人と同一人格の場合は、新法人が変更の届出を行います。なお、個人事業者であった回収業者が法人になる場合は、個人事業者は廃業の届出、設立された法人は新たな登録が必要になります。
引取義務
- Q第一種フロン類充塡回収業の登録を受けつつも実際は充塡のみを行う業者の場合でも、法39条に基づき整備者からフロン類の引取りを求められた場合、原則として拒否できないのか。
- A
「充塡のみ行う業者」として都道府県知事の登録を受けた場合であって、技術的な理由により適切な回収を行うことができないと見込まれる場合等の理由がある場合は、法第39条第5項に基づく正当な理由に該当し、引取り義務の対象とはなりません。
証明書の交付
- Q回収証明書及び充塡証明書の様式は定めるのか。様式が定められない場合、タイトルは必要か。また、省令で定める項目以外の記載があっても問題ないか。
- A
回収証明書と充塡証明書については法定の様式はありません。管理者が当該証明書であるとわかるように作成・交付してください。また、省令で定める項目以外が記載されていても問題ありません。
- Q一度に複数の機器に充塡・回収を行った場合、回収証明書及び充塡証明書の双方の発行が必要か。必要な場合、証明書を一つにまとめて交付しても問題ないか。
- A
回収証明書及び充塡証明書の双方の発行が必要となります。なお、省令で定める項目を満たしていれば、1枚の証明書にまとめて交付しても問題ありません。
- Q充塡証明書及び回収証明書に記載する「フロン類の種類」とは具体的には何か。
- A
充塡証明書・回収証明書に記載する「フロン類の種類」とは、ISO817に沿った内容で経済産業大臣・環境大臣が定める種類です。これは令和5年経済産業省・環境省告示第3号として公布されていますが、いわゆる冷媒番号別の種類のことを指します。
- Q輸送用の冷凍冷蔵ユニットを、トラック等に設置する場合に、フロン類の充塡がなされる。この際、充塡証明書は発行が必要になるのか。設置作業を行う者が、第一種フロン類充塡回収業者でなければならないのか。
- A
「冷凍冷蔵ユニット付きトラック」を製造するために、輸送用の冷凍冷蔵ユニットを部品として購入し、冷凍冷蔵車として販売するために組み立てる段階での充塡は、「製造時」の充塡となるため、充塡回収業者が行う必要はなく、証明書の発行は不要です。
他方、通常のトラック等に後付で輸送用冷凍冷蔵ユニットを取り付ける場合は、「設置時」に該当するため、充塡回収業者が充塡作業を行い、充塡証明書が必要となります。
なお、車両メーカーが整備を行う際には、整備時充塡であるため、当該車両メーカーが自身が充塡回収業者であるか、充塡回収業者への委託をする必要があります。
- Q充塡・回収証明書は、「第一種フロン類充塡回収業者」から「管理者」へ、直接渡さなければならないのか。
- A
必ずしも直接渡す必要はありませんが、管理者の元に届かない限り、交付されたことにはなりません。
- Q充塡証明書及び回収証明書は、紙で発行されなければならないのか。
- A
充塡証明書及び回収証明書は、紙で発行される必要があります。ただし、情報処理センターに登録する場合には、充塡証明書及び回収証明書の発行が免除されるため、紙での発行はされません。
- Q充塡回収業者が自らが管理する第一種特定製品に充塡及び回収を行った場合、充塡証明書及び回収証明書の発行はどのように行うのか。
- A
自らが管理する第一種特定製品に充塡及び回収する場合であっても、証明書を交付する必要はありますが、証明書の様式は法定されていないことから、交付期限までに証明書記載事項を自ら書面に記録することで証明書の交付を行ったものとなります。
- Q充塡証明書・回収証明書をなくしてしまい、第一種フロン類充塡回収業者から証明書の再発行はできないと言われたが、どうしたらよいか。
- A
管理者には充塡証明書・回収証明書の保存義務はありません。ただし、点検記録簿への記載や漏えい量の算定に必要となりますので、第一種フロン類充塡回収業者から回収や充塡の実施日、フロンの種類、回収量、充塡量を聞き取り点検記録簿に記入しておいてください。
施行規則49条業者
- Q充塡回収業者から、指定されたフロン類破壊業者へのフロン類の運搬を請け負うことになり、フロン類の移充塡を行う必要があるが、施行規則49条の認定は必要か。
- A
指定されたフロン類破壊業者又は第一種フロン類再生業者への運搬を受託する場合は施行規則49条認定は不要です。
- Q施行規則第49条業者にフロン類を引渡した場合、再生証明書・破壊証明書は交付・回付されるか。
- A
法令上は施行規則第49条に基づき、都道府県知事から認定を受けた業者にフロン類を引渡した場合は、再生業者・破壊業者に証明書の交付義務はありません。
しかし、管理者の所有する機器由来のフロン類が、どのような処理がなされたのかを認識していただく観点から、何らかの証明書を交付することが望ましいです。
(運用の手引き(破壊業者編)又は(再生業者編))
