環境省主催で2023年11月に開催されたフロン排出抑制法の説明会における資料の概要です。本編は建物解体業者、廃棄物・リサイクル業者を対象とした資料です
1.フロンを取り巻く動向
1.1 フロン類とは
●フロン類は、燃えにくい、化学的に安定、人体に毒性がない、液化しやすいといった利点を持つ化学物質であり、エアコンや冷凍冷蔵機器の冷媒や断熱材の発泡剤などに広く活用されてきた。
● フロン類には、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)の3種類がある。
1.2 フロン類の環境影響
●特定フロン(CFC、HCFC)は、有害な紫外線を吸収し地球上の生物を守っているオゾン層を破壊する。特定フロンの削減に向けた国際的な取組の継続により、南極のオゾンホールについては、1990年代後半以降、長期的な拡大傾向はみられなくなり、また、2066年頃には1980年レベルに戻ると予測されているものの、オゾン層のより早期の回復や特定フロンによる地球温暖化防止の観点から、引き続き排出抑制が必要。
●代替フロン(HFC)は、オゾン層を破壊しないものの、二酸化炭素の数十倍から10,000倍以上の大きな温室効果を持つ。地球温暖化対策上も、代替フロンを含むフロン類の排出抑制が喫緊の課題。
※出所)世界気象機関(WMO)/国連環境計画(UNEP)オゾン層破壊の科学アセスメント:2022
1.3 国際的なフロン対策 モントリオール議定書
● 国際的な取組として、モントリオール議定書により特定フロンを抑制、オゾン層を保護してきました。
● 2016年には、地球温暖化の防止に貢献するキガリ改正が採択されました。
1.4 モントリオール議定書キガリ改正のポイントと国の取組み
● 2016年10月、ルワンダのキガリにて議定書が改正され、日本も2018年12月にキガリ改正を受諾し、2019年1月1日から代替フロンの製造、輸入規制を開始。今後、国全体の代替フロン生産量、消費量それぞれの限度が、段階的に切り下げられていくこととなる。
● 特に厳しくなる2029年以降の削減義務(2,145万CO2ーt)を達成すべく、グリーン冷媒及びそれを活用した製品の開発・導入を計画的に推進する。
● グリーン冷媒技術を世界に先駆けて開発し、その成果を他国に波及させていくことにより、世界全体のフロン対策に貢献していく予定。
1.5 フロン類対策の方向性
◼ オゾン層保護のため、オゾン層を破壊する「特定フロン」からオゾン層を破壊しない「代替フロン」に転換を実施。
◼ 今後、高い温室効果を持つ「代替フロン」から、温室効果の小さい「グリーン冷媒」への転換が必要。
◼ 現に利用している機器からの排出の抑制も重要。
※フロン分野の排出推計においては、現状の対策を継続した場合の推計を示す。
1.6 代替フロンの排出量
◼ HFCsの排出量は、我が国の温室効果ガス排出量全体の4.6%を占める(2021年度確報値)。
近年増加傾向にあり、2021年の排出量は、2013年比70.6%増加した。
◼ 特に、エアコン等の冷媒用途における排出量が急増しており、全体の9割以上を占めている。この多くはオゾン層破壊物質であるHCFCsからの代替に伴うものである。
<出典> 環境省報道発表資料 「2021年度(令和3年度)の温室効果ガス排出・吸収量(確報値)について」
1.7 地球温暖化対策計画(R3.10閣議決定)における代替フロンの対策・施策
<2030年度目標値>(温室効果ガス排出量)
前地球温暖化対策計画 (平成28年5月閣議決定) | 現行地球温暖化対策計画 (令和3年10月閣議決定) | |
ハイドロフルオロカーボン (HFCs) | 21.6百万トンCO2 (2013年度比-32.7%) | 14.5百万トンCO2 (2013年度比-55%) |
<地球温暖化対策計画における対策>
