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例題9 R407C用の円筒胴圧力容器

   

問題下記仕様の鋼板がある。この鋼板を用いて、屋外に設置して凝縮温度50℃で運転されるR407C用高圧受液器を設計したい。この高圧受液器について、設計可能な最大の円筒胴の外径\( D_{o}(mm)\) を計算式を示して整数値で求めよ。  ただし、溶接継手の効率は0.70、R407Cを冷媒とする冷凍装置の凝縮温度50℃ における高圧部設計圧力は2.11 Mpa とする。
 また、この円筒銅に、溶接継手のない半球形鏡板を取り付け、この鏡板の内面に設計圧力2.11 Mpa が作用した場合、半球面の接線方向に誘起される引張応力 \(σ_{t}(N/mm^{2})\) を計算式を示して、小数点以下1桁まで求めよ。円筒銅と鏡板は外径寸法\( D_{o}(mm)\) を同一とする。

仕様;
使用鋼板
円筒胴に使用する鋼板の厚さ
鏡板に使用する鋼板の厚さ


SM400B

\(t_{a1}=7 ㎜\)
\(t_{a2}=7 ㎜\)

 


解答
(1) 設計可能な最大の円筒胴の外径 Do(mm) を計算式を示して整数値で求めよ

腐れしろ\(α\)  :  屋外設置なので、\(α\) = 1 とする。
許容引張応力\(σ_{a}\)  :   SM400B なので、\(σ_{a}\)=100 \(N/mm^{2}\) 
溶接効率\(η\)  :  \(η = 0.70\)
円筒胴板厚 : \(t_{a1}=7 ㎜\)
設計圧力\(P\)  :  \(P=2.11 MPa\)

外径\(D_{o}\) は、\(D_{o}=D_{i} + 2t_{a1}\)だから\(D_{i}\)を求めればよい
公式 \(\large{P=\frac{2σ_{a}η(t_{a1}-α)}{D_{i}+1.2(t_{a1}-α})}\)
を変形すると
\(\large{D_{i}=\frac{(2σ_{a}η-1.2P)(t_{a1}-α)}{P}}\)
この式に数値を代入すると
\(\large{D_{i}=\frac{(2σ_{a}η-1.2P)(t_{a1}-α)}{P}=\frac{(2*100×0.7-1.2*2.11)(7-1)}{2.11}=\frac{824.808}{2.11}}\)=390.90426≒390

外径\(D_{o}\) は、\(D_{o}=D_{i} + 2t_{a1}=390+2×7=404mm\)

(2)半球面の接線方向に誘起される引張応力 \(σ_{t}(N/mm^{2})\) を計算式を示して、小数点以下1桁まで求めよ

腐れしろ: \(α=1 mm\)
半球形形状に関する係数 W = 1
鏡板 : 溶接継手がないので\(η=1\)
鏡板の鋼板の厚さ  : \(t_{a2}=7 mm\)

半球形鏡板の接線方向の引張応力 \(σ_{t}\) を求める公式
\(R\)  :  鏡板の半径
\(σ_{t}=\large{\frac{PRW}{2t_{a2}}}\)である
鏡板の半径R を求めると
\(R=\large{\frac{D_{o}-2t_{a2}}{2}}=\large{\frac{404-2×7}{2}}\)=195mm

よって \(σ_{t}=\large{\frac{PRW}{2t_{a2}}}=\large{\frac{2.11*195*1}{2*7}}\)=29.38925≒29.4N/mm2