https://www.env.go.jp/earth/furon/files/r03_tebiki_saisei_rev2.pdf
https://www.env.go.jp/earth/furon/files/r03_tebiki_hakai_rev8.pdf
第一種フロン類再生業者の許可を要しない場合
- Q充塡回収業者が回収・再生した冷媒は他の機器に充塡や販売はできるのか。
- A
下記基準①〜③に全て適合した場合のみ第一種フロン類充塡回収業者が回収・再生したフロン類の再利用が可能です(法第50条、施行規則第54条)。
ただし、他者への転売に関しては、②の基準より行うことはできません。
①使用及び管理の状況について把握している第一種特定製品から自らが回収するフロン類又は自らが回収するフロン類について、分析機器を使用すること等により、その性状を十分に把握して、問題ないことを確認した上で再生を行っていること。
②再生したフロン類を自ら冷媒として充塡の用に供する目的で再生すること(すなわち、他者への転売はできません。)。
③施行規則第54条第2項の要件を満たすフロン類の再生の用に供する設備の適正な使用により適正な再生を行うこと。
- Q回収したフロン類を法第50条第1項ただし書の規定により自ら再生し、当該機器に充塡した場合、充塡証明書への記載はどうするのか。
- A
充塡証明書には、自ら再生した量を含め、機器に実際に充塡した全量を記載してください。
充塡・回収の基準
- Q第一種フロン類充塡回収業者がフロン類の充塡に先立つ確認を行った場合は、確認方法、その結果や修理の必要性等について管理者及び整備者に通知することとなっているが、これは口頭でよいか。
- A
口頭で構わないですが、図面や文章を用いてわかりやすく説明していただくことが望ましいです。
- Q種類の異なるフロン類を1本のボンベに混合して回収してもよいか。
- A
フロン排出抑制法上特段の定めはありませんが、高圧ガス保安法第48条第4項では、ボンベに充塡できるガスは、容器に表示された種類のガスしか認められておりません。
高圧ガス保安法上、ボンベに充塡することのできるガスの質量は、ボンベの内容積に応じてガスの種類ごとに上限が計算されます。ガスを混合してしまうとこの上限値の計算が適切にできなくなってしまい、ボンベの破裂などの事故につながるおそれがあるため、異なるガスを1本のボンベに充塡することは禁止されています。
運搬の基準
- Q回収業者から委託を受けて、破壊業者にフロン類を運搬する場合、登録は必要か。
- A
フロン類を運搬するために特段、登録は必要ありません。ただし、フロン類の運搬に関する基準(規則第50条)や高圧ガス保安法第23条を遵守しなければなりません。
知見を有する者
- Q充塡の基準において、「フロン類の性状及びフロン類の充塡方法について、十分な知見を有する者が、フロン類の充塡を自ら行い又はフロン類の充塡に立ち会うこと。」とされているが、具体的にはどのような要件となるのか。
- A
第一種特定製品へのフロン類の充塡は、充塡に先立つ機器の漏えい状況の確認等、法令で定められた方法に従って行う必要があります。そのため、充塡を行おうとする者は、基準に沿った充塡方法に関する知識を有している必要があります。
詳細は別紙3(運用の手引き(充塡回収業者編)の抜粋)を参照してください。
- Q十分な知見を有する者とは、「資格者」のことを指すのか。
- A
- Q別紙3において、資格や実務経験だけではなく講習の受講についても言及されているが、具体的にどのような講習が想定されているのか。
- A
現時点(令和6年6月)で環境省・経済産業省が内容を確認した講習は6件です。
詳しくは、下記サイトをご確認ください。https://www.env.go.jp/earth/ozone/cfc/law/kaisei_h27/koushuu.html
- Q知見を有しても充塡回収業の登録を行っていないと充塡・回収はできないのか。
- A
充塡・回収を業として行う場合は、第一種フロン類充塡回収業者として都道府県の登録を受ける必要があります。
帳簿の記録
- Q充塡回収業者が再生した冷媒を、自ら再利用する場合は記録を残す必要があるか。
- A
充塡回収業者が法第50条第1項のただし書に基づく再生を行った量については、記録を作成し、保存する義務があります。
実績報告
- Q充塡回収業者が、年度途中でフロン類を新規調達し、充塡した場合、様式第3のどの欄に記入するのか。
- A
充塡回収業者・引渡受託者・解体工事元請業者・引取等実施者等に関する運用の手引きP126~127
様式第3の①⑨⑰「充塡した量」に記入してください。
- Q充塡回収業者が、年度途中でフロン類を新規調達し、保管した場合、様式第3のどの欄に記入するのか。
- A
新規調達したフロン類を充塡せず、保管している場合には様式第3には記入しません。
- Q充塡回収業者が、同一県内において、回収したフロン類を法第50条第1項の規定により自ら再生して充塡した場合、様式第3のどの欄に記入するのか。
- A
充塡回収業者・引渡受託者・解体工事元請業者・引取等実施者等に関する運用の手引きP126~127
