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1級電気工事施工管理技士 問11

   

問題
問1,2 問3,4 問5,6 問7,8 問9,10 問11 問12 問13,14 問15,16

問題 11

シリコン太陽電池に関する記述として、最も不適当なものはどれか

シリコン太陽電池は、p 形半導体と n 形半導体を接合した構造となっている
シリコン太陽電池は、半導体の接合部に光が入射したときに起こる光起電力効果を利用している
シリコン太陽電池は、表面温度が高くなると最大出力が低下する温度特性を有している
多結晶シリコン太陽電池は、単結晶シリコン太陽電池に比べて変換効率が高い
解答 d

太陽電池のしくみ

太陽電池は、太陽の光エネルギーを吸収して直接電気に変えるエネルギー変換素子で、シリコンなどの半導体で作られており、この半導体に光が当たると、日射強度に比例して発電します。
「電池」という名前がついていますが、電気をためる機能はありません。

現在最も多く使われている太陽電池は、シリコン系太陽電池です。この太陽電池では、電気的な性質の異なる2種類(p型、n型)の半導体を重ね合わせた構造をしています。
太陽電池に太陽の光が当たると、電子(-)と正孔(+)が発生し、正孔はp型半導体へ、電子はn型半導体側へ引き寄せられます。このため、表面と裏面につけた電極に電球やモータのような負荷をつなぐと電流が流れ出します。

 

変換効率とは

変換効率とは、太陽電池に入射した光のエネルギーのうち電気エネルギーに変換した割合を表す数値で、下記の式で求める。
\(変換効率=\frac{\large{出力電気エネルギー}}{\large{入射する太陽光エネルギー}}×100\)(%)
太陽電池モジュール1m2当り、1kWの光エネルギーを何%電気エネルギーに変換できるかを表します。
(たとえば、変換効率が20%とは、晴天時の地上で1kW/m2のエネルギー(日射強度の標準)があり、このエネルギーを1m2の太陽電池に照射したとき、太陽電池の発電電力が200Wとなることを意味します)

多結晶シリコン太陽電池の特徴

 多結晶シリコン太陽電池は、シリコン半導体を使用したpn接合型太陽電池であり、基本的な原理や構造は単結晶シリコン太陽電池と同じですが、原材料に単結晶シリコンではなく多結晶シリコンを使用する点が異なります。
原料となる多結晶シリコンが、多数の単結晶シリコンの断片からできているため、多結晶シリコン太陽電池セルはまだら模様の外観をしています。

[長所]

●製造コストが安価

多結晶シリコン太陽電池の原材料となる多結晶シリコンは、単結晶シリコンの断片を溶解し鋳型内で冷却するキャスト法を用いて製造されます。このキャスト法で作られる多結晶シリコンのインゴットは、結晶成長工程が必要な単結晶シリコンのインゴットと比べ製造コストを安価に抑えることができます。

●原料コストが安価

原料となる単結晶シリコンの断片は、単結晶シリコンインゴットの端部などを再利用できることから原料コストも安く抑えることが可能です。

●単結晶シリコン太陽電池と同等の耐久性・信頼性を持つ

[短所]

原材料となる多結晶シリコンが多くの単結晶シリコンの断片で構成されている為、単結晶と単結晶の接する個所に結晶粒界という接合面を持ち、この結晶粒界における構造欠陥の影響で単結晶シリコン太陽電池よりも変換効率が低くなる

以上の特徴より、「d」が不適当