フロン類使用製品のノンフロン・低GWP化の推進 • 新たな製品追加や目標値の見直しなど、指定製品制度の積極的な運用 • ユーザーや消費者にも分かりやすいフロン類使用製品等への表示の充実 • 技術開発・技術導入支援、自然冷媒機器普及促進支援等 業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の漏えい防止 • フロン類算定漏えい量報告・公表制度の効果的な運用 • フロン排出抑制法の適切な実施・運用(機器の管理者による点検の実施) • 機器点検へのIoT・デジタル技術の積極的な導入 • 冷媒漏えいの早期発見に向けた機器の維持・管理の技術水準の向上等 冷凍空調機器からのフロン類の回収・適正処理 • フロン排出抑制法、自動車リサイクル法、家電リサイクル法の確実な施行 • フロン排出抑制法における都道府県と連携した回収率の向上(機器廃棄時の確実な回収依頼、充填回収業者による確実な回収の実施等) 産業界の自主的な取組の推進 • 産業界によるHFCs等の排出抑制に係る自主行動計画に基づく取組の促進 |
2. 日本におけるフロン対策
2.1 フロン排出抑制法の概要
●「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(略称:フロン排出抑制法)」では、業務用冷凍空調機器(第一種特定製品)を対象とし、フロン類の製造から使用、廃棄に至るライフサイクル全体の包括的な対策を講じることとしており、関係者それぞれに対策を求めるものとなっている。
2.2 フロン類対策に関する法制度のあゆみ
◼ オゾン層保護法:モントリオール議定書に基づく特定フロン(CFC、HCFC)及び代替フロン(HFC)の生産量・消費量の削減のため、フロンの製造及び輸入の規制措置を講ずる。
代替フロン(HFC)は2016年の議定書の改正(キガリ改正)を受け、2019年から規制対象に追加。
◼ フロン排出抑制法:フロン類の排出抑制を目的として、業務用冷凍空調機器の使用時の管理適正化や廃棄時のフロン回収義務など、フロン類のライフサイクル全般にわたる排出抑制対策を規定している。
◼ 他に、家電リサイクル法、自動車リサイクル法でも規定されている。
2.3 機器廃棄時のフロン回収率
◼ 2001年のフロン回収・破壊法制定に伴い、機器廃棄時のフロン回収が義務化された。
それ以降、機器廃棄時のフロン類回収率は、一定の向上は見られるものの、直近でも4割程度に止まっている。
◼ 地球温暖化対策計画(2021年10月閣議決定)の目標実現に向け、対策強化が不可欠。
フロン類の廃棄時回収率の推移
2.4 機器廃棄時のフロン回収率が低迷している要因・課題
◼ フロン未回収の要因を分析し課題を抽出するため、2018年に、経産省・環境省が共同で、調査・ヒアリングを実施。
◼ この結果、 フロン未回収分(6割強)のうち半分強(3割強)は、機器廃棄時にフロン回収作業が行われなかったことに起因。
◼ 特に、建物解体に伴う機器廃棄においてフロン回収作業が行われなかった場合が多い。
◼ また、廃棄物・リサイクル業者が廃棄された機器を引き取る際に、フロン回収作業がされているかどうかを確認する仕組みがなく、フロンが放出されてしまっている場合あり。
2.5 フロン排出抑制法の改正について
● 機器廃棄時のフロン回収率向上のため、関係者が相互に確認・連携し、ユーザーによる機器の廃棄時のフロン類の回収が確実に行われる仕組みへ。(2020年4月1日施行)
2.6 参考 : 都道府県による立入検査等の実施状況
◼ 都道府県による立入検査及び任意の実地調査の実施件数は年々増加傾向。任意の実地調査は、東京都による解体現場確認(フロンGメン)を中心に4,164件実施(令和3年度)
都道府県による立入検査等の実施状況
3.建設・解体業者の責務
◼ 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(略称:フロン排出抑制法)」では、業務用冷凍空調機器(第一種特定製品)を対象とし、フロン類の製造から使用、廃棄に至るライフサイクル全体の包括的な対策を講じることとしており、関係者それぞれに対策を求めるものとなっている。