様式第3の①⑨⑰「充塡した量」に記入するとともに、⑥⑭㉒「法第50条第1項ただし書の規定により自ら再生し、充塡したフロン類の量」に記入してください。
- Q充塡回収業者がフロン類を回収し、法第50条のただし書に基づく再生を行わず、他の機器に充塡する場合、様式第3のどの欄に記入するのか。
- A
上記の行為は認められていません。
- Q前年度に回収したフロン類を当年度に充塡した場合、様式第3のどの欄に記入するのか。
- A
充塡回収業者・引渡受託者・解体工事元請業者・引取等実施者等に関する運用の手引きP126~127
様式第3の③⑪⑲「年度当初に保管していた量」に記入するとともに、⑥⑭㉒「法第50条第1項ただし書の規定により自ら再生し、充塡したフロン類の量」に記入してください。
- Q都道府県Aと都道府県Bの両県で充塡回収業者の登録を受けた充塡回収業者が、都道府県Aで回収したフロン類について、法第50条第1項ただし書の規定により自ら再生した上で都道府県Bで充塡を行った。この場合、法第47条第3項に基づく都道府県知事への年間の実績報告において、「法第50条第1項ただし書の規定により自ら再生し、充塡したフロン類の量」(フロン排出抑制法施行規則様式第3の⑥、⑭、㉒)として報告する必要があるが、A、Bのどちらの都道府県知事宛に行えばよいか。
- A
同一都道府県内でのフロン取扱量の収支に不整合が生じることを避けるため、都道府県Aの知事宛に報告してください。
- Q全国で行っている機器のサービスを本社で受け付け、各都道府県に置かれた支店や特約店が整備やフロン類の回収を行う場合、回収量の報告は本社で一括して行うことはできるか。
- A
回収量の報告は回収業者の義務であるので、登録を受けている回収業者が登録先の都道府県別に報告を行う必要があります。便宜上、本社で一括して集計し、報告書を作成することは可能であるが、都道府県への報告は登録を受けている回収業者が行わなくてはなりません。
- Q下請業者がフロン類の回収を行っている場合、回収量等の報告は元請業者から提出してもよいか。
- A
実際に回収作業を行った下請業者が都道府県知事に報告しなくてはなりません。
- Q回収依頼を受けた回収業者A社が、役務契約を結んでいる回収業者B社の社員に教育訓練を行い、フロン回収を行わせている場合、都道府県知事への回収量等の報告はA社、B社のいずれが行うのか。
- A
B社の社員がA社に派遣され、A社の回収業務を行っている場合はA社が報告を行う必要があります。一方、A社が回収依頼をB社に取り次ぎ、B社が自社の回収業務として行っている場合はB社が報告を行う。この場合、A社は引渡受託者になります。
充塡のやむを得ない場合
- Q冷媒の充塡における、『1回限りの応急的な充塡』の基準は何か。
- A
冷凍機能が維持できずに飲食物等の管理に支障が生じる等の人の健康を損なう事態等、応急的にフロン類を充塡する必要があり、かつ、漏えいを確認した日から60日以内に当該漏えい箇所の修理を行うことが確実なときは、1回に限り充塡することができることとしています。
充塡前の修理
- Q冷媒系統中にメカニカルシールを利用しており、製品の機能上冷媒系統を密閉にすることができない第一種特定製品について、冷媒フロン類の漏えい又は機器の故障が確認された場合、「修理せずに充塡してはならない」という規定はどのように適用されるのか。
- A
リークディテクターや発泡液等により漏えいの可能性のある箇所を全て検査し、また、必要に応じて、メカニカルシールやパッキン等を交換(修理)することで、通常使用時の水準まで漏えい防止措置が講じられたことが確認されていれば、管理者判断基準第三にいう「点検」及び「修理」を行ったと判断できるため、再度充塡することは可能です。
その他
- Q充塡回収業者が回収したフロン類を管理者が保管しておいて、他の機器の整備時に充塡することは可能か。
- A
充塡回収業者が回収したフロン類は、原則としてフロン類破壊業者かフロン類再生業者に引渡す必要があります。回収したフロン類を再生し他の機器に充塡できるのは、法第50条ただし書に基づき、第一種フロン類充塡回収業者が自ら再生したフロン類を自ら充塡する場合だけです。充塡回収業者が回収したフロン類を管理者に引渡すことは違法です。
- Q充塡回収業者のリストは公表されているか。
- A
第一種フロン類回収業者として都道府県知事の登録を受けた者については、各都道府県のホームページにおいて公表されています。
情報処理センター
利用方法
- Q情報処理センターへの利用登録は、管理者側が登録するのではなく、充塡回収業者側が登録する必要があるか
- A
情報処理センターである(一財)日本冷媒・環境保全機構のシステム(以下RaMS)においては、管理者、充塡回収業者双方の登録が必要です。
(詳細はRaMS: https://www.jreco.jp/)
- Q管理者と充塡回収業者の間で、情報処理センターの活用について意向が異なる場合、どう対応したらよいか。
- A
