【問題】R404Aを用いた冷蔵庫用のフインコイル乾式蒸発器が、着霜のない状態で次の仕様および運転条件で運転されている。
ただし、蒸発器出口における冷媒の状態は乾き飽和蒸気とし、冷媒と空気との聞の温度差は算術平均温度差を用い、フインコイル材の熱伝導抵抗は無視できるものとする。
【冷凍サイクルの運転条件】 | |
有効内外伝熱面積比 | m=20 |
冷媒流量 | \(q_{mr}\)=0.11 kg/sec |
冷媒蒸発温度 | \(t_{o}\)=-15℃ |
蒸発器入口冷媒の乾き度 | \(x\)=0.42 |
冷媒蒸発温度における冷媒の比エンタルピー | |
飽和液 | \(h_{B}\)=180 kJ/㎏ |
乾き飽和蒸気 | \(h_{A}\)=358 kJ/㎏ |
空気側平均熱通過率 | \(α_{a}\)=0.045 kW/(m2・K) |
冷媒側平均熱通過率 | \(α_{r}\)=3.6 kW/(m2・K) |
入口空気温度 | \(t_{a1}\)=-5 ℃ |
出口空気温度 | \(t_{a2}\)=-10 ℃ |
1.冷凍能力\(Φ_{o}\)(kW) は?
2.着霜のない状態における蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K [kW/(m2・K)] は?
3.着霜のない状態における蒸発器の空気側伝熱面積A(m2) は?
4.着霜した場合の蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K'[kW/(m2・K)] は?
ただし、霜の熱伝導率\(λ\)は0.18W/(m・K) とし、霜の厚さ\(δ\)は3.0mmとし、それ以外の条件は変わらないものとする。
この問題の解説は次の「上級冷凍受験テキスト」を参考にしました
まず、熱通過率に関する基本は別ページ熱伝導についてをご覧ください。よくご存じの方は次に進んでください。
いつものように、p-h線図を次のように書く
1.冷凍能力\(Φ_{o}\)(kW) は?
冷凍能力を求める基本式は
ここで不明なのは\(h_{4}\)であるが、これは乾き度から次のように計算する
変形して
2.着霜のない状態における蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K [kW/(m2・K)] は?
別ページ熱伝導についてに記載の通り
今回の場合は着霜のない状態で、伝熱面積が内外で変わるため次のようになる。
3.着霜のない状態における蒸発器の空気側伝熱面積A(m2) は?
蒸発器入口。出口での温度変化を図に示すと下のようになる、ここで\(Δt_{m}\)は今回は算術平均温度差をとる。
冷凍能力、熱通過率、伝熱面積、温度変化の基本関係式は次の通り、
$$Φ_{o}=K・A・Δt_{m}$$
不明な\(Δt_{m}\)は
4.着霜した場合の蒸発器の外表面積基準の平均熱通過率K'[kW/(m2・K)] は?
ただし、霜の熱伝導率λは0.18W/(m・K) とし、霜の厚さ\(δ\)は3.0mmとし、それ以外の条件は変わらないものとする。
別ページ熱伝導についてに記載の通り
今回は壁を霜と見なして進めると
ここで、単位をm、kWに統一すると