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第1種電気工事士試験 一般問題 11

   

 

問題 11-1

架空送電線路に使用されるアークホーンの記述として、次のうち正しいものは。

1.電線と同種の金属を電線に巻き付けて補強し、電線の振動による素線切れなどを防止する。
2.電線におもりとして取り付け、微風により生ずる電線の振動を吸収し、電線の損傷などを防止する。
3.がいしの両端に設け、がいしや電線を雷の異常電圧から保護する。
4.多導体に使用する間隔材で、強風による電線相互の接近・接触や負荷電流、事故電流による電磁吸引力から素線の損傷を防止する。

解答

アークホーン
電線路のがいし連の両端の架線金具に取り付ける角状またはリング状の金具。雷などによる異常電圧や汚損でがいしの絶縁が下がるなどして、がいし連がフラッシオーバした際、フラッシオーバアークががいし連に絡み、アーク熱のためにがいしや電線が損傷するのを防ぐため、アークの発弧点を電線からホーンの方に移す。リング状のアークホーンにはこのほか、がいし装置の金具表面の電位傾度を和らげるコロナ遮へい効果があるため、超高圧以上の送電線ではこの形状のものが用いられる。

すなわち、問題の解答は「3.がいしの両端に設け、がいしや電線を雷の異常電圧から保護する。」である。
参考に、
「1」は、アーマロッド。
「2」は、ダンパ。ダンパには、電線の上下振動をねじり振動に変えて振動を吸収する「トーショナルダンパ」がある
「4」は、スペーサ。

問題 11-2

高圧受電設備の受電用遮断器の遮断容量を決定する場合に、必要なものは、次のうちどれか。

受電点の三相短絡電流 受電用変圧器の容量 最大負荷電流 小売電気事業者との契約電力
解答

高圧受電設備の受電用遮断器が遮断しなければならないのは、三相短絡電流で、遮断容量を決定しなければならないのは、受電点の三相短絡電流である。

三相短絡電流は次の式。
\(I_{s}=I_{n}×\frac{100}{%Z}\)
\(I_{s}\): 短絡電流、 \(I_{n}\): 定格電流、 %Z: %(百分率)インピーダンス

問題 11-3

6kV CVTケーブルにおいて、水トリーと呼ばれる樹枝状の劣化が生じる箇所は、次のうちどれか。

ビニルシース内部 遮へい銅テープ表面 架橋ポリエチレン絶縁体内部
銅導体内部
解答

一般に自家用電気設備では、高圧の電気を構内に引き込むための高圧ケーブルとして架橋ポリエチレンケーブル(CVケーブルなど)が使用されています。この高圧ケーブルの絶縁に使われる架橋ポリエチレンなどに、水と電界の関係で小さな亀裂が発生し樹枝(tree)状に成長する現象を「水トリー」と呼びます。
水トリーには、内部の導体から発生する内導水トリーと外部の半導電層から発生する外導水トリー、絶縁物中に製造過程でできる微小のすき間や混入異物から発生するボウタイ状水トリーと呼ばれるものがあります。

この中で、内導水トリーと外導水トリーは、特にケーブルの絶縁性能を大きく低下させ絶縁破壊事故の原因となっています。なお、この現象は、昭和51年以前に製造されたものに多く発生する傾向があります。

すなわち、問題の解答は「架橋ポリエチレン絶縁体内部」です