充塡回収業者は管理者の承諾を得て、情報処理センターに登録した場合は、証明書の交付を免除されると定めており、情報処理センターの利用は強制ではありません。充塡回収業者と管理者が情報処理センターの使用に関して、互いの合意の上で使用することになるため、事業者間でご相談ください。
- Q情報処理センターを利用すれば、算定漏えい量まで計算して、必要な場合は国への報告も行ってもらえるか。
- A
情報処理センターである(一財)日本冷媒・環境保全機構のRaMSにおいては、情報処理センターを活用し、充塡量及び回収量に関するデータの管理と、算定漏えい量の計算はできますが、そのままでは国への報告は行えません。
ただし、RaMSより、法定様式第1表(特定漏えい者のフロン類算定漏えい量)としてPDF形式で出力できますので印刷してその他の必要な法定様式と合わせて国に報告することができます。また、国から提供される報告書作成支援ツールと連携可能です。さらに、この報告書作成支援ツールによって作成された報告データは、電子的に国に報告することが可能です。
- Q情報処理センターを利用するにあたっては、費用は発生するのか。
- A
情報処理センターである(一財)日本冷媒・環境保全機構のRaMSは、利用登録(事業所登録)や登録データの出力・閲覧・集計は無料ですが、充塡回収業者が充填量・回収量を登録する都度、機器一台ごとに料金の支払いが発生します。
詳細は、(一財)日本冷媒・環境保全機構へお問い合わせください。((一財)日本冷媒・環境保全機構HP_FAQ_Q4.利用料金について)
https://www.jreco.jp/public/assets/file/faq.pdf
特定解体工事時の事前確認
特定解体工事の定義
- Qフロン排出抑制法では「全部又は一部を解体する工事」は工事の規模による裾切りがないとされているが、建設リサイクル法に基づく事前説明が不要な場合にも、フロン排出抑制法に基づく事前確認や書面による説明は必要か。
- A
建設リサイクル法では床面積80㎡以上の建築物の解体工事等を同法の対象工事としています。しかし、フロン排出抑制法では建設リサイクル法の対象とならない床面積80㎡以下の小規模工事であっても、「特定解体工事」として同法の対象としており、事前説明が必要です。
- Q壁紙の張り替えのような場合でも事前確認や書面による説明が必要か。
- A
フロン排出抑制法で事前確認や書面による説明が必要となる工事は、建築物その他の工作物の全部又は一部を解体する建設工事(解体工事)とされており、ここでいう解体工事とは、
①建築物の場合 建築物のうち、建築基準法施行令第1条第3号に定める構造耐力上主要な部分の全部又は一部を取り壊す工事
②建築物以外の工作物の場合 建築物以外の工作物の全部又は一部を取り壊す工事
を指しており、壁紙の張り替えのような工事はこれらに該当せず、事前確認や書面による説明は必要ありません。
ただし、工事に伴い第一種特定製品の一時的な移設や冷媒管に影響を与えうる工事等を行う場合には、事前確認や書面による説明を行うことが望ましいものと考えます。
また、建築物の一部を取り壊す工事の場合には、当該取り壊しの範囲について事前確認や書面による説明が必要になります。
- Qフロン排出抑制法第42条の確認や説明の対象とならない「第一種特定製品が設置されていないことが明らかな建築物その他の工作物」とは具体的にはどのようなものを指すのか。
- A
建築物としては東屋、工作物としては鉄塔、煙突、橋梁等が想定されます。
つまり建築物の態様により判断するものです。そのため、発注者から解体工事の対象となる建築物に設置された第一種特定製品についての引取証明書の提示を受けた場合などを含むものではありません。
確認の方法
- Q特定解体工事元請業者が行う事前確認において、機器の設置現場を見ないで、建築物の図面のみで確認した場合でも第一種特定製品の設置の有無を確認したとなるか。
- A
フロン排出抑制法では機器設置の確認方法までは規定されておらず、どのような確認方法をとるかは業者に任されています。
ただし、冷凍空調機器の設置状況がわからない図面や現状と異なる古い図面を使用したため確認結果に誤りがあった場合など、不適切と判断される確認や説明が行われたと判断される場合は、フロン排出抑制法第48条に基づき、都道府県知事による指導・助言の対象となります。
説明の方法
- Q特定解体工事元請業者が行う事前確認や書面による説明を第一種フロン類充塡回収業者や解体工事の下請業者等に依頼してもよいか。
- A
事前確認と書面による説明は特定解体工事元請業者の義務となっており、充塡回収業者等に依頼することはできません。
特定解体工事元請業者自らが特定製品の設置の有無を確認し、書面(事前確認書)を作成し、工事発注者に説明することが必要です。
なお、確認作業において特定製品に関し知見を有する充塡回収業者が同行し協力を得ることは、確実にフロン類を回収する上で望ましいと考えられます。
- Q法第42条に規定されている特定解体工事元請業者から工事発注者への説明はいつ行えばよいか。
