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第1種電気工事士試験 一般問題 15

   

 

下図は、一般送配電事業者の供給用配電箱(高圧キャビネット)から自家用構内を経由して、地下1階電気室に施設する屋内キュービクル式高圧受電設備( JIS C 4620 適合品 )に至る電線路及び低圧屋内幹線設備の一部を表した図である。
[注1.] 図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。
[注2.] UGS:地中線用地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器

問題 15-1

①に示す地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)に関する記述として、不適切なものはどれか。

電路に地絡が生じた場合、自動的に電路を遮断する機能を内蔵している
定格短時間耐電流は、系統(受電点)の短絡電流以上のものを選定する
短絡事故を遮断する能力を有する必要がある
波及事故を防止するため、一般送配電事業者の地絡保護継電装置と動作協調をとる必要がある
解答

UGSは、地絡事故(電路に地絡が生じた場合)からの保護を行ないます。それを検出して自動で開放します。また、開放時間が電力会社の地絡保護継電装置よりも早く作動しなければなりません。つまり、一般送配電事業者の地絡保護継電装置と動作協調を取る必要があります。
また、短絡事故を防ぐことはできません。

よって、「C」の説明は不適切です。

問題 15-2

②に示す構内の高圧地中引込線を施設する場合の施工方法として、不適切なものはどれか。

地中電線に堅ろうながい装を有するケーブルを使用し、埋設深さ(土冠)を 1.2 mとした
地中電線を収める防護装置に鋼管を使用した管路式とし、管路の接地を省略した
地中電線を収める防護装置に波付硬質合成樹脂管(FEP)を使用した
地中電線路を直接埋設式により施設し、長さが 20 mであったので電圧の表示を省略した
解答

高圧地中引き込み線を施設する場合の施工方法について

●A・・適切
地中電線に堅ろうながい装を有するケーブルを使用して、道路下等の圧力が加わる場所では、1.2m以上の埋設深さ、圧力の加わらない場所では、0.6m以上の埋設深さを保たなければなりません。

●B・・適切
鋼管を使用した管路式では、管路の接地を省略することができます。

●C・・適切
FEP管の他にVE(硬質ビニル電線管)、VP(硬質塩化ビニル管)、ポリエチレン被覆鋼管などを使用します。 

D・・不適切
地中電線路を直接埋設式または管路式によって施設するときは、ケーブル標識シートと埋設箇所の表示を行なわなければなりません。ただし、地中線路の長さが15m以下の場合は、省略することができます。ケーブル標識シートには、名称、管理者名、電圧を記します。

問題 15-3

③に示すPF・S形の主遮断装置として、必要でないものはどれか。
相間、側面の絶縁バリア
ストライカによる引外し装置
過電流ロック機能
高圧限流ヒューズ
解答

③のところには「LBS」の表示があります。LBSは、高圧限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器です。
よって、「A,B,D」は必要です。

「C」の過電流ロック機能は、UGS(地中線用地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)の説明です。
過電流ロック機能とは、需要家内で発生した電気事故による電流を検出し、自動で電路を開放する機能のことです。

問題 15-4

④に示すケーブルラックの施工に関する記述として、誤っているものはどれか。

ケーブルラックの長さが 15 mであったが、乾燥した場所であったため、D種接地工事を省略した
ケーブルラックは、ケーブル重量に十分耐える構造とし、天井コンクリートスラブからアンカー
ボルトで
吊り、堅固に施設した
同一のケーブルラックに電灯幹線と動力幹線のケーブルを布設する場合、両者の間にセパレータ
を設けな
くてもよい
ケーブルラックが受電室の壁を貫通する部分は、火災延焼防止に必要な耐火処理を施した
解答

A・・誤り
ケーブルラックを施工する場合、必ずD種設置工事をしなければなりません

●B・・正しい
良質な材料で構成し、各部は容易に弛まず、丈夫で、かつ、耐久性に富み、電線の布設が容易でなければなりません

●C・・正しい
ケーブルラックに電灯幹線と動力幹線のケーブルを布設する場合、両者の間にセパレータを設ける必要はありません。セパレータは、低圧電線と弱電流電線等が接触しないように設けるものです

D・・正しい
防火区画貫通部の措置については、火災が発生した場合に、壁の区画を貫通するケーブルまたはその周辺から反火災側へ火災が延焼しないように、法令に定められた措置を施す必要があります

問題 15-5

⑤に示す高圧受電設備の絶縁耐力試験に関する記述として、不適切なものはどれか。

交流絶縁耐力試験は、最大使用電圧の 1.5倍の電圧を連続して 10分間加え、これに耐える必要がある
ケーブルの絶縁耐力試験を直流で行う場合の試験電圧は、交流の 1.5倍である
ケーブルが長く静電容量が大きいため、リアクトルを使用して試験用電源の容量を軽減した
絶縁耐力試験の前後には、1000 V以上の絶縁抵抗計による絶縁抵抗測定と安全確認が必要である
解答

ケーブルの絶縁耐力試験を直流で行う場合の試験電圧は、交流の2倍です。→ 「B」の説明では、“交流の1.5倍”とあるので、この説明は不適切です。