3.1 参考 : 「第一種特定製品」とは
◼ 「第一種特定製品」とは、業務用の空調機器(エアコンディショナー)及び冷凍冷蔵機器であって、冷媒としてフロン類が使われているものを指す(第二種特定製品を除く。)。フロン類を回収した後も第一種特定製品として取り扱う必要がある。
◼ 「業務用」とは、製造メーカーが業務用として製造・輸入している機器を指す。
事業活動で使用していても、製造メーカーが家庭用として販売している場合があるため、事前に製造メーカーにお問い合わせいただきたい。
3.2 参考 : 第一種特定製品の例①
◼ 第一種特定製品の設置が想定される場所別の機器種類の例は下表のとおり。
◼ 下表以外にも、冷媒としてフロン類が使われている業務用の冷凍空調機器であれば第一種特定製品に該当。
出典:第一種特定製品の管理者に関する運用の手引き(第3版)
3.3 参考 : 第一種特定製品の例②
◼ 第一種特定製品の設置が想定される場所別の機器種類の例は下表のとおり。
◼ 下表以外にも、冷媒としてフロン類が使われている業務用の冷凍空調機器であれば第一種特定製品に該当。
3.4 機器廃棄時のフロン類引渡し義務、行程管理制度
◼ 第一種特定製品の廃棄又はリサイクル目的の譲渡を行おうとする管理者は、フロン類を第一種フロン類充塡回収業者に引き渡す(回収してもらう)か、フロン類の引渡しを設備業者、建物解体業者等に委託する必要がある。なお、第一種特定製品にフロン類が残存しておらず、フロン類を引き渡すことができない場合は第一種フロン類充塡回収業者による確認を受ける必要がある。
◼ フロン類の管理のため、フロン類の引渡し方法に応じ、行程管理票(回収依頼書、委託確認書、再委託承諾書、引取証明書、確認証明書)の受取、交付、保存を行う必要がある。(行程管理制度)
機器廃棄時等のフロン類の回収
参考 : 行程管理票の例
◼ 書面については、施行規則に定められた事項が含まれていれば、様式は問わない。なお、法令で定める事項を満たした書面の様式は、例えば一般財団法人日本冷媒・環境保全機構が発行するものがあるので参考にされたい。
3.5 建設・解体業者の責務
◼ 建設・解体業者には、特定解体工事元請業者として、以下の対応が求められる。 改正点
❶解体する建物において
業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器の有無を事前確認し、その結果を書面で発注者に説明すること。
また、その書面の写しを3年間保存すること。
❷(工事の発注者から充塡回収業者へのフロン類引渡しを受託した場合)フロン類の回収を充塡回収業者に依頼すること。
❸フロン類が回収されていることを確認し、廃棄物・リサイクル業者に機器を引渡すこと。
※引取証明書等によりフロン回収済みであることを確認できない機器の引渡しは違法。
3.6 建物解体時の事前確認
⚫ 建物を解体する際には第一種特定製品が設置されていないことが明らかである場合※を除き、必ず第一種特定製品があるかを事前に確認する。
⇒確認した結果は、書面で発注者に説明する必要がある。
⇒書面は工事発注者(原本)と工事元請業者(写し)がそれぞれ3年間保存する必要がある。
※ 2020年3月までは、解体する建物に設置されている第一種特定製品のフロン類が回収済みの場合、「設置されていないことが明らか」として事前確認は不要とされていた。
2020年4月以降は、改正法の施行に伴い、フロン類回収済みの第一種特定製品しか設置されていない場合であっても事前確認を行う必要があることとなった。
3.7 事前確認書の例
◼ 事前確認書は、「特定解体工事元請業者が特定解体工事発注者に交付する書面の記載事項等に関する省令」で規定された事項が記入されていれば様式は問わない。なお、参考様式は環境省ホームページからダウンロード可能。
(出典:環境省ホームページ https://www.env.go.jp/earth/earth/24_00001.html)
3.8 特定解体工事時の事前確認について