- A
解体工事元請業者から工事発注者への説明は解体工事の契約の前に行うこととなっています。
なぜならば、法律上、解体工事を発注しようとする者(工事発注者)から解体工事を請け負おうとする建設業者(解体工事元請業者)が第一種特定製品の設置の有無を確認し、その結果を工事発注者に説明することとなっているからです。
なお、この説明の後、回収業者にフロン類の回収を依頼して、回収を終えるまでに一連の手続や作業が続き、これらに時間を要することや、限られた工期内で解体工事を行わなくてはならないといった実態を踏まえると、解体工事元請業者は、解体工事の発注について打診を受ければ、なるべく早期に事前確認を行い、工事発注者に説明することが望ましいと考えられます。
また、誤ってフロン類が入った機器を撤去して、配管からフロン類を放出してしまうような事故を防ぐ上でも、なるべく早く確認・説明し、フロン類の回収が行われることが望ましいと考えられます。
なお、建築リサイクル法の対象工事の場合には、同法第12条に基づく事前説明と同時に確認・説明を行えば効率的に手続が進められます。
書面の保存
- Q事前確認書は保存する必要があるのか。
- A
2020年4月1日以降に交付された、法第42条第1項に基づく書面(以下「事前確認書」という。)は、法律上、工事発注者、特定解体工事元請業者ともに交付を受けた又は交付を行った日から3年間保存の義務があります。
様式
- Q事前確認書は所定の様式が定められているのか。
- A
事前確認書の様式は定められていませんが、記載すべき事項は、特定解体工事元請業者が特定解体工事発注者に交付する書面の記載事項等に関する省令(平成18年経済産業省・国土交通省・環境省令第3号)第2条で規定されており、ここに規定されている全ての事項を記入するのであれば様式は自由に作成して構いません。
なお、参考となる様式は環境省のホームページ(https://www.env.go.jp/earth/earth/24_00001.html)からダウンロードできます。
機器の廃棄
回収依頼書等の交付
- Q法律で定められた回収依頼書、委託確認書等はいつまでに交付しなければならないのか。
- A
廃棄等実施者が第一種フロン類充塡回収業者に直接依頼する場合は、フロン類を引渡す(回収が行われる)までに、又は引渡受託者に回収を委託する場合は、委託に係る契約を締結するまでに交付しなければなりません。
使用していない機器の扱い
- Q将来廃棄することが決まっているが、一時的に機器からフロン類を回収する場合、どうしたらいいのか。
- A
行程管理制度に則して管理者は回収依頼書を交付し、第一種フロン類充塡回収業者は引取証明書を交付してください。備考として、廃棄する機器だが一時的に保管している旨を点検記録簿に明記してください。
点検記録簿
- Q第一種特定製品(機器)を譲渡する場合、点検記録簿を引渡すこととされているが、廃棄する場合、点検記録簿を引渡す必要はあるか。
- A
廃棄の際に引渡す必要はありませんが、廃棄等実施者は機器を廃棄後3年間(機器の廃棄等を行い、フロン類の引渡しを完了した日から3年)点検記録簿を保存する必要があります。
証明書の交付
- Q機器の廃棄時にも回収証明書が交付されるのか。
- A
充塡証明書及び回収証明書は機器の整備時にフロン類の充塡及び回収が行われた場合に交付されます。機器の廃棄時のフロン回収については回収証明書は交付されず、引取証明書が交付されます。
- Q第一種特定製品廃棄等実施者が、自ら第一種フロン類充塡回収業者として回収する場合には、引取証明書にどのように記載すればよいのか。
- A
第一種特定製品廃棄等実施者と第一種フロン類充塡回収業者の両方の欄に自らの氏名、住所等を記載してください。
- Qフロンを回収しようとしたら冷媒が全て抜けていた。行程管理制度に則った処理が必要か。
- A
管理者は機器廃棄時に行程管理制度に則して回収依頼書又は委託確認書を交付する義務があります。
充塡回収業者は冷媒が全て抜けていても「回収量ゼロ」と記載して引取証明書を交付してください。
- Q回収依頼書又は委託確認書を交付した後30日(解体工事に伴い委託確認書を交付した場合は90日)を過ぎても回収業者から引取証明書が届かない場合や回収作業に着手できない等の事情により引取証明書が交付できない場合はどのようになるのか。
- A
引取証明書が規定されている日数を過ぎても廃棄等実施者に届かない場合は、廃棄等実施者は都道府県知事にその旨を報告しなければなりません。報告を受けた都道府県ではフロン類の回収が期間内に実施できない理由を確認し、状況に応じた対応をとることとなります。
- QA県の現場でフロン回収を依頼され、A県とB県に登録しているC回収業者が、現場で室外機にポンプダウンし、配管内に残ったガスだけ現場で回収した。C回収業者がポンプダウンした室外機をB県にある自社に持ち帰り、フロンを回収した。その場合、引取証明書の交付方法はどうなるか。
- A
