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1級電気工事施工管理技士 問12

   

問題
問1,2 問3,4 問5,6 問7,8 問9,10 問11 問12 問13,14 問15,16

問題 12

排熱回収方式のコンバインドサイクル発電における作動流体(空気と燃焼ガス)の流れの順序として、正しいものはどれか

燃焼器 → ガスタービン → 圧縮機 → 排熱回収ボイラ
圧縮機 → 燃焼器 → ガスタービン → 排熱回収ボイラ
ガスタービン → 燃焼器 → 圧縮機 → 排熱回収ボイラ
燃焼器 → 圧縮機 → ガスタービン → 排熱回収ボイラ
解答 b

コンバインドサイクル発電とは

コンバインドサイクル発電は、ガスタービンによる発電とスチームタービンによる発電を組み合わせた発電方式で、ガスタービンコンバインドサイクル発電とも呼ばれています。

上図は、コンバインドサイクル発電のしくみです。圧縮空気の中で天然ガスなどの燃料を燃やして高温・高圧のガスを発生させ、その圧力でガスタービンを回して発電します。ガスタービンを回し終えた後の排ガスはまだ熱を持っているので、この熱を利用して排熱回収ボイラーで蒸気を発生させ、スチームタービンを回して2回目の発電をします。
2つの発電方式を組み合わせることで捨てられる熱を減らし、効率よく電気を作る仕組みになります。コンバインドサイクル発電の中でも、ガスタービン入口のガス温度が1,500℃級のMACC発電の熱効率は約59%で、従来型の火力発電の40%強を大きく上回っています。また、化石燃料の使用量を減らすことができ、CO2排出量の抑制も期待されています。

コンバインドサイクル発電の種類

ガスタービンとスチームタービンの組み合わせにより一軸形と多軸形の2つの形式に分けられます

●一軸形

一軸形は、ガスタービン、スチームタービン、発電機の軸を一直線に並べた構成を1つのユニットとします。発電機が1台だけなので設備全体をコンパクトにできます。一般に、ユニットを複数台並べて構成されます。ユニットごとに独立した運用ができるため、運転台数の増減で出力を増減することができ、広い出力範囲にわたって定格出力と同等の高い熱効率を得ることができます。

●多軸形


多軸形は、ガスタービンとスチームタービンの軸が分かれていて、ガスタービンとスチームタービンそれぞれに発電機が設置されます。複数台のガスタービン発電機にスチームタービン発電機1台を組み合わせることでスチームタービンの容量を大きくすることができ、高い熱効率を得ることができます

 

コンバインドサイクル発電の特徴

[長所]

●熱効率が高い

コンバインドサイクル発電の熱効率は、ガスタービンへの導入温度が1300℃級で約55%、1500℃級で約59%に達しています。

●起動・停止時間が短い

コンバインドサイクル発電設備は、急速起動が可能なガスタービンと小型のスチームタービンの組み合わせで構成されているので短時間での起動・停止が可能で、電力需要にもすばやく対応することができます。起動から定格出力に達するまでの時間を同じ1000 MW級で比較した場合、従来型のスチームタービンのみの火力発電の約3時間に対し、コンバインドサイクル発電では約1時間です。

●温排水量が少ない

スチームタービンを回すために使われた蒸気は、海水を使って冷やされ、水に戻ります。蒸気を冷やした後の海水は、取水時よりも水温が上昇した状態で海に戻されることから、温排水と呼ばれています。スチームタービンのみの火力発電では、燃料を燃やして得られる熱の80~90%が蒸気になりますが、コンバインドサイクル発電では50%程度しか蒸気になりません。出力が同じスチームタービンのみの火力発電と比較すると、コンバインドサイクル発電の温排水量は5~6割程度になります。

 

以上の特徴より、「b」が正しい。