◼ 本規定の対象は、建築物その他の工作物の全部又は一部を解体する建設工事(解体工事)とされており、ここでいう解体工事とは、以下を指す。
① 建築物の場合建築物のうち、建築基準法施行令第1条第3号に定める構造耐力上主要な部分の全部又は一部を取り壊す工事
② 建築物以外の工作物の場合建築物以外の工作物の全部又は一部を取り壊す工事
◼ また、「第一種特定製品が設置されていないことが明らかなもの」は、本規定は適用されない。例えば、解体対象が「東屋」のような場合や、鉄塔、煙突、橋梁等の工作物の場合が想定される。
◼ なお、発注者から既にフロン類を回収した「引取証明書」又はその写しを提示された場合であっても、当該引取証明書又はその写しにおいて回収済みとされる第一種特定製品の台数と、実際に解体現場に設置されている第一種特定製品の台数との突合が最低限必要であること等に鑑み、本規定の適用対象となり、設置の有無についての確認や書面による説明が必要となる。
3.9 建物を解体する際の流れ
◼ 機器がある場合 改正点
(1)第一種特定製品があり、フロン類が回収済みの場合
- 工事元請業者が、フロン類を回収済みの第一種特定製品の処分を委託する場合、工事発注者からフロン類が回収済みであることを示す「引取証明書」の写しをもらうこと。
- 廃棄物・リサイクル業者に引取証明書の写しを添えて機器を引き渡すこと。
※引取証明書の写しがないと、その機器のフロン類が回収済みであることを証明できないため、機器を引渡しできない。
(2)第一種特定製品があり、フロン類が未回収の場合
◼ 発注者から、フロン類が未回収の機器の処分を依頼された場合、以下の2種類の方法がある。
A) 自分でフロン類の回収を委託
- 工事の発注者から委託確認書の交付を受け、フロン類の回収を充塡回収業者に依頼する。
- 充塡回収業者から引取証明書の写しをもらい、3年間保存。
廃棄物・リサイクル業者に廃棄する機器を引き渡すときには、引取証明書の写しを渡す。
B) 発注者にフロン類の回収の委託を依頼
- 工事の発注者に対し、発注者自ら(もしくは第三者に委託して)フロン類の回収を充塡回収業者に依頼するよう伝えること。
- その後は (1) と同様、工事発注者から引取証明書の写しの交付を受け、廃棄物・リサイクル業者に機器とともに渡す。
A)B)いずれの場合でも、引取証明書の写しがないと、廃棄する機器を引渡しできない
◼ 機器がなかった場合 改正点
- 解体する建物に第一種特定製品がなかった場合でも、「機器がなかった」という結果を事前確認書面に記入し、発注者に対して書面で説明する必要がある。
- また、説明した事前確認書面の写しは3年間保存する必要がある。
3.10 罰則規定(建物解体業者)
改正点
- 責務を果たさずフロン類をみだりに放出した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。
- また、特定解体工事元請業者は、都道府県の指導監督(報告徴収・立入検査等)の対象となった。
3.11 参考 : 改正フロン排出抑制法に係る摘発事案
摘発事案①
◼ 八王子市解体工事現場において、エアコンに冷媒として充塡されているフロンを大気中に放出させたなどとして、警視庁は建物解体業者の代表取締役と社員、自動車販売会社の社員の計3名と、法人としての両社をフロン排出抑制法違反の疑いで2021年11月9日に東京地方検察庁立川支部へ書類送致。
◼ 改正フロン排出抑制法施行後の事件化は全国初。
違反内容
(1)自動車販売会社
フロン回収を委託する際に法令で定められた委託確認書を交付しなかった疑い
法第43条第2項違反(委託確認書不交付)
罰則:第105条第2号の規定により30万円以下の罰金
(2)建物解体業者
エアコンに充塡されているフロンガスを回収しないまま重機で取り外し、フロンガスを大気中に放出させた疑い法第86条違反(みだり放出)
罰則:第103条第13号の規定により1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