排出抑制の観点からは現場回収が推奨されるが、やむを得ず行う場合は、C回収業者が配管部も含めて引取証明書を発行し、A県又はB県のいずれか一方に充塡回収量を報告する。
どちらの県に報告するかは、C回収業者が回収量の多い・少ない等を勘案して、どちらが主たる回収作業かを判断し、その回収作業を行った場所の県とする。
また、フロン類の引取終了日は主たる回収に係る終了日とする。
適用範囲
- Qビル用マルチエアコン、別置型ショーケース等で、室外機(熱源機)を残したまま室内機のみを交換するような場合は、第一種特定製品の整備あるいは廃棄等のどちらに該当するのか。
- A
室外機を残したまま室内機やショーケース等のみを交換できるような設備において、室内機のみを交換・廃棄する場合は整備に該当します。
ただし、圧縮機を室内機に搭載した空調機器などのように冷媒の保有機構を有する室内機を廃棄する場合には、廃棄等に該当します。
なお、室内機をそのまま残して、室外機のみを交換・廃棄する場合は廃棄等に該当します。
- Q内蔵型の業務用小型冷蔵庫の整備にあたり当該製品の中に入っているユニット(フロン系統)を丸ごと取り替え、新品のユニットを新たに製品に設置することで製品の整備が終了する場合、どのような取扱になるか。
- A
第一種特定製品の一部を取り替える場合は、原則として「第一種特定製品の整備」にあたりますが、業務用小型冷蔵庫のような内蔵型機器について“冷媒系統が完結している冷凍ユニット”の交換を伴う整備の場合は、当該冷凍ユニットの交換を「第一種特定製品の廃棄等」とみなします。
具体的には、元の管理者が廃棄等実施者として、回収依頼書の交付等、行程管理制度に従ってください。
一方、充塡証明書・回収証明書は、整備時に交付されるものであるため、交付されません。
- Q第一種特定製品の納品後、顧客から返品された不良品を廃棄処分する場合、フロン排出抑制法上の廃棄等に該当するか。
- A
顧客から返品された不良品の処分は、フロン排出抑制法上の廃棄等に該当します。そのため、管理者を明確にし廃棄する際には、行程管理制度に従って処分をしてください。
フロン類が充塡されていないことの確認(確認証明書)
- Q法第41条の「フロン類が充塡されていないことの確認」はどのような場合に依頼すればよいのか、機器の廃棄に際して、回収の依頼とどちらを選択すればよいのか。
- A
基本的には、回収依頼書又は委託確認書により、フロン類の回収を行ってください。
法第41条に基づく「フロン類が充塡されていないことの確認」は、例えば、不法投棄から相当の年月が経過し風化が進んだ機器を地方公共団体等が大量に処理するなど、通常の回収依頼等によって処理を行うことが適切でない場合や、機器整備に際してフロン類を回収し、その後充塡することなく機器を廃棄することとした場合など、フロン類が充塡されていないことが明らかな場合といった、例外的なケースにおいて用いることを想定しています。
ただし、外形的にフロン類が充塡されていないと思われても、確認を行った結果フロン類が回収されるといったことも十分に想定されるので、基本的には回収依頼等を行っていただくことが適切と考えられます。
- Q法第41条の確認の作業を行ったところフロン類が回収された場合にはどのような取扱になるか。
- A
確認の依頼をした時点においては、フロン類は回収されないことを前提としており、フロン類が回収された場合において、当該回収されたフロン類の運搬及び再生業者又は破壊業者への引渡しまでを当初契約に含んでいるとは考え難いため、廃棄等実施者は改めて回収依頼書を交付し、回収を行った充塡回収業者は引取証明書を交付する必要があります。
ただし、確認の依頼をした時点において、フロン類が回収された場合についての定めがされ、回収依頼書として必要な事項が記載されている書面が交付されている場合には、単に充塡回収業者が引取証明書を交付することで足りると考えられます。
第一種フロン類引渡受託者
- Q第一種フロン類引渡受託者となるには資格が必要か。
- A
特段、資格は必要ありません。
引取制限
適用範囲
- Q第一種特定製品を破砕処理した金属くずも引取り制限の対象となるのか。
- A
第一種特定製品としての形状・機構を保っているものが対象であって、既に破砕・中間処理等がされた金属くずは引取り制限の対象になりません。
- Q第一種特定製品を中古品として売却する場合は、法第45条の2の引取制限の対象となるのか。
- A
第一種特定製品が中古の業務用冷凍空調機器として売却される場合は、フロン排出抑制法で規定する「第一種特定製品の廃棄等」には該当せず、引取制限の対象外となります。
ただし、点検整備記録簿の譲渡は必要となります。
また、第一種特定製品を冷凍空調機器として本来の用途では使用せず、製品の全部又は一部を原材料や部品その他製品の一部として再利用する者に譲渡又は売却する場合は法第2条第8項第3号に規定する「第一種特定製品の廃棄等」に該当するため、引取制限の対象となり、引取証明書の写し等の交付が必要となります。
