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冷媒充てん

銅管及び鋼管配管を組み付け後、以下の手順で配管施工を完成する。

 

5.冷媒充てん

5.1 作業前の確認事項

1) 冷媒の種類

新規設置、移設、整備いずれの場合にも、対象機器で使用する冷媒の種類を確認する。

2) 冷媒充てんツール

チャージングシリンダ、ゲージマニホールド等の充てんツールが、使用する冷媒用のものか確認する。

3) 作業環境

①屋内で充てん作業を行う場合は、冷媒ガスが漏れた場合に酸欠事故につながる恐れがあるので、換気扇を回す、扉を開放するなど換気ができる環境であることを確認する。
②冷媒ガスが火気に触れると有毒ガスが発生するので作業場周辺には火気のないことを確認する。
③安全メガネ、手袋など、保護具を着用する。

 

5.2 充てん方法

5.2.1 HFC冷媒充てん時の制約

最近のHFC冷媒には、単一冷媒、共沸混合冷媒、擬似共沸混合冷媒、非共沸混合冷媒などがあり、各冷媒の組成によって冷媒充てん方法に制約が生じる。

[冷媒充てん方法の制約]

  R407C R410A R404A R507A HFC134a
組成による冷媒仕様

非共沸

混合冷媒

擬似共沸

混合冷媒

擬似共沸

混合冷媒

共沸

混合冷媒

単一冷媒
冷媒充てん方法の制約 液相充てん 液相充てん 液相充てん 液相充てん 気相、液相
ともに可

液相充てんの制約がある冷媒は、気相では組成変化があり、特に非共沸混合冷媒のR407Cは組成変化が大きく、所定の能力が得られなかったり、機器への障害をもたらしたりする可能性があるので、必ず液相で充てんする。(R507Aは共沸混合冷媒なので気相充てんは可能であるが、基本的には液相充てんする)

5.2.2 液相充てんの方法と注意事項

単一冷媒であるR22には冷媒充てん時には冷媒の状態による制約がなかったため、充てん手順は、

①液相の状態で液出口操作弁のサービスポート(高圧側)から封入
②圧縮機を運転し、不足分を気相(蒸気)の状態で吸込み止め弁のサービスポート(低圧側)から封入(圧縮機の液バック運転防止のため、気相で充てんする必要がある)HFC冷媒でも同様で、吸込み側からは気相で充てんしなければならないので、HFC冷媒では、容器(ボンベ)あるいはチャ―ジングシリンダからの冷媒取り出しは液相で行うがバルブ操作で冷媒を絞り気味にし、システム内に吸引する時には蒸気化しているように調整する。
容器からの液相冷媒の取出し方法も容器の仕様により異なるので注意が必要である。

1口バルブ

液冷媒を充てんするには、
倒立させる必要がある

1口バルブ
(サイフォン管付)

立てたまま液冷媒を
充てんできる

2口バルブ
(サイフォン管付)

立てたまま液冷媒、
蒸気冷媒とも充てん可能

その他注意事項

サイフォン管付の容器は、液相で取出せる限界量を確認しておく。
チャージホース内のエアパージは、従来以上に確実に行う。

5.2.3 システム内への冷媒充てん方法

1)パッケージエアコン、ルームエアコンなどの空調機器
(新規設置時、延長配管などで冷媒を追加充てんすることを想定)

注1) 初期充塡量を確認する。
注2) 計量器は電子天秤を準備する。
注3) 冷媒ボンベの重量を測定し記録する。
注4) 使用冷媒に合わせたゲージマニホールドを準備し,接続する。

 

2)ショーケース、プレハブ冷蔵/冷凍設備など低温機器(新規充てんを想定)

 

3)チリングユニット:空冷小型空調機器
(新規設置時、延長配管などで冷媒を追加充てんすることを想定)