警視庁と都の連携
警視庁の通報により都が立入検査を実施、リークディテクターによる現認、現場の大気を採取しフロンのみだり放出を確認、事件化
3.12 参考 : 建設・解体業者向けチラシ
出所:環境省ホームページhttps://www.env.go.jp/earth/furon/files/kensetsukaitaileaflet.pdf
3.13 参考 : 建設リサイクル法届出様式
令和3年2月の建設リサイクル法の届出様式改正で新たにフロンの有無について記載する欄が追加された。
建設リサイクル法届出別表2(様式2)(改正後)
4. 廃棄物・リサイクル業者の責務
改正点
⚫ 2019年度の法改正により、廃棄物・リサイクル業者は、フロン類の回収等が確認できない第一種特定製品の引取り等は禁止となった。
※違反して引取り等を行った場合は直罰の対象となる。
⚫ 具体的には、主に以下の場合で引取が可能。廃棄物・リサイクル業者の責務
❶ 引取証明書の写しを受け取った場合
❷ 自らフロン類を回収する場合
❸ 充塡回収業者へのフロン類の引渡しを委託された場合
❹ フロン類が充塡されていないことを示す確認証明書の写しを受け取った場合
4.1 参考「第一種特定製品引取等実施者」について
⚫ フロン排出抑制法の対象となる第一種特定製品引取等実施者とは、廃棄等された第一種特定製品の引取り等を行おうとす
る者を指す。
※ 「引取り等」には、金属資源等としての無償・有償での引取りを含むが、中古品としての引取りは含まない。
⚫ 第一種特定製品について、商習慣上の下取りを行う場合も、第一種特定製品引取等実施者となる。
※ 「商習慣上の下取り」とは、新しい製品を販売する際に商慣習として同種の製品で使用済みのものを無償で引取り、収
集運搬する下取り行為を指す。
フロン類の回収等を確認するための書類の交付時期
⚫ 第一種特定製品引取等実施者は、引取証明書の写しの交付等を受けてからでないと機器を引取ることができない。
⚫ このため、第一種特定製品を廃棄しようとするもの(廃棄等実施者)は、廃棄物・リサイクル業者に機器を引き渡
す際には、引取証明書の写し等を交付する必要がある。
⚫ 交付の手段は、自ら直接書面を交付すること、他人を通じて交付すること、ファクシミリ又は電子メール等により
交付すること等いずれの方式でも可能だが、最終的に機器が廃棄物・リサイクル業者のもとに届いた際に、上記書
類が交付されている必要がある。
4.2 第一種特定製品の引取りが可能なケース(1/2)
❶
引取証明書の写しを受け取った場合
充塡回収業者が交付する「引取証明書」の写しが機器に添えられており、フロン類が回収済みであることを確認できる場合は引取り可能。
引取証明書の写しは、3年間保存する必要がある。
※ 更に別の廃棄物・リサイクル業者に機器の引取りを依頼する場合、引取証明書の写しを回付して引き渡す。
❷
自らフロン類を回収する場合
充塡回収業者登録を行っている場合、自らフロン類の回収の依頼を受けることも可能。このとき、管理者が交付する、フロン類の「回収依頼書」が機器に添えられている必要がある。
※ このとき、フロン類回収後に管理者(廃棄等実施者)に対して「引取証明書」の原本を交付するとともに、引取証明書の写しを3年間保存すること。
4.3 第一種特定製品の引取りが可能なケース(2/2)
❸
充塡回収業者へのフロン類の引渡しを委託された場合
❶❷以外の場合であっても、管理者(廃棄等実施者)から、フロン類の充塡回収業者への引渡しを依頼され、「委託確認書」の交付を受けた場合は引取り可能。
この場合、フロン類の回収を委託した充塡回収業者から「引取証明書」の写しの交付を受ける。
❹
フロン類が充塡されていないことを示す確認証明書の写しを受け取った場合
充塡回収業者が交付する、フロン類がその機器に充塡されていないことを確認する「確認証明書」の写しが機器に添えられており、フロン類が充塡されていないことを確認できる場合は引取り可能。