- Qフロン回収・破壊法で行程管理制度が整備された平成19年10月以前にフロン類を回収済みの機器がある等、令和2年4月1日以前にフロン回収済みの機器を、令和2年4月以降に廃棄する場合にはどうしたらよいか。
- A
令和元年改正法に基づき、フロン類が充塡されていないことが確認できない機器を廃棄することはできません。
ついては、過去一度回収した際の引取証明書があれば、その写しを引取等実施者に交付し、廃棄する必要があります。
ない場合は、改めて充塡回収業者に回収依頼をして、引取証明書を発行してもらうか(既に一度回収を行っていても、寝込んでいた冷媒が回収されることもあります)、充塡回収業者にフロン類が充塡されていないことの確認証明書を発行してもらい、いずれかの写しを引取等実施者に交付し、廃棄する必要があります。
引取証明書の写しの交付
- Q機器の引取り等に際して、引取証明書の写しに記載された第一種特定製品を複数の廃棄物業者等に引渡す場合、どのようにすればよいか。
- A
引取証明書を必要部数写しを作成し、廃棄物業者等にそれぞれ交付してください。
その際には引取証明書に記載の台数のうち、当該廃棄物業者が引取り等を行う第一種特定製品が何台あるのかを付記することが望ましいです。
- Q廃棄等実施者が引取等実施者に直接引取証明書の写しを交付しなければならないのか。
- A
第一種特定製品の引取等実施者への引渡しを他人に委託する場合として、例えば第一種特定製品の運搬を委託する場合や第一種特定製品を建設廃棄物として処理する場合などが考えられ、その場合には運搬を行う者や解体工事を行う者を経由して引取証明書の写しを交付することが可能です。
- Q室外機100台の廃棄を行う際に、10台ずつ10回に分けて回収作業を行うこととなった。回収作業を終えたものから順に廃棄物処理業者に引渡したいが、100台分について記載された1枚の引取証明書の写しは最後の10台を引渡す際に交付することでよいか。
- A
引取証明書の写しを廃棄物処理業者に交付する場合、最後の10台が引渡されるときで構いませんが、以下のような対応が必要です。
対応内容としては、引取証明書の写しが交付されるまでは、廃棄物処理業者の事業所に運び込まれている機器について、まだ引取り等がなされておらず、管理責任がもともとの廃棄等実施者にあることから、機器が明確に区分され、破砕処理等が行われることなく留め置かれており、不測の事態が起きたときに廃棄等実施者が適切な対処をとれる体制を維持していることが必要です。
最終的に最後の10台が運び込まれて、引取証明書の写しが交付された際に、引取り等が行われることになります。
- Q引取証明書の写しとあるが、原本のコピーしか写しとしては認められないのか。上記以外にも認められるものがある場合、その範囲はどのようなものか。
- A
別紙4に写しとして認められるものと、認められないものを例示しているため、そちらを参考にしてください。
- Q廃棄物の収集・運搬のみを行う業者に第一種特定製品を引渡す際にも引取証明書の写しの交付が必要なのか。
- A
直行の収集・運搬のみを担う業者は第一種特定製品引取等実施者に該当しないため、製品を引渡す際に引取証明書の写しの交付は不要です。
実際に解体その他の処分を行う廃棄物業者が引取等実施者となりますので、積替え保管場所において手解体等を行う者に引渡す場合には、引取等実施者に該当することがあり、その場合には引取証明書の写しの交付が必要です。
行程管理制度
様式
- Q回収依頼書、引取証明書等の作成、交付・回付を電子ファイルや電子メール等を使用して行ってよいか
- A
「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則(令和元年経済産業省・国土交通省・環境省令第3号)」により、法律で定める書面の交付・保存に電子媒体を用いることが可能となっており問題ありません。
- Q回収依頼書、委託確認書、引取証明書等は所定の様式があるのか。
- A
様式に定めはありません。ついては、法定の記載項目が網羅されてあれば、自社の様式を用いていただいて構いません。
記入方法・内容
- Qビル用マルチエアコン、別置型ショーケース等のセパレートタイプ、マルチタイプの業務用冷凍空調機の台数はどのように記載すればよいか。
- A
ビル用マルチエアコン、別置型ショーケース等のセパレートタイプ、マルチタイプの業務用冷凍空調機の場合、室内機の台数にかかわらず、冷媒の保有機構を有する室外機の台数を記載することとなります。
また、コンプレッサーが室内機に搭載されている場合は、当該室内機の台数も記載する台数に数えます。
- Q回収依頼書又は委託確認書により回収作業を行ったものの回収量がゼロであった場合にはどのようにすればよいか。
- A
回収依頼書又は委託確認書の交付を受けて回収作業を行ったものの、その一部又は全部について回収量がゼロであった場合には、充塡回収業者においては従来通り回収した全体の台数を回収台数とし、回収量(回収を行った全ての機器についてゼロであった場合にはゼロ)を引取証明書に記載することで差し支えありません。
