p-h線図例題17 液噴射弁付き容量制御冷凍装置

   

問題】下図に示すR410A冷凍装置は、過熱度の大きい圧縮機吸込み蒸気に凝縮器出口冷媒液の一部を噴射することで、圧縮機吸込み蒸気の過熱度を小さくして容量制御を行っており、下記の条件で運転するものとする。 凝縮器出口の冷媒循環量の10%を噴射して容量制御を行っている。
ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐き出しガスに熱として加わるものとする。また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする

【冷凍サイクルの運転条件】
圧縮機の冷媒循環量\(q_{mr}\)=0.50 kg/sec
圧縮機の断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー\(h_{2}\)=470  kJ/㎏
膨張弁および液噴射弁の直前の液の比エンタルピー\(h_{3}\)=242 kJ/㎏
蒸発器出口蒸気の比エンタルピー\(h_{5}\)=440 kJ/㎏
圧縮機の断熱効率\(η_{c}\)=0.70 
圧縮機の機械効率\(η_{m}\)=0.85 

 

1.この冷凍装置の冷凍能力\(Φ_{o}\)(kW)を求めよ。

2.圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー\(h_{1}\)(kJ/kg)を求めよ

3.この冷凍装置の実際の成績係数(COP)Rを求めよ


【解答】

1.この冷凍装置の冷凍能力\(Φ_{o}\)(kW)を求めよ。

この冷凍装置の問題図に冷媒循環量の流れを追記した図は下記の通り

\(Φ_{o}=0.9・q_{mr}・(h_{5}-h_{4})\) ただし、\(h_{4}=h_{3}\)だから

\(Φ_{o}=0.9・q_{mr}・(h_{5}-h_{3})=0.9・0.5・(440-242)=89.1\)kW

この問題の解説は次の「上級冷凍受験テキスト」を参考にしました

2.圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー\(h_{1}\)(kJ/kg)を求めよ

点Aでの熱収支を考える。

\(q_{mr}・h_{1}=0.1・q_{mr}・h_{6}+0.9・q_{mr}・h_{5}\)
変形して
\(h_{1}=0.1・h_{6}+0.9・h_{5}\)
\(h_{3}=h_{6}\)だから
\(h_{1}=0.1・h_{3}+0.9・h_{5}=0.1・242+0.9・440=420.2≒420\)kJ/kg

3.この冷凍装置の実際の成績係数(COP)Rを求めよ

一般的に成績係数は次のようになる

\((COP)R=\frac{\Large{Φ_{o}}}{\Large{P}}\)

ここで、\(Φ_{o}\)は問1解答より89.1kW、だから圧縮機軸動力\(P\)を求めれば良い

\(p=q_{mr}・(h’_{2}-h_{1})\) となり、\(h’_{2}\)を次に求める、ただし問2より\(h_{1}=420\)

\(h’_{2}=h_{1}+\frac{\Large{h_{2}-h_{1}}}{\Large{η_{c}η_{m}}}≒504\)

\((COP)R=\frac{\Large{Φ_{o}}}{\Large{P}}=\frac{\Large{Φ_{o}}}{\Large{q_{mr}・(h’_{2}-h_{1})}}=\frac{\Large{89.1}}{\Large{0.5・(504-420)}}=2.1214≒2.12\)

以上で終わり、お疲れさま

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