※ 上記以外では、都道府県知事がやむを得ない場合として認め、都道府県知事が認める者から第一種特定製品の引取りの依頼を受けた場合も引取り可能。
4.4 罰則規定(廃棄物・リサイクル業者)
⚫ フロン類の回収が確認できない機器を引き取った場合、50万円以下の罰金が科せられる。
⚫ また、第一種特定製品を取扱う廃棄物・リサイクル業者は、都道府県の指導監督(報告徴収・立入検査等)の対象となる。
⚫ フロン類をみだりに放出した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。
4.5 参考 : 改正フロン排出抑制法に係る摘発事案②
◼ 東京都町田市の金属買取業者A社が、業務用エアコン内のフロン類が回収されたことを確認せずに機器を引き取り、重機で破壊した結果、フロン類を大気中に放出させたなどとして、2022年11月、警視庁はA社の代表取締役とその社員等計4名をフロン排出抑制法違反の疑いで逮捕。同法違反容疑の逮捕者は全国初。
◼ さらに、当該業務用エアコンを引き渡した者など計4名及び被疑法人2社を書類送致。
金属買取業者A社がフロン類を大気中に放出させる様子
当該業務用エアコン
4.6 参考廃棄物・リサイクル業者向けチラシ
参考 : フロン排出抑制法パンフレット(2023年3月版)
⚫ フロン類とは何か
⚫ フロン排出抑制法の全体像
⚫ フロン排出抑制法の対象となる業務用冷凍空調機器の例
⚫ フロン類製造業者、指定製品製造業者向け対策の充実
⚫ 業務用冷凍空調機器の管理者による冷媒管理の徹底
⚫ フロン類の充填、回収、再生、破壊
⚫ 関係者の役割
⚫ フロン排出抑制法の経緯
⚫ フロン排出抑制法に基づく義務及び罰則一覧
⚫ 照会・通報・相談先
参考資料
◼ 関連ページ
• フロン排出抑制法ポータルサイトhttps://www.env.go.jp/earth/furon/
• 環境省HP > フロン排出抑制法https://www.env.go.jp/earth/earth/24.html
◼ 第一種特定製品の管理者に関する運用の手引き(第3版)
https://www.env.go.jp/earth/furon/files/r03_tebiki_kanri_rev3.pdf
◼ フロン排出抑制法QA集(令和2年3月第6版)
https://www.env.go.jp/earth/furon/faq/index.html
◼ パンフレット、チラシ、説明会資料
https://www.env.go.jp/earth/furon/gaiyo/sanko.html
◼ 関連法令(三段対照表もあり)
https://www.env.go.jp/earth/furon/link/hoki.html
◼ YouTube環境省チャンネル – フロン対策(再生リスト)
フロン排出抑制法の解説動画などを掲載しています。
https://www.youtube.com/playlist?list=PL9Gx55DGS7x54tsPiMnUaIQZn48JNqz0r
お問い合わせ先
◼ 第一種特定製品の管理・廃棄等、充塡回収業に関して
⇒都道府県のフロン排出抑制法担当の窓口
https://www.env.go.jp/earth/furon/contact/index.html
◼ フロン類使用見通し、指定製品制度、再生業・破壊業その他法制度全体に関して
環境省地球環境局 地球温暖化対策課 フロン対策室0570-055-520(平日9:30~18:15)
経済産業省製造産業局 化学物質管理課 オゾン層保護等推進室03-3501-1511(内線:3711)
※ フロン類使用見通しや指定製品制度に関しては経済産業省まで。
◼ フロン類算定漏えい量報告・公表制度に関して
窓口業務を外部に委託しております。
【令和5年度】フロン類算定漏えい量報告・公表制度ヘルプデスク
エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ(株)
TEL: 03-6858-3134(平日9:30~17:30)