なお、回収量がゼロであったものが明確な場合には、回収量がゼロであった台数及びその要因等を可能な限り引取証明書に付記することが望ましいです。
フロン類の再生・破壊
証明書の送付
- Q破壊証明書の発行期限は、フロン類をフロン類破壊業者に引渡してから30日以内に発行する必要があるか。
- A
フロン類破壊業者は、当該フロン類を引渡されてから30日以内ではなく、破壊してから30日以内に第一種フロン類充塡回収業者に送付する必要があります。なお、再生についても同様です。
- Q破壊証明書の作成、交付・回付を電子ファイルや電子メール等を使用して行ってよいか。
- A
関係省令(※)によって法律で定める書面の交付・保存に電子媒体を用いることが可能となっており、問題ありません。なお、再生についても同様です。
※フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則(令和元年経済産業省・国土交通省・環境省令第3号)
- Q再生証明書、破壊証明書はボンベごとに1枚発行すればよいのか。
- A
複数の管理者から引取ったフロン類を一つのボンベで再生業者又は破壊業者に引渡す場合には、再生証明書又は破壊証明書の送付・回付等の際に以下のどちらかの対応とするよう、充塡回収業者と再生業者又は破壊業者の間で事前に調整しておくことが必要です。
①再生業者又は破壊業者が送付する再生証明書又は破壊証明書はボンベごとに1枚とし、送付を受けた充塡回収業者が回付する複数の管理者分をコピーし管理者に回付します。(この場合、コピーには再生証明書又は破壊証明書の原本のコピーである旨記載することが望ましいです。)
②再生業者又は破壊業者が送付する再生証明書又は破壊証明書は複数の管理者分を充塡回収業者に送付し、送付を受けた充塡回収業者はそれぞれの管理者に原本を回付します。(この場合、予め充塡回収業者から再生業者又は破壊業者に対し管理者の氏名等の情報が提供され、その情報が各々の証明書に記載の上送付されることで、充塡回収業者による迅速な回付が期待されます。)
上記①及び②の回付の際は、いつ行った回収に係る再生・破壊証明書なのかわかるよう必要な情報を併せて示すことが望ましいです。
回収量との差異
- Q第一種フロン類充塡回収業者からフロン類破壊業者に破壊を依頼した場合、回収証明書に記載の量と破壊証明書に記載の量とに差が生じる場合があるが、問題ないか。
- A
回収したフロン類には機械油等が含まれているため、回収量と破壊量が一致しないこともあると考えています。
証明書の保管
- Q破壊証明書は第一種フロン類充塡回収業者が破壊業者から受け、第一種特定製品の管理者に回付することになっているが、破壊証明書の保管は管理者の義務か。
- A
管理者には、破壊証明書の保管義務はありません(再生証明書も同様に保管義務はありません)。
特定製品製造業者等
表示義務
- Q「第一種特定製品」に分類される、日本国内で生産された製品を海外に輸出する場合、製品にフロン排出抑制法により定められた表示をする必要があるか。
- A
海外に輸出する第一種特定製品についてはフロン排出抑制法に基づく表示は不要ですが、国内市場に流通し、国内で使用される可能性が残る場合には、表示を行うことが望ましいです。
- Q建設機械や農業機械に搭載されたエアコンの法律第87条に規定する表示義務者は誰になるのか。
- A
表示事項は、管理者及び充てん回収業者が見やすい場所に容易に消滅しない方法で表示される必要があることから、最終製品の製造業者等が表示を行うことが適当です。
建設機械や農業機械(以下、「建機等」という)に搭載されるエアコンは、最終製品の設備システムの一部であり、最終製品と一体的に組み立てを行っていることから、建機等の製造業者等が表示義務者となります。
なお、建機等に搭載されるエアコンへの表示を妨げるものではありません。
- Qエアラインが、法第14条及び第87条の規定に基づき、海外メーカーから購入した航空機に設置されている第一種特定製品にラベルを貼付するためには、航空法上メーカーの許可を前提とした整備規程が必要になるが、海外メーカーから許可が得られない場合どのように対応すればよいか。
- A
制度上、表示義務は、製造事業者等が管理者(ユーザー)に対し、製品選択する上での情報を提供することを目的としたものですが、質問のような場合には、エアラインは業態上、輸入製品の管理者となるため、制度上の目的からラベルの貼付は求めません。
- Q機器を製造工場から出荷する際のフロン類の充塡に加え、現場設置時に追加充塡がある場合、機器銘板への表示はどのように対応すればよいか。
- A
第一種特定製品への表示義務については、当該特定製品を販売するときまでに充塡されていたフロン類の数量を表示してください。(販売時点が、工場出荷時であれば、工場出荷時の充塡量)
また、販売時の表示に記載されていない、例えば、現場設置時の追加充塡量がある場合には、点検記録簿の初期充塡量として記載してください。
別途、出荷後の追加充塡量を機器に表示いただく必要はありません。